藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

携帯する決済、の未来。

BtoB、BtoC、CtoCの次はOtoOだという。
いい加減こうしたトレンド造語についてゆくのもうんざりするが、さりとてまったく無視していては、「本当の進化」が来たときに理解できない。
というような恐怖感も手伝って、いちいち「今度は何をするの?」と聞いてしまう。まだまだ世俗からは離れられないようである。

セカンドライフが登場して大騒ぎした時も「本当にこんな仮想世界が成長するのか?」と我われ40代はただ懐疑的だったが、やはり無理があったのだと思う。
そうした仮想社会の利用も、だんだんと現実味を帯びてきた、というよりは「ある程度リアルに使える手段」にこなれてきたということだろう。

商店街や百貨店、大規模チェーンに町の居酒屋やカフェ、スーパーと「独自ポイント」が乱立し、ポイントカードでぱんぱんにお財布が膨れているのが常態化していた。
そこに電子マネーとポイントが現われて事態は変わりつつある。
今や小売業は「ポイントの覇権争い」を繰り広げている。
企業各社の努力は相当なものだろうが、ユーザーとしては有難い。
色んなポイントに互換性が備わり、また現金同様の働きもする。
ポイントカードは「一枚に収斂」されてくれればそれに越したことはない。

そして、そのカードは携帯電話に内蔵される。
そしてそのカードはクレジットカードにもなり。
そして銀行口座とも連動する。
結局は「現金決済・クレジット販売・割引クーポン」が限りなく一つになってゆく。
まだクレジット会社や銀行は直接には関係していない感じがあるが、これから一層「個人の決済の一元化」の覇権争いは熾烈になり、しかし進んでゆくだろうと思う。
「どこへ行くにもこれ一つ」という時代は割合近くに到来し、「財布の"側(がわ)"と中身」がひと種類になる便利な時代はここ数年のうちに来るような気がする。
OtoOの進化も、そうした「決済の進化」に合わせて、これからが本番であろう。

スマホを活用した“O2O”が急増している理由とは?nikkei TRENDYnet 2月27日(水)14時5分配信
最近、キャリアやインターネット事業者がモバイルを活用した「O2O」に積極的に取り組んでいる。しかしなぜ今、各社はモバイルを活用したO2Oに力を入れているのだろうか。
 最近、キャリアや多くのインターネット事業者がモバイルを活用した「O2O(Online to Offline)」に積極的に取り組んでいる。O2Oとはインターネット上の行動をリアルな店舗での消費行動に結び付ける取り組みだ。しかしなぜ、各社はモバイルを活用したO2Oに力を入れているのだろうか。

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NTTドコモO2Oプラットフォーム「ショッぷらっと」を発表

 従来、インターネットをショッピングに活用する取り組みといえば、インターネット上で商品を販売する「Eコマース」が中心だった。だが最近、例えば、ソーシャルメディア上での書き込みがリアル店舗での消費行動に結びつくなど、インターネット上で起きた事象が、実際の店舗での販売に影響を与えるケースが増えてきている。そこで実際の店舗での購入行動を喚起するためにもO2Oを活用する動きが広まっているのだ。

 このO2Oにはさまざまな分野の企業が取り組んでいるが、最近、モバイル関連分野で、O2Oへの取り組みが活発化している。その1つが、NTTドコモが2013年2月21日に発表した、店舗向けの集客プラットフォーム「ショッぷらっと」である。

 ショッぷらっとの仕組みは次の通りだ。スマートフォンに専用アプリをインストールしておき、これを起動した状態で対応する店舗を訪れる。すると画面上にクーポンが現れるので、それを下向けにフリックして引き抜いて「チェックイン」すると、「スター」と呼ばれるポイントを貯めることができる。

 貯まったスターは、その数や内容に応じて、店舗でさまざまな特典を受けられる。つまり店舗で商品を購入しなくても、ただ店舗を訪れただけで何らかの特典が得られる仕組みなのだ。

なぜGPSFeliCaではなく“音波”を採用したのか?

