藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

目線は高く。

*[次の世代に]仕事はプロで。
日経MJより。
人気脚本家の古沢(こさわ)良太さんのインタビュー。
リーガルハイとかを書いてる人だ。
教わったことは現実的にやれる範囲でベストを尽くすことがプロの仕事。
セリフ1つでも頑張って作ったり、ちょっとしたアイデアを積み重ねたりすると、それなりにいいクオリティーになる
プロならではの一節だろう。
「大げさに言えば歴史に残るものを作りたいわけです」と言いつつも
「眼高手低という言葉があるけど、高い理想ばかり見て自分が書く物が全く届かないという現実に苦しんで書けなくなることに、今も苦しみます。」
という。
志は高く、仕事はプロフェッショナルとして。
「作品には身の丈があり、それが好きな人に届き、元気をもらえる人がいればいいんじゃないか」
という一言は、一般の我われの仕事にもそのまま当てはまるのじゃないかしらん。
「仕事には身の丈があり、それが必要な人に届き、喜んでもらえる人がいればいいんじゃないか」と。
しかし本音で言えば「歴史に残る」仕事がしたい。なんて。
 
 
人気脚本家・古沢良太氏「視聴率より作り手の情熱」
2019年5月17日 19:30
リーガル・ハイ」「デート~恋とはどんなものかしら~」など、数々のヒットドラマや映画の脚本を手掛ける古沢良太氏。個性的な登場人物や、物語が二転三転する先が予想できない構成などが魅力だ。17日にはテレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の映画版が公開。視聴者を引き付ける「古沢マジック」の秘訣などを聞いた。
こさわ・りょうた 1973年生まれ、神奈川県出身。2002年、「アシ!」でテレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞を受賞し、脚本家デビュー。映画「ALWAYS三丁目の夕日」では日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞
■変わり者は魅力的
――「正義は金で買える」と言い放つ弁護士や恋愛下手で超合理主義のリケジョなど主人公はキャラ立ちしていますね。
「社会のルールから逸脱している人や変わり者に魅力を感じていて、『なんてチャーミングなんだろう』と思わせてやるという気持ちが強いかな。自分の一部を増幅させて、憑依(ひょうい)して描いている部分もあるし、願望も入っている。(コンフィデンスマンの主人公)ダー子はとにかく自由で無軌道。大金をだまし取るけどセレブな生活をしているわけではない。着たい物を着て食べたい物を食べる。性的嗜好もこだわらない」
「個性と個性がぶつかり合うのがドラマの面白さ。名言や名ゼリフを書くことには興味ないが、会話を楽しく面白くすることは一番頑張っています。普通はこう言うが、こいつだったら言わないんじゃないか、とかが人物を魅力的に見せる」
――物語が時系列で進まなかったり、二転三転したり。あっと言わせる構成も魅力です。
「構成はマイブーム(笑)。『こんな構成のラブコメは見たことないだろう』とか、人がやっていない新しいことをやりたいという気持ちが強くて。それがモチベーションです。結局、自分の首を絞めることも多いですけど」
■現実逃避から題材
――だまし合いのコンゲームにラブコメ、ジャンルが幅広いです。題材をどう探していますか。
全国東宝系で公開中の映画「コンフィデンスマンJP」は香港が舞台 (C)2019「コンフィデンスマンJP」製作委員会
■セリフ1つにもこだわり
――脚本家として影響を受けた人はいますか。
「駆け出しの時、一緒に仕事をした(脚本家の)江頭美智留さんや横田理恵さんの仕事ぶりは勉強になった。『ALWAYS三丁目の夕日』で一緒に書いた山崎貴監督は唯一、師と呼べるかも。映画やドラマは皆でつくるもの。よりいいものを一緒につくる姿勢。それが一番学んだこと」
「眼高手低という言葉があるけど、高い理想ばかり見て自分が書く物が全く届かないという現実に苦しんで書けなくなることに、今も苦しみます。教わったことは現実的にやれる範囲でベストを尽くすことがプロの仕事。セリフ1つでも頑張って作ったり、ちょっとしたアイデアを積み重ねたりすると、それなりにいいクオリティーになる」
――高い理想とは?
「大げさに言うと歴史に残る物を作りたいわけです。皆、社会現象になるような大ヒット、何十年、何百年と残る名作にしたいと思ってとりかかる。でも書いている段階で現実の壁に破れる。視聴率や大ヒットだけが作品の価値じゃない。作品には身の丈があり、それが好きな人に届き、元気をもらえる人がいればいいんじゃないか」
――今後、どんなことに挑戦したいですか。
「いっぱいあるんですけど、言わないでおきます(笑)。1~2年後、あっと言わせるようなことをやれたらいいなと思います。その時、『あ!』って思ってください」
(聞き手は杉垣裕子)
[日経MJ2019年5月15日掲載]