藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

共通する秘訣

*[ウェブ進化論]シンプルな原則。
ハーバービジネスオンラインより。
官僚出身の社長さんが2年で赤字の旅館を立て直したという。
こうしたミラクルな話を聞いては感心するばかりだが。
二交代制を導入し、毎日30分の昼礼に全社員で参加し、顧客の情報や注意点について共有し、また翌日にはそれを振り返る。
どこかで見た光景じゃないか…
 
そう、福祉施設を複数見ていて気づいたことだ。
朝礼・昼礼・夕礼といった顔合わせが多い施設ほどなぜか顧客満足が高買ったことだ。
単に会議を増やすのではなく。
その施設の理念は「お客様の自立支援と自己決定を徹底して尊重する」というものだった。
ひょっとして組織経営の要諦は「理念と実務データのブラッシュアップ」ということではないか。
毎日の出来事を共有しながら「理念」と外れていないかをチェックする。
そして良い結果も悪い結果もデータ化しておく。

 どちらが欠けてもうまくいかない。

要は「現場と理念をどうリアルにつなぐか」ということかもしれない。
できるだけITも使いたい。
自分でもやってみます。
 
 
(以下引用)

わずか2年で黒字転換・ボーナス支給。官僚出身の「よそ者」が老舗旅館を再生できたワケ

スタッフ間の連携がサービス向上のカギに
山口:「スタッフの能力を高めるために、どのようなことに取り組んでいるのですか」
 
南:「旅館業としてはめずらしいと思いますが、2交代制を導入しました。7時から16時までの勤務の早番と、12時から21時まで勤務の遅番です。そして、毎日、13時から、早番も遅番も集まって、昼礼を行います。そこで、全19室、前の晩に宿泊されたすべてのお客さまについて、振り返る、見つめるということをスタッフみんなで20~30分で行っています。
 
アレルギーの有無、飲み物のお好み、特別に要望消耗されたもの、お問い合わせいただいた内容、特別なリクエストなど、全員で共有しながら、私がデータベース化し、次にご来館いただいた時には、あらかじめご準備させていただいたり、スタッフが心積もりしておくということに徹しています」
<対談を終えて>
 老舗旅館瀧波をわずか2年目で黒字化し、全員にボーナスを支払うことができたと、南さんは目を輝かせます。高級官僚や会社社長は、一般にでんと座ってふんぞりかえっているというイメージをもたれるものですが、南さんの軽やかな身のこなしと、ベッドメーキングまで自分で行うこともあるというフットワークには目をみはります。
 
南さんは、造船会社時代、トヨタ自動車生産調査部のカイゼンチームに出向していたこともあるそうです。トヨタグループ&関連企業の役員・管理職研修を実施していても感じますが、成長企業の幹部の自律性は高いということを、南さんが示してくれているように思います。(モチベーションファクター株式会社・山口 博)
 
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第166回】
 
【山口博】
(やまぐち・ひろし)
モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
ハーバー・ビジネス・オンライン
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最終更新:12/9(月) 21:42
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12/9(月) 15:33配信
「藩は藩主のものでなく、民のもの」
山口:「そもそも国家公務員を目指して公に貢献することを志したのは、いつ頃からなのですか」
 
南:「上杉鷹山公候の伝国の辞に『藩は藩主のものでなく、民のものである』というものがあります。藩校である米沢興譲館高校で学び、応援団の活動に明け暮れていたのも、その教えを自分なりに体現したかったからです。国家公務員としての取り組みも、造船業における前夜祭も、旅館業も、その教えに導かれているように思います」
 
山口:「私の出身地である長野県上田市では、大正時代、民衆の自由な教育を求め、お互いに学び合う、上田自由大学運動が起きました。私が現在、全国の企業・団体で実施している分解スキル反復演習型能力開発プログラムは、お互いにスキルを高め合う構造になっており、その教えに影響を受けています。同じように、DNAは受け継がれるように思います」
現場へ足を運び極上のグルメを厳選
山口:「山形座瀧波は、どのような旅館を目指しているのですか」
 
南:「『山形県人による、山形のための、山形のショールームになりたい』と考えています」
 
山口:「具体的には、どのような取り組みをされているのですか」
 
南:「まずは、山形の美味しい食材を全国からお出でのお客さまにご紹介することです。たとえば、山形の米です。有機米の『夢ごこち』、『つや姫』、米粒が大きい『雪若丸』、『コシヒカリ』、2泊していただくと、すべてのお米を味わっていただくことができます。今の時期は、全てが新米です。
 
ここ置賜盆地は、吾妻連峰朝日連峰飯豊山蔵王山といった、百名山に囲まれています。新潟からくる西風が、朝日連峰飯豊山を越えて来る。フェーン現象で乾いた空気になるわけです。温まりやすく、冷めやすい。夏の昼間は35度、40度になるが、夜は20度になる。この寒暖差が、米沢牛、野菜、フルーツ全てをおいしくするのです」
 
山口:「どこの地域にもある、素朴な産品が、山形座 瀧波で提供されたり、南さんに語っていただくと、ひときわ光り輝くように思います。そうさせるための仕掛けあるのではないでしょうか」
 
南:「心がけていることと言えば、現場100回ですね。米を選ぶ時も、野菜を仕入れる時も、そば粉を選択する時も、田んぼに入り、畑を見せていただき、製粉所で直談判して決めてくる。考えてみれば、造船会社の社長時代は、造船の専門技術という点で、必ずしも現場に入りきれないところがありましたが、旅館においては、やろうと思えば何でもできるのです。お客さまのお迎えの運転も、ベッドメーキングも、食事や飲み物のおもてなしも、自らしています」
 
山口:「しかし、顧客の志向は多様化し、競争は激化していると思います。人手不足に悩んでいる旅館も少なくありません」
 
南:「少子化の中、山形県の高卒求人倍率は2倍近いわけです。そんな中で、無駄なことはやめて、密に能率よく、質のよい仕事をしていただいて、地元で断トツの給与をお支払いしたい。そうすることで、『山形県人による、山形のための、山形のショールームになりたい』ということに本気で取り組んでもらえます。
 
その結果、かつては1泊1万5000円の宿だったのですが、1年で、設備投資をせずに1泊1万8000円の宿になりました。そして、2年ほど前、全てをリノベーションして、現在は、1泊平均3万5000円の宿になることができました。ひとつだけの自慢は、ほぼ同じ社員と一緒に成し遂げたことです」
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