藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

マヤ暦。

古代マヤ暦では、二十一世紀に、しかも今年の12月21〜23日に「暦が終わる」とされているらしい。
太陽のバーンアウトを予測するのならまだしも、何かの根拠で「この世が終わる」というある種の「限界思想」は人間特有の性質である。
それだけ知能レベルが高い、とも言えるのだろうがご苦労なことである。
昆虫や爬虫類はまずそのようなことは考えていないだろう。

数年前にノストラダムスの「世界最後の日」も話題になったが、それにしてもそうした話題が実際に「生活必需品の買い占め」にまで発展しているあたりが、人間の心の弱点を見る気がするのである。

先の震災の後もそうだったが、(しかも被災地ではない東京で)食料や缶詰などの生活物資が忽然とスーパーから消えてしまったことは記憶に新しい。
たかだか数日分の食料を確保したとて、もし大災害ならあまり大した役には立たない、というようなことを我われは瞬間的には考えない。
買い占める、という発想は「ともかく自分は助かろう」という本能の所作である。
その時に「他の人はどうなるか」ということはあまり考慮されていない。

まず自分と近習の安否を気遣い、その為に行動することは愛情の表れともとれるが、全体からすれば「とても偏った行動」である。
そして我われは、本能的にそうした振る舞いをする生き物だからこそ、「有事にいかに処すか」ということを「知的に考える」ということもできると思うのである。

決して「我が身だけの保身」を考えない行動は、悪いが昆虫たちには出来ないであろう。
人間が人間足れるかどうか? という命題に答えを出すのは、また我われ人間なのである。

買い占め・避難・方舟チケット… マヤ暦予言、各地混乱
 【林望=北京、副島英樹=モスクワ、小坪遊】古代マヤ暦の予言で「人類滅亡の日」とされる21日、滅亡自体は今のところ起きていないが、デマで生活必需品の買い占めが起きたりした国々では、騒ぎを楽しむ人も加わって混乱が続いた。
 ロウソクの買い占め騒ぎや、避難用の船やカプセルを造る人が各地に現れたりした中国では、21日は平静だったものの、デマの背後にあるとみられる宗教集団「全能神」への当局の摘発が続く。21日付の夕刊紙、法制晩報によると、拘束者は16の省や自治区で1300人を超えた。首都北京でも拘束者が出ている。
 やはり買い占めなどが起きたロシアでも、プーチン大統領が20日の一斉記者会見で「世の終わり」について聞かれ、「(太陽が寿命を迎える)45億年後に全てが終わる」と述べて21日の滅亡を否定した。メドベージェフ首相も7日のテレビ討論番組で「私は世の終わりを信じない。いずれにしろ今年は」と述べた。
 だが騒ぎを楽しむ市民も少なくない。中国の地元紙によると、ネット通販最大手の淘宝で「ノアの方舟(はこぶね)チケット」と称する商品は1700種類を超える。大半は友人や恋人などに贈る「ジョークグッズ」だが、過去1カ月で40万元(約500万円)を売り上げた出品者もいるという。
 ロイター通信によると、キリストが埋葬された「聖地」といううわさがあるフランス南部の村ビュガラッシュには、世界最後の日の避難所になるとして生き残りを図る人を取材しようと報道陣が殺到。警察官が警備しているが、「世界の終わり酒場」を開店してもうけている村人もいるという。
 英BBCなどによると、メキシコやグアテマラなどのゆかりの地では関連行事も開かれ、日本からも少なくとも20人が現地を訪れる。企画したユーラシア旅行社は「滅亡の日はあくまでお祭り的な要素としてとらえてもらっている」といい、年内に帰国する予定だ。