商売の極意とか、スマホの未来とか(2)

*[ウェブ進化論]スマホが要らない日常。
日経より。
中国で急速に「中古品市場」が伸びているという。
車、ブランド品、衣服や家電、書籍まで。
その訳は「ユーザーの慣れ」もあるが「きちんと品質保証をする流通業者」の存在が大きいらしい。
金保障や数年間の品質保証を「業者自らがする」ことによって一気に広がっているという。
そうなると勢いは止まらない。何せ数が違う。
 
そしてさらに「スマホ」もその波に飲み込まれようとしているらしい。
これは(新機種だけを追い求める)今までの文脈とは違っている。
中国のスマートフォン利用者約7億人のうち、12%が中古品または再生品を所有している。

つまりどんどん「新しいスマホ」は必要なくなってきているということだ。

これからも先進的な機能はどんどん広がるだろうが、「基本的な必須の機能」はどんどん低価格化するだろう。
そうなれば、もう「デバイスとしてのスマホ」はそうしたこれまでの役割(認証とか決済とか)では必要なくなりそうだ。

 LINEで他人と話す、というのだって体内(とか耳)に埋めたチップでできるかもしれない。

 
スマホに必要なのは「見る」とか「調べる」といった「外界との目で見る(ビジュアルな)やりとり」に限られてくる。
便利なものは体内に。
SF映画の描写は、確実に自分たちの世界に訪れている。
 
[FT]車やブランド品、中国の若者は中古品ブーム
2019年8月2日 15:58
中古品が好きなのは母親にはわかってもらえないと、北京に住むチャン・シャオさん(29)は言う。「母は絶対に中古品は買わないの」
中古車売買アプリ「瓜子」は直売店も増やしている(広東省東莞市)
中国では何世代にもわたり、中古品は質の悪さと貧しさを意味するものと見なされ、買うのは恥ずかしいこととされてきた。だがチャンさんのように、若い世代の消費者は中古品を受け入れている。タブレット端末の「iPad」から洋服に至るまで、インターネットの販売サイトが中古品の売買を押し上げている。
北京のシンクタンク、中国インターネット経済研究センターによると、中国の中古品市場は2020年に1兆元(約16兆円)規模に達する見込みだ。17年時点の規模の2倍に相当する。投資家もこの動きに注目し、自動車からブランド品のハンドバッグに至るまで、様々な中古品を売るサイトに数十億ドル(数千億円)の資金を投じている。
中国の中古品市場拡大の背景には、数十年にわたって消費支出が拡大した結果、大きな転売価値を持つ中古品が大量に存在していることがある。加えて、個人間でも地域間でも富の格差が拡大し、ある消費者にはゴミでも別の消費者にはお宝ということも起こりやすくなっている。
だが、中古品が受け入れられるようになったことは、多国籍企業に困難をもたらしている。「多くの製品分野で、新しいものだけでなく中古品も含めて競争が拡大する傾向が強まっていく」と、消費者調査会社チャイナ・スキニーのマーク・タナー氏は言う。

取引の大部分はネット販売

調査会社クエストモバイルによると、中古品取引の大部分はネット販売で、中国の大都市の消費者の6割超が中古品を売るフリマアプリを日常的に使っている。
だが、世代間の格差が大きい。新興企業の情報提供を行う運営サイト「36Kr」によると、フリマアプリの利用者の85%が35歳以下の消費者だ。若い消費者は一般的に中年世代より所得が低く、中古品に対する抵抗感が薄い。
この傾向が最も顕著なのが中古車市場だ。中国の自動車保有台数は約2億4000万台で、19年上半期の中古車販売台数は前年同期比3%増の約690万台。景気の先行き不透明感を受けて新車販売が減る中での増加だ。
「10年前なら、中国の消費者は中古品を受け入れないと言えた」と、中古車取引サイト「優信」の戴●(たまへんに昆)・最高経営責任者(CEO)は言う。「中古車を買うのは痛々しいという感じだった」
だが、車が贅沢(ぜいたく)品から日常生活の足へと変わり、そうした受け止め方も変わったという。優信は昨年、80万台の中古車を販売した。大都市の中年のオーナーから小さな都市に住む所得水準の低い若者の手に渡るケースが多い。
米国など先進国では、中古車と新車の販売台数は一般的に約2対1の比率になっているが、中国ではその逆だ。
戴氏の推計では、いま中国で使われている車の約半数は使用年数が5年を超え、買い替え時期に差しかかっている。中国の中古車と新車の比率も10年以内に米国並みになるはずだと、戴氏は言う。
そうした展望が投資家を引きつけている。従来型の自動車販売店と提携し、今年は3倍の販売増を目標とする優信は、昨年の米ナスダック市場への上場で2億2500万ドルの資金を調達し、ベンチャーキャピタルからも12億ドルの資金提供を受けている。

