藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

イノベーターの敗北

*[ウェブ進化論]敗北を超えて。
一度は業界の先駆と言われた存在が、いつしか滅ぶマンモスになる。
 自戒を込めて言ってます。
世の中何事も「真っ白いキャンバスに絵を描くように」とは行かないものだ。
ブルーオーシャンとかいうけれど、「本当に新しいこと」というのはなかなか無い。
法律業界に初めて触れた20年前には「確かに感じられた可能性」が今は無くなっていることに気づく。
当時はIT化も進んでおらず、インターネットもブラウザソフトが出始めた頃だった。
ラジオ・TVメディアとネットを使った広告をしている弁護士もいなかった。
 
今や多彩な弁護士が、専門化したり、巨大化したりして顧客のニーズにピンポイントで訴求するのが当たり前になっている。
が、まだその程度だ。
つまりまだ「顧客にリーチする」段階の話でしかない。
システムの恩恵も、せいぜい「入札相談」の利用であり、そこに独自の付加価値はない。
今や法律業界もネット集客が主戦場になっているが、その実IT化はまだそれほど進んではいない。
裁判所がようやく「書面の全面電子化」を決めたくらいで、法律そのものをデータベース化したり、法律同士の関連を整理したり、さらには「実際のビジネスと法律の関係を判断するプログラム」も登場していない。
法律を「巨大なマニュアル」に見立ててAIで学習している試みもあるようだが、まだ実現は先だろう。
 
法律そのもののIT化を考える技術と、周辺の「法律以外のマーケットから法律を見る分野」にこれからは明確に分かれてくると思っている。
 
自分は後者の方でもう一度挑戦したいと思う。