*[面白い本]お手本は400年前に。
昨日、世界中の大都市のインフラは、集積過剰で機能が偏りすぎていて、将来崩壊するのではないか、ということを書いた。
「鉄とコンクリートの時代」から再び「木と紙の時代」へと実は戻る時代が来るのではないだろうか、とまじめに思う。
この本、めっちゃ面白い。
三井高利(越後屋)とか紀伊國屋文左衛門とか鍋島直正とか、12人のまさに「イノベーター」の特集である。
よくもこの江戸時代の商売人たちを、ばっちり「現代のマーケティング」に当てはめたものだ。
今の自分たちは「ネットやデジタル」を使ってはいるが、商いとしてはまだ先人の域を超えてはいないということかもしれない。
それにしても「バイラル・マーケティング」とか「こと消費」とか「貧民救済」とか、まさかこれが400年前のやり方とは思えず驚く。
筋金入りの商人だ。
(だから今でもあんなにすごいのね)
自分たちはまたまた「一周回って」江戸時代に戻る日が来るのではないだろうか。
そんな予感がぷんぷんとする、まるで江戸時代をリアルに見ているような気分になった。
著者の川上徹也さんは広告代理店出身らしいが、見事に「マーケティングを抽象化・構造化」して分析する慧眼には驚いた。
読み物としてもとても楽しい。