藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ネスレの挙動。

*[経営]行動の基本。
売り上げ何十兆円の企業と、何百万円の企業の何が違うか。
それは「扱う数字の大きさ」だろう。
規模が大きければ、扱う事業も多い。
そこには多分「大規模な数字を扱うノウハウ」が重要になってくると思う。
ネスレほどの巨大企業が「健康志向」に舵を切っているという。
その方向にトレンドがあるのは間違いないだろう。
自分たちはネスレほどの巨体ではないから、「健康」ということに目標を定めれば、素早くやれることはたくさんある。
「健康で長生き」というテーマを焦点に、自分たちのできることを考えれば、法律でも、システムでも、介護でも、不動産管理でも、切り口は同じだ。
むしろ「体が小さいうち」は小回りがきく。
"「時代に求められるテーマを考えて動く」ということが経営のコツではないだろうか。"
 
「○○は儲かる」とか「投資は○○に」という話に振り回されているうちは、本当の道筋は見えないだろう。
「簡単にはできないけれど、けれど必要なもの」について考えれば先は明るいのではないだろうか。
案外ヒントは身近にあるようだ。
 
ネスレ、既存事業の売上高伸び率が7年ぶりに回復
2019年2月15日 6:57
食品世界最大手ネスレ(スイス)は14日、これまで既存事業の売上高伸び率の鈍化が続いていたが、2018年12月期は7年ぶりに前年の伸び率を上回ったと発表した。中国と米国での売上高回復や、健康志向の強い製品の発売が寄与した。
消費者はより健康で自然で、地元産の食品への志向を強めているため、ネスレは他の食品各社と同様に需要の伸び悩みにあえいでいる。
ネスレのマーク・シュナイダーCEO=ロイター
1922年以降で初の外部からのトップ起用により、2年前に就任したマーク・シュナイダー最高経営責任者(CEO)は、これに対処するため、事業の売却や買収による製品の刷新に取り組んできた。シュナイダー氏は14日、ハムやホットドッグなどのブランド「ヘルタ」も新たに売却する方針を発表した。
シュナイダー氏は売却を決めた理由について、食肉よりもプロテインサプリメントの方が売り上げの伸びが大きいためだと説明。「消費者の好みは変化している。別の分野に注力すべきだということは、数字にも表れている」と語った。
コーヒー「ネスカフェ」やチョコレート菓子「キットカット」、ベビーフード「ガーバー」などを手掛ける同社が同日発表した18年10~12月期の決算は、既存事業の売上高の伸び率が3.7%となり、ブルームバーグによる市場予想の3.6%をやや上回った。
ネスレの二大市場である米国と中国の売り上げが大幅に増えたため、18年通期の既存事業の売上高の伸び率は3%を記録。前年の2.4%から拡大した。幼児向けの栄養食品や、キットカットなど菓子の需要が業績を下支えした。
既存事業の売上高の伸び率には通貨変動や事業の買収・売却の影響が含まれないため、投資家からの注目度が高い。
フリーキャッシュフロー(純現金収支)は15%増えて108億スイスフランに達したため、配当を1株当たり0.10スイスフラン引き上げて2.45スイスフランとした。同時に、先に発表していた自社株買いの完了時期を6カ月前倒しした。

サード・ポイントの要求

ネスレは成長を強化し利益率を高めるため、資産の売却や新製品の発売に取り組んでいる。この戦略の鍵を握るのは、明確な健康効果をうたった健康食品の拡充だ。
一方、米国のアクティビスト(物言う株主)ファンド、サード・ポイントによる圧力への対応も迫られる。サード・ポイントはネスレ株1.25%を保有しており、シュナイダー氏の事業改善策にはスピードも大胆さも足りないと訴えている。
カナダの金融機関RBCのアナリスト、ジェームズ・エドワーズ・ジョーンズ氏は、シュナイダー氏は「賢明な対策」を進めており、ネスレの先行きを改善していると評価する。
エドワーズ・ジョーンズ氏は「シュナイダー氏は資産配分を明確にし、利益率向上に向けた積極的な姿勢をとり、ネスレの社風を変えようとしている」と指摘。「徐々に正しい方向に進んでいる」と称賛した。
14日午前のスイス株式市場でネスレの株価は3%上昇、スイス株価指数の伸び0.7%を上回った。
同社は今年も既存事業の売上高の伸びと営業利益率の改善を果たし、20年末までの3カ年の業績改善計画の達成に向けて足場を固めたいとしている。
シュナイダー氏は既に事業の売却に動いている。18年9月にはガーバー生命保険を13億ユーロで、今年1月には米菓子部門を28億ドルでそれぞれ売却した。
評価額が最大70億スイスフランに上るスキンケア事業の出資見直しも進めている。シュナイダー氏は複数の買い手候補が「非常に強い関心」を示していると明かしている。
さらに、カナダの栄養補助食品会社アトリウム・イノベーションズを23億ドルで買収し、米スターバックスから米国以外のスーパーなどでスタバブランドの商品を販売する権利を71億5000万ドルで取得するなど、有望視する分野の資産購入にも乗り出している。
サード・ポイントはネスレに対し、ピザやアイスクリームなど、現在の健康的な食生活を追求する傾向に合わない事業の処分を加速するよう要求。ネスレ保有する仏化粧品大手ロレアルの株式23%の売却も求めている。
By Leila Abboud