藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

成功も通過点。

*[次の世代に]勝ち負けではなく。
日経、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏の記事より。
研究者として重要な条件を問われ、こう答えた。
「頭が軟らかくないといけない」「最後まであきらめない」。 
むむ。よく聞くフレーズだ。
成功したり、実績を出した人は皆同じようなことをおっしゃる。
むむむ。
なんでだろうか。
これまでかなりの数の成功した人の伝記とか、事業のコツ、みたいな本を読んできた。どれもそれほど突飛ではない。曲芸のようなマネをして、あるいは超人的な能力でブレイクスルーした、というような話はむしろ皆無だ。
そしてほとんどは「少しの運」と「ねばり」に尽きているように思う。
つまり成功とは「そういうもの」らしい。
この歳にして気づく。
自分の置かれた「環境から、なんとか工夫」して「ずっと諦めず」にねばる。
成功するための必要条件なのだ。
そして十分条件ではない。(きゃー)
だから「そう」していても成功は保証はされない。(ぐぇ)
けれど成功した人はまあ例外なく「そう」してきた人たちなのだ。
すなわち成功したければ「そう」する以外にない。
「それ」を続けたものの中の一握りに成功は訪れる。
つまり「一握り以外の人」は山のようにいるのが現実だ。
で重要なのは成功した人たちは、受賞とか、そういう「一過性のイベント」を全然ゴールにしていないことだ。素直に喜べど、どちらかというと騒いでいるのは周囲の人たちである。
ご本人はまたその先に向かっている。
つまりハナから成功、なんて追いかけてはいない。
 
ただ没頭しているのみなのだ。
 
 
 
門外漢、創意工夫で革新
 
2019年10月10日 2:00
 
2019年のノーベル化学賞の受賞を決めた旭化成の吉野彰名誉フェローは電池の専門家だったわけではない。門外漢の研究者が創意工夫を重ね、革新を成し遂げた。
 
吉野氏が研究を始めたのは1981年。当初は新型電池を開発しようとしたわけではなく、白川英樹氏が開発し、後にノーベル賞を受賞する導電性高分子ポリアセチレン(PA)を応用して新事業に生かすことが目的だった。
 
研究するうちに「電池の負極材料に使えそうだ」と手応えを得た。これと組み合わせる正極材料を探していた82年末、海外の文献に共同受賞が決まった米テキサス大のグッドイナフ教授らが開発したコバルト酸リチウムの成果が記されていた。
 
ただ、すんなりとはいかない。PAコバルト酸リチウムの組み合わせでは電池の小型化が難しかった。そこで方針を変え、炭素系の材料を負極に使うことを決めた。
 
運良く社内によい材料があり、試してみると「すこぶるよかった」。正極、負極を含むリチウムイオン電池の原型を確立し、特許を出願した。
 
「頭が軟らかくないといけない」「最後まであきらめない」。受賞決定の会見で吉野氏は研究者として重要な条件を問われ、こう答えた。1つの手法にとらわれない柔軟性と、開発成功への執念。この2つの力を基にイノベーションを生んだ。門外漢だからこそ、先入観にとらわれない強みがあった。
 
グッドイナフ氏による正極材料の開発には、当時、同氏のもとで研究していた東芝のエグゼクティブフェローである水島公一氏が果たした役割も大きかった。
 
さらにソニーの元業務執行役員・西美緒氏らは世界に先駆けて実用化にこぎ着けた。大きな成果は日本人研究者の貢献抜きには語れない。