藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

クラウドクリニック。

*[ウェブ進化論]最高のアシスタント。
インドで「クラウドクリニック」を旗印に急成長している医療ビジネスがあるという。
患者と利用者はアプリを通して問診し、動画や画像、音声にテキストとあらゆるデジタルツールが活躍するという。
しかもAIが、問診の様子から病気を予測もしてくれるらしい。
人がやる仕事を機械に頼む効率化もあるが、「専門家のノウハウ」をできる限り汎用化する効率化も重要だ。
しかも情報の精度を高めるために世界中のメディカルジャーナルや関連記事を数百万の単位で読み込み、機械学習をさせているというから驚く。2017年にバンガロールで産声をあげた同社は、すでに150のトップクラスの病院と提携し、600人の医師をネットワーク化している。
その中にはアポロ病院やクラウドナイン病院といったインドの超大手病院も名を連ねている。
病院経由で医師とつながりレベニューシェアをするため、病院側とのトラブルもない。
最近ではオンラインの診療だけでなく、外来患者の診察時にも医師が率先してこのシステムを使い始める病院があるという。 
医師のような専門家が「患者と直に対面すべきことに集中できる」ためのIT化はこれから加速度的に進むに違いない。
あらゆる分野の専門家の人たちは、それを脅威と捉えるのではなく、自分の専門性を深める視座が必要になるだろう。
 
 
インドのAI医療に期待
2019年7月12日 4:30
インドでは医師の数が圧倒的に少なく、人口10万人あたりの医師数は約80人と、日本の3分の1といわれている。病院のクオリティーも千差万別で、富裕層が対象で最先端な施設をそろえた病院から設備の古い個人運営クリニックまで、相当のばらつきがある。大都市圏では交通渋滞の慢性化もあり、具合が悪い時に病院に行くのも一苦労だ。

 
1997年慶応大総合政策学部卒、ソフトバンク入社。2000年ネットプライス(現BEENOS)社長、同社を上場に導く。15年シンガポールを拠点に起業家支援のBEENEXT設立
そんな中、どこでも誰でも簡単にアクセスできる「クラウドクリニック」を旗印にスマートフォン診療の分野で快進撃を続ける会社がエムファインだ。利用者が体調や症状をアプリに入力し、やり取りに答えて自らの状態を伝える。問診票を双方向にすることで、より簡単にしたイメージだ。
その後は症状に対応可能な医師の一覧が表示され、その場で診療を受けられる。医師とはビデオや写真、音声、テキストでやり取りし、診断後に必要に応じて処方箋が発行される。

病状が重い場合やオンラインで診断が難しい場合は病院での面談も予約できる。最近では小児科や婦人科、皮膚科、整形外科に加えて呼吸器科、神経科などの医師を多数かかえ、実に20の診療科に対応している。家族がいる場合は家族メンバーごとにアカウントを切り替えられ、母親が子供の症状や診断履歴を管理することもできる。利用者は診療後もアプリでやりとりができるため、継続的なフォローアップも可能だ。
医師側のシステムの使い勝手も実によくできている。同社では人工知能(AI)をフル活用し、利用者の問診情報に基づいて病気を予測する。そして医師に複数の候補を表示したり、追加での確認点を示唆したり、適切な薬の候補を提示したりもする。

当然、最後は医師が診断を下すので、あくまでも補助情報という位置付けになる。それでも細かいデータを全部格納し、時間の経過とともにますます精度が高くなっていくことは容易に予想できる。
しかも情報の精度を高めるために世界中のメディカルジャーナルや関連記事を数百万の単位で読み込み、機械学習をさせているというから驚く。2017年にバンガロールで産声をあげた同社は、すでに150のトップクラスの病院と提携し、600人の医師をネットワーク化している。
その中にはアポロ病院やクラウドナイン病院といったインドの超大手病院も名を連ねている。病院経由で医師とつながりレベニューシェアをするため、病院側とのトラブルもない。最近ではオンラインの診療だけでなく、外来患者の診察時にも医師が率先してこのシステムを使い始める病院があるという。
利用者と医師、病院のすべてにメリットがあるモデルを構築する同社はAIの力で医療現場の効率を上げ、インド全域の医療サービス向上に大きく貢献していくことと思う。
日経産業新聞2019年7月10日付]