藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

一国の立場を超えて

「中国人は・・・」といった固定的な感想はむしろ持たないようにしているけれど、それでも自分が中国を訪問した時の現地の人たちの「圧倒的な上昇志向」を思い出す。

今度は「世界で自分たちが豊かになる番である」という意識が強く、そのためには「環境への負荷」とか「関係国との摩擦」などは二の次である、という感じである。

それは「自分たちの正当な権利であるから、何びとも妨げることはならない」という感じの強い信念のようでもあり、競争社会の「強い自我」を感じずにはいられなかった。

今日欧米で日々深刻になっている環境問題とか、原発とか、エネルギーとか、本当に「これから考えねばならないこと」について、どのように国民の目を向けていくか、というのはこれからの中国にとって重要なテーマではないかと思う。
国民の数が半端なく多いだけに、経済だけでなく地球の環境に与える影響も大きい。

日本の原発汚染水の問題が、すでに日本などだけではなく、アジアや太平洋対岸の国々の重要な関心事であることと同様、中国の環境問題はもう地球レベルの話題なのである。

いよいよこれからの21世紀には、本当に多国間で「地球上の共生」を検討する時代になるだろう。
またそうして「別の取り組み課題」が出来てくることによって、現在のような「終わらぬ地域紛争」にも終わりが来るのではないかと思うのである。
いつの時代も、「新しい問題」は「それまでの課題」を凌駕して持ち上がってくるものである。

今の目の前の問題だけではなく「遠距離の視点」を持って将来を見通すように心がけたいものである。

北京市、大気汚染で車の交通量半減など緊急対策
 【北京=五十嵐文】北京市は22日、発がん性のある微小粒子状物質(PM2・5)を含む深刻な大気汚染が予想される場合、車の交通量をほぼ半減させることなどを盛り込んだ緊急対策を正式に発表した。
記者会見した市環境保護局の方力副局長は、「世界のあらゆる先進的な経験を学ぶべきだ」と述べ、日本などと協力する考えを示した。方氏は「現在の汚染物質の排出総量は、環境の許容量を超えている」とも述べ、大気の改善にはなお時間がかかるとの認識を示した。
 緊急対策は、PM2・5の濃度などに応じて4段階の警報を設定。「深刻な汚染」が3日続くと予想される最も重い「赤色警報」が発令された場合、末尾のナンバーが偶数か奇数かによって車の通行を禁じるほか、小中学校を休校とする。
(2013年10月22日20時28分 読売新聞)