藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

アナログ超えの時代(4)

*[ウェブ進化論]ライブという小旅行。

ここ何回か「デジタルがアナログの感覚を完全に再現できる日」のことを書いてきた。
通信速度がどんどん進めば「ライブとリアルの差」は「映像でも音声でも触覚でも味覚でも」なくなるかもしれない、と書いた。
けれども、だから「ほんまもんのライブの価値」はさらに上がるかもしれない、とも思う。
また「ネットで検索してたどり着く」のではない街中のストリートライブも、違う意味で人気が出るだろう。
 
もはやデジタルで技術的には十分なのだが、それでもわざわざ往路復路をかけて「その人に会いにいく」ということをしたいというのは、それ自体相当な「イベント」である。
ちょっと仕事帰りのコンサートに、というのではない。
「この便利な時代に、事前に高額のチケットをwebで待ち構えて予約し、わざわざ着替えて電車に乗り、ホールの人混みの中で『でも生身のあの人に会いたい』」というのは大した衝動だ。
もう小旅行と言ってもいいだろう。
 
でもそれくらい「行きたいアーティストのライブ」がイベントになるのなら、それはそれで楽しい。
何しろ自分たちはアナログ生物なのだから。
 
ライブのチケット代はもっともっと高くても良い時代が来るのではないだろうか。