藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

いつの世代でも

いよいよ就活が始まったらしい。
茶髪の彼や彼女たちも、真人間にとたんに変身。
もう企業選びに余念がない。
まあ当たり前だけれど、彼らはどうも即物的である。
よく質問を受ける。
「就職に有利な資格って何ですか?」
「面接官とか役員面談ではどんな点がキモですか?」などなど。

気持ちは分かる。
自分もよく友人とファミレスで想定問答していたことを思い出す。
(それにしても浪人生だった自分が「毎日新聞読んでる?」などと就職活動の学生の模擬面接をしていた。ふざけた話であった)
"それ"ばかりが気にかかるものである。

私のスペックではちょっと特徴がないのです…

と気弱に話す女子。
スペック。
もともと機械とか、システムの仕様とかを指す言葉が、なるほど就活生に当てはめられているのか。
確かにスペック、はある。
けれどスペックだけではない。
もう軽く二千人を超える就活生や、技術者と面談してきたが、真にそう感じる。
多分、若い人には"そこ"が見えぬのであろう。

エントリーシート

では、就活に際して初めて書くのではなく、できたら「大学入学前くらい」からエントリーシートを書いてみることをお勧めする。
高校までの学歴は変わらない。
大学は、実は就きたい職業によってずい分選択肢に幅があるのだが、まあそんなものは決まっていないことが多いので、それほど重要ではないことにする。
問題はその後段である。

大抵の履歴書には「資格、特技」とか「志望動機」とか「趣味」「自己アピール」などがある。

これにあなたは何を書くだろうか。
例えば弁護士の事務所訪問の場合、志望動機を尋ねると「人の役に立ちたい」「弱者救済」と上げる人がとても多い。
それはそうだろう、と思う。
だから「その上に何かが乗っていて」欲しいと思うのである。
「こういう理由で、こういう法律や分野に非常に興味を覚え…」とくれば「ゆえに、学生時代にはこれだけの文献や判例を当たり…」と続き、「すぐさま実務においてお役にたてるつもりです」と結べばどうだろうか。
グッと採用側の気持ちを惹くのではないだろうか。


自分は、以前所属していた会社でボランティアの就職アドバイザーを仰せつかり、アドバイスした30名ほどの全員から「内定出ました!!」と礼をもらったことがある。
でも自分が採用する側になってから「そうしたアドバイス」を止めた。
採用担当者の心をつかむhow toはある。
けれど、それを「目的そのもの」にして、その会社に潜り込んでもあまり幸せなその後にはなっていない。
自然に、ひたむきに自らの適性を考え、企業研究を重ね、相手の会社にエントリーしてこそ担当官に響くものがあるのだ、と思う。
エントリーシート、300通出しました」という。
選考する側も、何かで足切りせねば仕方ない。悪循環というものである。