藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

相続について(3)

*[次の世代に]創業者の責任。
せっかく築いた財産が、却って自分の孫子(まごこ)の人生を歪めてしまうとしたら、これほどの不幸はない。(でも実に多い)
 
築いた財産の相続について一番厄介なのは「金融資産や不動産」だ。
会社は人に任せたり譲渡したりできるが、金融資産や不動産は「もれなくもらえてしまう」ものだから。
つまり易々と巨額の不労所得をもらえてしまう。
もらった側はどうなるか。
 
人は煩悩の生き物だ。
「財産を全額寄付した」という人を自分は知らない。
それまでの生活を変えず、さらにコツコツと貯蓄をしたり、事業に専心する、という人もあまり知らない。
一方都心の土地を相続して、自らビルの中に住む大家となり、30代で「大家さん」のまま定職に就かない人がいる。(それが悪いというつもりはないが)
ついには兄弟間で「もっとあるはず」と諍い始めたりする。自分で稼いだ財産ではないのに。
サラリーマンを辞めて「不動産投資」とか「外貨投資」などをしてみたり。
株を買って優待券だけで生活している人もいる。
優待券ありきの生活、ってそれで充実しているのだろうか。
 
自分は創業者はその責任として「会社や財産を朽ちさせないためのノウハウ」を学ぶべきだと思う。会社には取引先も従業員もいる。
 
ガバナンスの厳しいはずの上場企業ですら血縁者が経営に参画して、その後悪影響が出るケースは実に多い。(反対にユニ・チャームのように発展させている人は注目されいる)
それほど創業者の「後始末」は大変なものだ、と相続の現場を見ていて痛感するのである。
(つづく)