藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

累積赤字125兆円


国の金で。
国のクレジットで。


何が何でも金融機関を救済し、恐慌を回避。
自動車産業も即死は避けてソフトランディング。


さらに国民皆保険とか。
新エネルギー開発とか。
アフガン撤退とか。


獅子奮迅のオバマ政権だったが。
11日には09年度の累計赤字は125兆円になったという。
もう一か月残しているので130兆オーパだろう。
ま、会社なら倒産覚悟だが。


オバマの反動


そんな中。
ロシアが国産の丸太輸出へ最終的には80%もの関税を課すという。
事実上の禁輸である。


中国は穀物の輸出関税を撤廃するという。
先進国の穀物相場、先物市場は価格下落を恐れて戦々恐々である。


民主党の菅代表は、日本のコメだけは例外扱いして、これ以上関税は下げぬ、という。
農協保護。


そして米政府は中国産タイヤに35%の特別関税を課すと発表。
当然、中国は激しく反発しているが。


各国が軒並み大赤字になる中、自国の産業保護、を志向せざるを得なくなる、サブプライム第三ステージ。
たとえ、あの国がデフォルトしようとも、今度は自国の秩序を守らねばならない。と。

どこの国にとっても「金融工学」という部分の「底が抜けた」という理解をしないと、保護主義で自国の周囲に壁を作り、「うちの国だけは安全を期している」、というポーズで国民にデモンストレーションすることになってしまう。


だが、ボーダーレス、を地で行く金融の世界は到底国境の壁では爆風は防げないだろう、ということは今の外貨準備高とか、国債とかを見れば素人目にも分かる。


次の恐慌が恐ろしいのは、「国同士のパニック」である。
みんなで冷静に考えれば、食べるための米とか、野菜とか肉とかは、まだなんとかなるのに、「経済危機」というもので即座に飢え死にする、というような恐怖と、その恐怖から「自分だけは逃れたい」というあざとい共感が世界中を支配するだろう。


そんな喧騒の中で、どれほど冷静でいられるか。
そんな非常時の態度が、教養と呼ばれるものではないかと思う。