瓜子は積極的に資金調達

競合企業の瓜子は、中国最大の通販サイトであるアリババ集団の淘宝網タオバオ)と提携。米ゴールドマン・サックスなどから8億1800万ドルを調達したのに続き、3月には日本のソフトバンク・ビジョン・ファンドから15億ドルの出資を得た。大捜車も12億ドルの資金を調達している。
瓜子は中古車をアプリと実店舗に出品する前に、オーナーに販売価格の半額を支払っている。同社サイトでの昨年上半期の販売台数は33万6000台で、景気が減速する中でも通年の販売台数は倍増したという。
「景気が良くないと中古車の購入を考える人が増える」と、瓜子のジョイス・チャン最高技術責任者(CTO)は言う。「中古車ビジネスは景気の波と反対方向に動く」
あらゆる中古品販売業者が直面している最大の問題は、信用を得ることだ。瓜子は30日以内の全額返金を保証し、無償の4年保証も提供している。優信と同様、瓜子もアプリ利用者が車の状態を詳しく動画で調べられるようにしている。
「3年前まで顧客は実際に車を見て触りたがったが、他の商品の中古品販売サイトで慣れた人が増え、かなりの人に信用してもらえるようになった」と、チャン氏は言う。
自動車メーカーにとって、中国の中古車市場拡大は功罪相半ばする。15万元以下の低価格車の販売が中古車に食われていると、コンサルティング会社JSCオートモーティブのヨッヒェン・ジーベルト氏は言う。
だが、車を売る消費者は上位クラスの新車を買うことが多く、上級車メーカーの追い風になりうる。「上のクラスになるほど状況は良くなる。高級ブランドにとって素晴らしいニュースだ」

高級品にも恩恵

投資家は、次に恩恵が及ぶのは高級品だと踏んでいる。コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーによると、中国の消費者は12年にブランド品への支出で世界トップとなり、世界全体の購入額の約3分の1を占めている。
ベレンベルク銀行によると、日本の高級品市場では中古品が10%を占めているのに対し、中国ではわずか3%にとどまっている。北京に本社を置き、啓明創投などのベンチャーキャピタルから3800万ドルを調達した中古ファッション品の通販サイト「プラム」など、いくつかのサイトが中古品の割合を高めようとしている。
「中国の顧客は大量の高級品やファッション品を抱え込んでいる。少し使われただけ、あるいは未使用のものも多い」と、啓明のパートナーの呉静氏は言う。「お金に限りのある若い世代はファッション品の転売をはるかに受け入れやすい」
中国ネット通販最大手のアリババも、傘下のフリマサイト「閑魚」を通じて中古品市場に参入している。電子機器や洋服、おもちゃなど、閑魚の昨年の流通総額は1億元に達し、毎日200万点以上の商品が出品されている。
アリババの最大のライバルである騰訊控股(テンセント)は、ネット古書通販の「デジャブ」に出資している。17年の立ち上げ以来、販売総数は300万冊を超えているという。

携帯電話も大きな市場

大きな中古品市場としてもうひとつ、携帯電話がある。調査会社IDCによると、中国のスマートフォン利用者約7億人のうち、12%が中古品または再生品を所有している。
昨年1000万台のスマホをオンライン販売して70億元を売り上げた「愛回収」は、中古スマホを買い取る実店舗を300カ所以上に構えている。
同社は6月、中国ネット通販2位の京東集団(JDドットコム)から5億ドルの出資を受けた。蓄積されているデータにより、実店舗の業者より効率よく値付けができると、愛回収のマイケル・クオ副社長は言う。「我々の実店舗の9割以上が利益を出している。今年も出店を続ける計画だ」
愛回収に出資するモーニングサイド・ベンチャー・キャピタル(晨興資本)のパートナーの石建明氏は、中国のスマホ販売の成長が止まった今、メーカーは中古品市場の発展を歓迎すべきだと言う。
「市場が飽和すれば、消費者の買い替えに成長を頼る必要がある」と同氏は言う。「古い携帯電話を処分しやすくすることがメーカーの優先課題になっている」
Tom Hancock & Wang Xueqiao
(2019年7月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/
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