*[ウェブ進化論]マネーがデジタル。
一市民としていつも思うのが「やっぱり資金洗浄って必要なんだ」という素朴な感想だ。
しかしながら武器を売ったり、架空の取引をしたりして「作ったお金」は金額が多いほどに「使いにくい」らしい。
これを大きな流れで見れば「健全化」に向かっているのではないだろうか。半世紀も前なら、庶民の知らないところでもっと巨額の"洗浄"が行われていたのに違いない。パナマ文書始め「悪事は隠しておけない時代」になってきていると思う。
逆に悪人の側からすれば「使い方」とか「資金移動」の仕方まで考えないと「ただ奪取した大金がある」というだけでは使えないわけだ。
自分はこの「悪人も商売で儲けて」、再び「日常の世界で使おうとする」という感覚が面白くて仕方ない。
「悪人マーケット」の世界の人は、「そちらのルール」で無法な行いをし、けれど必ず「こちらの日常の世界」で過ごそうとする。どんな悪いヤツも「みんなと一緒の世界で楽しみたい」わけだ。
これから一層マネーが加速度的に電子化されていくと、今のようなロンダリングとか強奪みたいなことはできなくなると思う。
「すべての金にIDがつく」時代はもうそこまで来ている。
ドイツ銀、1億7500万ユーロを資金洗浄か
2019年4月18日 7:45
英紙ガーディアンが最初に報じた18年4月24日付の「極秘」資料によると、暴露から1年後、ドイツ銀の金融犯罪対策担当幹部2人が監査役会に対し、同行の関与に関する内部調査についての状況報告を行った。
租税回避地の資金洗浄疑惑も
これらの行為は16年に富裕層や政治家の租税回避の実態を明らかにした「パナマ文書」に記載されていた。18年末には総勢170人の警察官や検察官が2日間にわたりドイツ銀の本社を捜索した。
事情を知る人物によると、「ロシアン・ローンドロマット」はこれらの疑惑とは無関係だという。
スライド資料によると、報告を行った幹部は監査役会の会計検査委員会に対し、ドイツ銀が資金洗浄スキームで「金融犯罪に関する法律、規制を含む各種の義務」に違反した可能性があると警告した。また規制当局から「相当な懲戒処分」を受ける可能性も示唆した。
中継銀行の役割果たす
ダンスケ銀行の件と同様、ドイツ銀は中継銀行の役割を果たし、2行に代わって国境を超えた資金移動の手続きを行った。
報告資料によれば、ドイツ銀は12年と15年に「ロシアン・ローンドロマット」とは別の理由で両行との関係を打ち切った。
監査役会のメンバーは、同行が不正な仕組みに気付いたのは、17年3月にジャーナリストから「金融資産が同行の中継銀行ネットワークを通じて違法に移されている」との情報を得た時だったとの報告を受けた。
「この秘密情報を得て初めて、ドイツ銀行が世界規模での調査を開始できた」と報告資料は記している。
金融犯罪対策チームは「ロシアン・ローンドロマット」の文脈において、同行が2581の「高リスクの個人や団体」と取引し、うち30が同行の直接の顧客だったことを発見した。
これらの個人や団体に対し4種類の通貨で決済された金額は現在の為替レートで1億7500万ユーロに上る。これには4740万ドルの米国関連の支払いが含まれる。
ドイツ銀は17日、内部調査が予定どおり18年第4四半期に終了したかどうかは公表しない方針を明らかにした。
「進行中または今後行われる可能性のある調査についてはコメントできない。また規制当局が関係する問題についてもコメントできない。当行はあらゆる公式な捜査に対して適切な情報提供を続ける」と広報担当者は話した。
By Olaf Storbeck
(2019年4月18日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
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