藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

大事なことから逃げるな。

日経の原発の記事を読んで分かったこと。
今の世の中のフラストレーション。
特に政治だ。

巨額のコストとリスクが伴う原発事業を民間主体で進めるのは無理がある。だが、国のエネルギー政策は定まらない。
18年夏に閣議決定した国のエネルギー基本計画では、産業界が求めていた原発の新増設やリプレース(建て替え)の推進方針を明記できなかった。

「大事なこと」が優先して議論されていない。
議論の結果、進もうが却下されようがそれはともかく。
「優先順位が根本的におかしい」と思う。
消費税を上げるについて、とか。(上げないと立ち行かないのに)
外国人労働者の受け入れについて、とか。(受け入れないと仕方ないのに)
あるいはもっと根本の「少子化対策の是非」とか。(別に人口が減るのは悪いことなのかどうか)

根本の議論を避けて、枝葉の話になるから余計に政治に興味がなくなる。
こういう話は独裁の危険もはらむけれど、まずは「高齢化どうしますか?」「人口減はどう思いますか?」と難しい問題を取り上げるのが政治ではないだろうか。(少なとも企業ではそうだ)

原発の問題も、みんなして先送るするからどんどん収拾がつかなくなっている。
リーダーシップについて、有権者が判断する時が来ているのに違いない。

日本の原発 袋小路に 日立、英の事業を中断 国内の新増設は困難/海外は頓挫しゼロに
日立製作所が英国で計画する原子力発電所の建設事業を中断する方針を固めた。日本企業による海外での原発計画は事実上ゼロになる。国内では多くの原発が老朽化しているにもかかわらず、政府は新増設の方針すら示せていない。海外への輸出で国内の原発技術を維持する狙いは崩れる。原発をどう位置づけ、細る技術や人材をどう維持していくのか。エネルギー政策の再構築が急務になる。

これまで政府はインフラ輸出戦略の柱として、海外の原発計画の受注や建設に注力してきた。2000年代半ば、海外で原発建設計画が相次いだ「原子力ルネサンス」。政府関係者は「これでエネルギー業界は稼いでいくんだと意気揚々だった」と振り返る。
旗振り役の経済産業省を中心に、国際協力銀行JBIC)、日本貿易保険(NEXI)など政府系金融機関も総力を挙げて資金調達などで支援。近年では日立の英国案件と、三菱重工業によるトルコでの新設計画がその象徴だった。
しかしトルコの計画は建設費の高騰などで事業コストが膨れあがり、三菱重工は撤退する方向で調整に入った。東芝も英国での原発事業子会社を清算する。今回の日立の中断方針で、原発輸出の案件はゼロになる。
政府が原発輸出の旗を振ったのは、投資額が大きいインフラビジネスを支援する狙いだけではない。11年の東京電力福島第1原発事故を受け国内で新設が難しくなるなか、原発の建設や保守、廃炉など多岐にわたるノウハウを海外への輸出で維持する目的もあった。
三菱重工の幹部は「技能伝承には原発の新設プロジェクトが必要だ」と話す。国内外で新設に携わる機会がなくなれば、保守や廃炉も含め長期的視点が必要な技術と人材は先細ることになる。
IHIは3月末、発電機器などを製造する東芝との共同出資会社を清算する方針だ。原発建設に不可欠なサプライチェーンが途切れる可能性もある。
技術開発を巡る世界的な覇権争いの構図にも影響しそうだ。三菱重工の宮永俊一社長は「これまで日本がフランスと並び世界最先端にいる」としながらも、今後は中国とロシアの存在感が高まると警戒する。
資源エネルギー庁などによると、2000年以降に稼働した原発は中国で33基、ロシアで15基と世界の過半を占める。
英国で建設が進む別の原発では中国の原発大手、中国広核集団が資本参加するなど勢力を伸ばす。世界ではより小型で安全性が高いとされる次世代原子炉の開発競争が進んでおり、日立や三菱重工なども参加している。
巨額のコストとリスクが伴う原発事業を民間主体で進めるのは無理がある。だが、国のエネルギー政策は定まらない。
18年夏に閣議決定した国のエネルギー基本計画では、産業界が求めていた原発の新増設やリプレース(建て替え)の推進方針を明記できなかった。
国内原発の老朽化が進むなか、経産省関係者の多くが新増設の必要性を語る。だが、原発への慎重論が強い世論を気にして計画見直し時に建設的な議論を避けた。
エネルギー基本計画では、30年の全電源に占める原発の比率を20〜22%とする目標を掲げる。全国の原発の再稼働は想定通りに進んでおらず、老朽原発廃炉も相次ぐ。目標達成はかなり厳しいのが現状だ。
地球温暖化対策が世界的に急務となるなか、再生可能エネルギーとともに、原発が一定程度は必要との意見もある。基本計画は数年後に見直し時期を迎える。
引き続き、国内外で原発新設をめざすのか。原発の位置づけを再検討し、国民を巻き込んだ正面からの議論が避けられない。