藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

いいものを残すこと。

デザイン家電のamadana社が「CDプレイヤー」をクラウドファンデングで復活するという。
確かに自分の所有する多くのCDが、「もうダウンロードできますよ」という理由で無力になるのは寂しい。

ジャケットを被ったCDとか、あるいはレコードに郷愁を覚えるのは、今の「ダウンロード世代」にはない感情かもしれない。
紙の書籍とか、ボスター広告とか、いろんなアナログ媒体が試練にさらされている。

「人の感覚はデジタルに支配されるのか」ということについてはまだ決着は付いていないけれど「デジタルの完全な勝利」にはならないような気がする。
人間がデジタルではないからだ。

アナログな情緒を持つ人間が、それでもどれだけ「デジタル技術」を取り入れて工夫していくのか、ということがこれからの話題だと思う。
こうした「ごちゃごちゃ」の世界の中を進んでいくのが「時代を生きる」ということなのだろうと思う。

古い時代に生きながり、新しいものをどれだけ肯定的に取り入れていけるのか。
旧世代はそんなことを問われているのではないだろうか。

アマダナ、CDプレーヤー開発 ミドルの心つかむ
デザイン家電などのamadana(アマダナ、東京・渋谷、熊本浩志社長)が、CDプレーヤーを開発した。クラウドファンディングサイト「マクアケ」で10月末に予約を始めたところ、約10日間で購入者が1千人に迫る勢いだ。仕掛けたのは6月にチーフクリエーティブオフィサー(CCO)に就いた柴田広次氏。パルコ渋谷店(同・渋谷)店長などを務めた鋭い嗅覚がかぎ分けた「枯れた商材」に注目が集まる。

「アマダナミュージックCDプレーヤー」は天然木の土台に樹脂製の透明なカバーを上からかぶせる構造。CDがレコードのようにくるくると回る様が見える。近距離無線通信「ブルートゥース」に対応しスピーカーに接続できるなど機能性も重視した。
1台1万2千円と単機能のデジタル機器としては高額だが、特に40、50代の男性の需要をつかむ。「眠っていたCDに再び光を当てられる」「最後の1枚を聞くプレーヤーにしたい」。マクアケ上には100件以上の声が寄せられている。
音楽をネット上でやりとりするストリーミング配信に押され、CD販売は減少が続いている。2017年の世界の音楽市場はストリーミングがCDとレコードの合計を初めて上回った。
なぜ今さらCDプレーヤーなのか。柴田氏は「平成のエンターテイメントはCDが支えてきた。その平成が終わるなかでCDというメディアに再び脚光をあてることに意義を感じた」と説明する。
実は柴田氏自身が無類の音楽好き。所有するCDは6千枚にものぼるという。しかし最近はプレーヤーの新製品が減り物足りなさを感じていた。「もっとデザイン性の高い製品があれば、CD自体の需要喚起にもつながるはず」。流行を熟知した柴田氏の商品企画力と、自らの強烈な思いが市場の眠れる需要を掘り起こしつつある。