 従来、こうした取り組みにはGPSFeliCaなどが用いられることが多かった。実際、NTTドコモは、エージェントサービス「iコンシェル」で、GPSの位置情報を基に、周辺の店舗の情報やクーポンが得られる取り組みをすでに実践している。

 だがショッぷらっとでは、“音波”でチェックインするという、従来とは異なる仕組みを取り入れている。人間には聞き取れない高周波を発する装置を店内に置き、その音をスマートフォンのアプリが検知して、チェックインのクーポンが現れる。

 あえて音波を採用したのは、GPSより狭く、かつFeliCaより広い範囲での販促活動を支援するという意図があるようだ。例えばデパートのような大型施設では、特定の店舗で消費するだけでなく、店内を回遊することでより多くの店舗に訪れ、消費を増やしてもらった方がよい。だがこうした場合、GPSでは顧客の場所を特定するのに向かないし、FeliCaではリーダーを探してもらわなくてはならない。

 10m程度の範囲をカバーする音波なら、ユーザーに手間をかけることなく、確実に場所を特定し情報を配信でき、顧客分析にもつなげられる。そうした理由で、音波を採用したようだ。ショッぷらっとは当初、都内の店舗を中心に試験サービスを実施し、8月以降に本サービスを実施するという。

企業アカウントでO2Oの活性化目指すLINE

 O2Oに積極的に取り組んでいるのはキャリアだけではない。スマートフォン向けのサービスとして、国内外で1億ユーザーを獲得したメッセンジャーアプリ「LINE」を提供するNHN Japanも、多大なユーザー数を頼みに、LINEによるO2Oの分野に積極的に乗り出している。

 LINEの取り組みは、大きく2つに分かれている。1つは、主として大規模な企業に向けたアプローチだ。LINEでは現在、企業の公式アカウントを提供したり、スタンプを配信したりするサービスを行っている。利用するのに数百万ものコストがかかるため利用できる企業は限られるが、ローソンの公式アカウントには625万のユーザーが友達登録し、ロッテの「コアラのマーチ」のスタンプは4000万回利用されるなど、企業のプロモーション、マーケティング活動で大きな成果を残している。

 そこでLINEでは、店頭で提供する商品にシリアルコードを付け、それをLINEで入力するとオリジナルのスタンプがもらえる「LINEマストバイ」や、LINEと連携できるアバターコミュニケーション「LINE Play」で企業ブランドの服やインテリアを配信する仕組みなど、企業のマーケティングに活用できるサービスを増やす方針を示している。

 もう1つは、各地域の飲食店など小規模の店舗に向けた取り組みだ。LINEでは、そうした小規模の店舗や地方自治体などに向け、より少額で、LINE上でセール情報やクーポンなどを配信できるアカウントを持てる「LINE@」というサービスを提供している。

 だがLINE@は、企業の公式アカウントとは異なり、店舗以外でユーザーにアカウントの存在を告知する手段が少ないのが課題だった。そこで2月20日から新たにLINE@を導入した店舗を検索できるポータルサイト「LINE@ナビ」の提供を開始。LINE@の利用を活性化をしようとしている。

すでに実績のあるモバイルでのO2O、今後も拡大が見込まれる

 ショッぷらっとやLINE以外にもモバイルでO2Oを実践する取り組みは多く、最近特に活発化している。ではなぜ、モバイルでのO2Oが注目されているのか。それはひとえにモバイルとO2Oの相性が良いためだ。

 事実、O2Oというキーワードが現れる以前から、携帯電話のモバイルインターネットをリアルの販促活動に結び付けるという試みは多く、成果も生み出してきた。最も身近な例としては、登録者にクーポンを配布するなどして顧客のリピートにつなげている、飲食店などの携帯電話向けメールマガジン会員サービスなどが挙げられるだろう。

 フィーチャーフォンの時代から提供されている、位置情報を活用したゲームも、モバイルインターネットをリアル店舗の販促につなげた成功例の1つだ。最近でもマピオンの「ケータイ国盗り合戦」が、1月17日から2月18日までの間、墨田区商店街連合会、港区商店街連合会とタイアップしたイベント「2大タワーを取り戻せ!」 で、4週間でのべ10万人を超える参加者を動員した。

 スマートフォンなどのモバイルデバイスは、インターネットが利用できるだけでなく、常に持ち歩いていて店舗で利用する機会も多い。過去の実績からもO2Oを実践するにはとても適したデバイスといえ、モバイルを活用したO2Oに関する取り組みは今後も大きく拡大し、その競争も激しくなりそうだ。