藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

顧客との接点。

*[ウェブ進化論]一周回ってメルマガ。
日経より。
N自動車のナンバーワン営業マンの人の話を聞いたことがある。
もう十数年にわたって「1日に一台以上の車」を販売し続けているとのこと。
なんとその営業の真髄は「はがき」だった。
来店につれ、見積もりにつれ、購入につれ、アフターサービスにつれ、買い替えにつれ、他社への乗り換えにつれ。
折々に手書きの「はがき」を送る。
「心遣い」がマーケティングの真髄なのだと感心した。
さて。
大手の海外新聞各紙が再び顧客とのリーチを強めているという。
電子版の購読制で勢いのある新聞といえば、「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)や「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)が筆頭だが、NYTは、なんと約70ものメルマガをラインアップする。WSJも40弱だ。元気の良い新興メディアの代表格「アクシオス」は、創業2年弱だが、すでに20ものメルマガをそろえる。
新聞が廃れ、デジタルサイトが台頭し、今また「細やかなコンテンツの時代」になっているらしい。
結局、まだまだ「記者の筆力」がモノを言う時代は終わっていないようだ。
今一度「中身のある記事とは何か」について、自分たち読む側も考えてみたいと思う。
 
メディアに「メルマガ・ルネサンス」!? 読者との絆、復活の切り札
2019年3月20日 21:30
米国では、広告収入に依存して急成長街道をひた走ってきたメディアの多くが窮状に置かれている。前回の「新興メディア、一斉に人員削減 広告収入、成長軌道届かず」で述べたが、広告市場が、グーグルとフェイスブックの二大プラットフォームにより寡占化されている影響だ。
ニューヨーク・タイムズなど欧米メディアはニュースレターの配信に力を入れている
こうしたメディア業界で「救世主」と期待を集めるのが、「メールマガジン(メルマガ)」だ。
「いまさら、あの(ローテクな)メルマガ?」と首をかしげられるかもしれない。そう、あのメルマガなのだ。
米国では、一般的には「(eメール)ニュースレター」と呼ばれるが、これがいま、読者を集め、きずなを深める重要な武器として注目されているのだ。
昨年、「シカゴ・トリビューン」など米国の大手地方紙3紙が、研究機関と協力して各紙電子版の読者行動データの詳細な研究を実施した。電子版購読者を定着させるための鍵は、読者の「習慣化された行動」にあり、そのための最大の施策がメルマガだと研究者は結論づけている。
広告依存のメディア運営を見直そうとすれば、読者との直接的な関係を深めることが重要になる。広告表示の数量を競うようなあり方から脱却し、サブスクリプション(購読)に代表されるように、読者からの収益や読者との深い関係を事業の中心へとすえるアプローチが目立つようになってきた。
その点で、毎日、定期的に読者の受信箱に届くメルマガは、読者の閲覧を習慣化するのにぴったりで、忙しい現代の消費者にメリットがある。まさに「メルマガ・ルネサンス」だ。
ふじむら・あつお 法政大経卒。アスキー系雑誌の編集長、外資系IT(情報技術)企業のマーケティング責任者を経て2000年にネットベンチャーを創業、その後の合併でアイティメディア会長。13年からスマートニュース執行役員。18年7月からフェロー。東京都出身。
具体例を紹介しよう。電子版の購読制で勢いのある新聞といえば、「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)や「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)が筆頭だが、NYTは、なんと約70ものメルマガをラインアップする。WSJも40弱だ。元気の良い新興メディアの代表格「アクシオス」は、創業2年弱だが、すでに20ものメルマガをそろえる。
それぞれがスター記者や編集者の魅力を前面に打ち出す。時には専門分野に強みをもつ独立系メディアを買収して、そのままメルマガの品ぞろえに加えたりと、メルマガ充実に並々ならぬ意欲を見せる。アクシオスは、有料購読制は採らないものの、専門テーマごとに集約されたメルマガ購読者層は魅力的な広告対象らしく、広告主が引きもきらないという。
日本で商業メディアが発行するメルマガといえば、ウェブ本体の「おまけ」的な産物だが、米国では浮動票ではなく強力な支持層をつかんでいるメディアは、メルマガの充実化を推し進めている。メディア復活の重要なヒントだろう。