藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

水槽の中の自分

*[次の世代に]プレッシャーはあるかないか。
厄介なことに。
自分たちはあまりに大きいプレッシャーがあるとそれに影響されて歪み、あるいは押しつぶされそうになったりもする。
 
しかし一方、全くプレッシャーのない環境と言うのも悩ましいものだ。
自分は大都市で、いわゆる地主さんがビルの最上階に住み、家賃収入を得て生活費の心配がない人たちを何人も見る機会があった。
二世・三世でまだ30代の彼らは実に行儀よく、浪費もせず、しかしながら冒険して働くこともせず、自分たちの恵まれた境遇をそのまま受け入れているような人が多かった。

つまりその環境を受け入れ、あまり冒険を好まず、傍から見ればまるでリタイヤした老人のような生活をしているように見えた。

「有り難い環境です。」と言う彼らは、ある意味賢く、しかし若者には見えなかった。
 
良い悪いの話ではなく、環境が本人に与える影響と言うものは実に大きい。
自分にとって「今の環境がどのように自分に作用するのかプラスに働くのかマイナスに働くのか」。
つまり自分を鍛錬してくれるのか弛緩させてしまうのか。
実は水槽の中で泳いでいる自分の事は、自分が一番見えていないこともある。
自分のやりたいことも大事だが、置かれている環境についても客観的に見る目が必要だ。
金魚鉢の中の自分を見よう。