藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

世界で暮らす時代。

*[暮らす場所]そこがふるさと。
定額制(subscription)で国内や海外に自由に住めるサービスが登場しているという。
民泊解禁、くらいまでは想像がついたが「世界中に住もう」と言われると驚くとともにちょっと憧れる。
自分はあまり観光旅行は好きではないが、「その街で暮らす」となるとちょっと違う。
まるで放浪するように三ヶ月づつ、いろんな都市に住んでみれば贅沢な海外旅行よりもよほど楽しいのではないだろうか。
"観光"と"暮らす"ではまるで違う感じがする。
スペインやオーストリアの田舎町やインドや中国やアフリカとかで、しばらく暮らす。
まさに体験型の楽しみだ。
アメリカの東西南北に三ヶ月づつ住んだらどうか。
中国の内陸だって面白いに違いない。
東欧やロシアだって住んでみたい。
友人はカナダの暮らしが忘れられないと言ってたなぁ。とか。
 
南極に三ヶ月住んだら少しは人生観も変わるのじゃないだろうか。
そんな風に考えるだけで想像が膨らんで、とても楽しい。
 
「サブスク」住宅で国内外に滞在 新興企業が提供
2019年5月14日 19:30
定額制(サブスクリプション)事業を手掛けるスタートアップ企業のKabuK Style(カブクスタイル、長崎市)は国内51カ所と海外7カ所の住居に自由に住めるサービスを4月に始めた。一カ所に定住することも世界各地を渡り歩くことも可能。外国人留学生やフリーランスで働く人など、幅広い層の需要を見込んでいる。
国内と世界の拠点にどこでも定額で住み放題となる
サービス名は「HafH(ハフ)」。利用者は専用のサイトで会員登録し、利用期間に応じてプランを選択する。
月額8万2000円で30日間住めるプランのほか、月額1万6000円で5日間だけ利用するなど短期間のプランも用意している。宿泊したい施設と日程を選んで予約が完了する。

ベトナムや台湾、ケニアなどに滞在

国内51カ所の宿泊施設に加えてベトナムや台湾、ギリシャケニアなどの施設とも提携し、客室をハフのサービスとして提供する。
家具などは備え付けられており、買う必要はない。光熱費やWi-Fiの料金なども月額料金に含んでいる。
通常の賃貸住宅と違って契約時に敷金や礼金が不要なため、定住のほか旅行や出張などでの利用も見込む。宿泊施設にはカフェや交流スペースも設け、希望する利用者同士が関係を深めやすいようにしている。
宿泊施設は多様で、徳島県美馬市の「ADLIV」は印刷工場を宿泊施設に改修した。大分県竹田市の「たけた駅前ホステルcue」は城下町である竹田の築80年を超える古民家を利用している。フィリピン・ドゥマゲテの「Lafusion Garden&Resort」は語学学校を併設する。「拠点ごとに違った宿泊体験ができるのもハフの魅力だ」と同社は説明している。
同社の砂田憲治共同代表は「ハフの住居では、多様な価値観を許容するという価値観を利用者に共有してもらう」と話す。国籍や人種などに関係なく、誰でも自然に溶け込める環境づくりに力を入れているという。

利用者同士の交流に期待

ハフは「世界を旅して働こう」がキャッチフレーズで、施設にはコワーキングスペースや会議室なども設けている。長崎県にある自社運営の1号店では、屋上やテント内で打ち合わせができるという。BGMに自然の音を取り入れるなど「旅して働く」雰囲気づくりに力を入れている。
「多くの人はパソコンがあればどこでも仕事ができる。普段と違う場所で働くと仕事の効率が上がったり、新しいアイデアが生まれたりする」(大瀬良亮共同代表)。ハフの施設を拠点に、各地を旅しながら仕事をするスタイルも想定している。施設での利用者同士の出会いが新たなビジネス創出につながることも期待しているという。
オフィス以外の場所で働きたいという需要も満たす
KabuKは2018年2月に創業した。「10年ほど前から、シェアリングの形で粋な住まいをつくりたいという考えがあった。構想を温め続け、世の中に受け入れられるタイミングを待っていた」。砂田共同代表はサービス開始までの経緯を、こう話す。
サービス名は利用者にとって滞在先が「第2のふるさと」になる願いを込めて「Home away from Home」の頭文字を取って「HafH(ハフ)」と名付けた。
砂田共同代表は外資系の投資銀行に勤めた経験があり、大瀬良共同代表は大手広告会社でマーケティングやPRを担当してきた。2人は起業前から交流があり、金融とマーケティングの知見を経営に生かしている。
ハフのサービス開始に向けて18年11月にサイバーエージェント系のクラウドファンディングサイト「マクアケ」を通じて資金を募ると、3日間で目標額を上回る500万円以上を調達した。サービスへの周囲の期待は大きいようだ。

イベントも開催へ

「今年は勝負の年になる」と砂田共同代表は意気込む。国内外の拠点を増やすことに加え、利用者がハフの施設に住みたくなるように地域と連携したイベントも開催する計画だ。様々なテーマを設定して施設にゲストを招き、一定期間そこに住んでもらって利用者と交流するような内容を想定している。
砂田共同代表は「家を決めて定住するのはこれまで当たり前だった考え方だが、近い将来には定住せず、住居もシェアすることが普通になっていく」と予想する。
実際にシェアハウスやシェアオフィスの利用は一般的になり、家を持たずに転々としながら生活する「アドレスホッパー」の存在も徐々に知られるようになってきた。
今後はKabuKと同じようにサブスクで住居を提供する企業も出てくるだろう。それでも同社は住居と旅、仕事の3要素を掛け合わせたスタイルで独自性を発揮し、サービスを拡大していく構えだ。
(企業報道部 北戸明良)
日経産業新聞2019年5月13日付]