藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本音はどこに

*[次の世代に]オトナに騙されない。

これから就職するという若者に、色んな職業の持つ「エッセンス」を伝えるのはなかなかに難しい。

ましてや自分の職業や属する業界に思い入れがあって「面白い業界だよ」とか「やりがいがあるよ」というのは御法度である。

その罠に嵌ってミイラ取りになった人はものすごく多いと思う。

 大手企業とか高級官僚とかはそういう例が多いように聞く。

横並びで競争し、人気企業にたどり着いてから「何かヘンだな」と思いつつも40年も過ごす、というのはある種の悲劇でもある。

それでも「真っ当に働いてご飯を食べてきたのだからよかったのだ」と過去形で説明するのは、自己否定が怖いからではないだろうか。

 

どんな業界や会社にもいい面と悪い面が必ずあるから、大人たちは「それ」をニュートラルに話す義務があると思う。

 

そして若い人には一つだけ。

どんな業界にもその業界独特の"匂い"というものがある。

マスコミ、医療、福祉、士業、金融、不動産、飲食…

一つの業界に何十年もいると、見事にその匂いが染み付いているものだ。

それを見抜くには「業界誌」と言われるものを一つ見てみることをおすすめする。 

その業界にいる人たちが専門に読むための、新聞とか"○○ビジネス"とかいうあまり聞いたことのないタイトルの出版物だが、これを眺めてみると「建築業界って」とか「病院とか医者って」とか「法律や士業の業界はこんなものなのか」という雰囲気がよく分かる。

(例えば医療業界の専門誌は、医療保険の報酬とか経営の話ばかり。あまりやりがいとかについて書いた記事は見当たらない)

 

その業界誌を眺めてみて、自分が興味を持てそうだったらチャレンジしてみるのもいいだろう。

夢ゆめ大人たちの自己弁護には騙されないようにしてください。