藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

その世界を知りに行く(2)

*[次の世代に]過去は変えられる。
居酒屋の店主と語り合うのは楽しい。
最初は打ち解けなくても、お互いどこかで接点が見つかることが多い。(見つからないこともあるがそれもいい)
そうしていて思うのは、圧倒的に「オープンに話をすること」が面白いことだ。
これはお互いのことだ。
 
ある居酒屋では少年時代にグレて少年院に入っていたという店主がいた。
また別の店では、大手企業から脱サラし、多店舗展開するも人間関係につまづき、結局奥さんと二人でやり直しているという。
 
また料理人の経験はリアルである。
どんな下積みをしてきたかとか、どんな先輩やお客さんと触れ合ってきたか、という話はまるでドラマのようだ。
料理人の半生を聞くのは、まるで一編の小説を読むくらいの驚きがある。
 
そして。
うまくいっている料理店の共通点は「過去をポジティブに考えている」ことだと思う。
少年院に行って「とことんダメな自分」を感じてから開き直って料理人になった店主。
人をたくさん使って事業を広げてみたが、結局一から出直した店主。
 
彼らの話を聞いていると「過去は変えられる」とつくづく思う。
過去の事実は変わらないけれど、それを「これからにどう使うか」ということだ。
失敗の過去は、「これからの成功の素」にすれば失敗ではなくなる。
成功の一部と言っていい。
つまり過去は「これからの動作によって変わる」のだと思う。
 
徹底的に、クズみたいな過去の体験を「これからの自分」が宝物のように変えられるかもしれない。
何よりこれからが開けていれば、過去のことにはこだわる必要もないだろう。
過去の苦労を美談のように語るのは「フーテンの寅さん」の十八番ではないか。
若い人は今の自分に絶望することはない。