藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ますコミュニケート、の終焉。

4K8K放送が始まるという。
いつもながらハード主導だが、そこにコンテンツはついてくるだろうか。

ネットサービスの特徴は視聴者に課金し、視聴データに基づいた独自のコンテンツ開発をしているところだ。

つまり「見たいものだけを見る」というオンデマンドがテレビ業界に適応された時、果たして業界は耐えられるのだろうか。
今よりも、もっとシビアに「これは見る」「これは見ない」などの選別がデジタルで進むに違いない。

総花的なラジオテレビのあり方が、いよいよ変わる時ではないだろうか。
これからはN対nの時代になるだろう。

4K8K時代が到来 「放送」は生き残れるか
放送業界ではハイビジョン放送以来の新規格での放送開始となった「4K8K衛星放送」。4K放送も世界ではまだまだこれからという中で、NHKが長年研究していた8K放送も世界に先駆けてスタートした。実際に4Kの高画質を見ると、眼を見張る美しさとリアルであることは間違いない。筆者は8K映像を見たことがあるが、眼が現実と錯覚したのか、不自然なピントぼけの映像はちょっと気持ち悪くなるくらいのリアルさだった。

家庭でテレビ番組を視聴したい人は4K対応機への置き換えを進めるだろう。家電量販店のテレビ売り場は、4K対応機ばかりになりつつある。ちょうどアナログ停波やエコポイント需要などでテレビを購入した人の買い替えタイミングにもなるため、買い替えする人は増えていくだろう。
問題は、放送のためのアンテナ設備など「テレビ放送」がちゃんと見られるのか、ということだろう。ハイビジョンへの切り替えの頃と比べてもテレビを取り巻く環境は劇的に変化した。
ネットフリックスやアマゾンプライムなどインターネット動画勢は、積極的に4K対応コンテンツを配信している。現在4K対応テレビを購入した人たちが楽しんでいるのは、ネット配信動画のコンテンツだ。

テレビ画面を占有しているのはもはやテレビ放送だけではない。若者の間ではスマートフォンスマホ)やタブレットで動画を視聴する生活スタイルが定着し、そもそも自宅にテレビがない世帯も急激に増加している。地上波の人気ドラマもスマホのネットサービスで視聴できる。テレビ放送のキラーコンテンツでもあるスポーツでも、動画配信のDAZN(ダゾーン)がJリーグの10年感の放送権を総額2100億円で取得。放送局の目玉コンテンツがネットサービスに奪われたことは衝撃だった。

ネットサービスの特徴は視聴者に課金し、視聴データに基づいた独自のコンテンツ開発をしているところだ。ネット同時配信を目指しているNHKは、ネットフリックスと十分戦えるコンテンツ制作能力を有しており、魅力的な4K8Kコンテンツ開発が進むだろう。
広告モデルに依存している民放各局はどうだろうか。スポンサーの意向で4K対応を進めていくだろうが、そこまで投資をしても放送収入が増えるわけではない。
携帯電話の次世代規格「5G」で8Kのネット配信が可能となる。貴重な電波を放送波に使う意味も問われるようになるだろう。NTTの固定電話網が2025年に終了し、すべてIP網になるように、いずれ通信と放送が融合するのではなく、通信が放送を飲み込む形になることも意外と現実的な話なのかもしれない。