藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

日本だから意味のあること。

景気の良くない時期にはとんと聞かなかったリニア新幹線の計画がしばしば話題になっている。
品川-名古屋が11,500円とのことで、どうして先に料金プランが出てくるのか不思議だけれど、現在の「東京-大阪」の料金とほぼ変わらず、なかなか「こなれた」値段ではないかと思う。

品川-名古屋、とはいえ実に40分の所要時間というから、もう「都心から衛星都市」への移動と時間的にはもう変わりない。
東京-大阪が4時間、の時代から見ても実に6倍の進歩である。
技術の検証がすめば、いずれ東京-大阪は1時間、東京-博多が2時間になる時代が訪れそうな気配である。
諸外国では「そこまでのスピードは"陸上交通"では必要ない」という声もあるようだが、日本のように狭い土地に集積している国にとっては「地上車両の高速化」というのはまた別の価値があるのだと思う。

日本はいずれ「北海道から九州まで」、あるいは沖縄までを5-6時間で完全に結んでしまう世界初の「高速都市」になるのかもしれない。

今は地方都市は、大都市の一極集中傾向の煽りを受けて苦戦しているけれど、「本州の端から端まで3時間」で移動ができ、雪山を歩いたり、桜を見たり、温泉や海にに入ったり、と日本の四季を「一旅行」で間近に感じることができるようになれば、今以上に日本の観光人気は上がるのに違いないと思う。

午前中に仙台の杜、お昼に浅草、京都に移動して観光してから夕方には別府にいる、というようなツアーも実現するのだろう。
そんなに急がなくても、とも思うがこうした「スピードがもたらす自由さ」というのは我々の「選択肢の自由度を広げる」という観点で実に重要であると思うのである。
「日本の国土×スピード」という日本初の試みが、新しいツーリズムをもたらす可能性がある。何にしても「初」というのはワクワクするものである。

リニア料金1万1500円 品川―名古屋、JR東海検討

リニア中央新幹線のルート
【立松大和、宋光祐】JR東海は18日、東京・品川―名古屋で2027年の先行開業を目指すリニア中央新幹線のターミナル2駅と、沿線4県の中間4駅の構造を発表した。大まかなダイヤや料金とあわせて、首都圏と中部圏を約40分で結ぶ、東海道新幹線に代わる大動脈の全容が明らかになった。

沿線の環境影響評価(アセスメント)準備書に盛り込んだ。JR東海は「建設の環境への影響に問題ない」とし、2014年度の着工を目指している。

JR東海は、品川―名古屋で1時間に上下各5本のリニアの運行を想定。4本がノンストップで最速約40分。中間駅に停車するごとに8分ずつ延び、全駅に停車すると72分かかる見込み。東海道新幹線の同区間ののぞみは最速約90分だ。リニアは、1編成で約1千人の乗客を運ぶことを想定している。

また品川―名古屋のリニア料金について、のぞみ(通常期で指定席1万780円)より700円程度高い約1万1500円を検討する。JR東海はリニア開業後、東海道新幹線はひかりとこだまを増やし、のぞみの乗客にはリニアへの移行を促す方針だ。

リニアの全長約286キロのうち、86%にあたる約246キロがトンネル。JR東海は、地上区間(約40キロ)でも市街地などでは防音のために、線路全体をコンクリート製のフードで覆うという。しかし、地元からの要望を受け、甲府盆地山梨県)では、外からリニア車両を、車内から富士山や南アルプスを眺められるようにフードを設けないことを検討する。ほかのフードを外す区間は、自治体と調整していくという。

ターミナル駅は、東海道新幹線の品川駅と名古屋駅のいずれも地下に設置。品川は地下約40メートルで、JR東日本の山手線や、羽田空港につながる京急線と、エスカレーターを乗り継いで20分以内で乗り換えられる見込み。

名古屋は、10年に閉店した旧・松坂屋名古屋駅店跡地などの地下約30メートルに、現在の東海道新幹線と東西方向に交わるように造られる。ターミナル2駅の最大幅は約60メートル、長さ約1キロ。

中間駅は、神奈川県相模原市緑区のJR橋本駅近くの新駅を地下に造るが、残り3駅はいずれも地上で、山梨県甲府市大津町、長野県飯田市上郷飯沼、岐阜県中津川市千旦林のJR美乃坂本駅近くに設ける。規模は、長さ約1キロはターミナル駅と同じだが、最大幅は約50メートルにする。

ターミナル、中間のいずれの駅も、上下線の二つのホームの両側に2編成ずつ、計4編成が停車できるようにする。

トンネル工事から出る土砂や汚泥は、6234万立方メートル(東京ドーム約50杯分)。JR東海はほかの公共事業への有効利用を検討する、としている。

沿線には希少な猛きん類の生息が確認されている。このうち、オオタカクマタカについて、JR東海は「生息環境の一部が保全されない可能性がある」としているが、適切な対策を実施することで影響を小さくできると説明している。