ある「危険な取引先」との契約に保険をかけようとしたら、「その取引と同額」の保険を要求された。
それならば保険など必要のない道理である。
東京海上日動安心生命(長いね)が、保険ながらも「未使用」ならば全額返金するプランを発売すると言う。
これまでの保険業界の考えからすれば、恐らく「禁じ手」ともいえる究極のモデルがいよいよ出始めた。
いわゆる「保険商品」としては、量販店の家電の「○年保証」に至るまで「万一の備え」でしかなかった。
そのためだから、「もしなにもなかったら」それは無病息災、有難いと思いなさい、とばかりに振舞ってきたのがこれまでの保険業界である。
オープン化の波は、ネットライフ生命を始めとして、保険業界にも確実に浸透しつつある。
もう保険も「永遠の聖域」ではなくなるのだろう。
世界に誇る「国民皆保険」の日本が、実はどれほど「必要のない部分」を保険に費やしてきたのか、ということはこれから明らかになるのかもしれない。
実は生命保険など、どのくらい必要なものかを考える時代がやってくる。
70歳まで健康なら保険料を全額返金…業界初
東京海上日動あんしん生命保険は1月から、70歳まで健康で入院したり手術を受けたりしなければ、支払った保険料を全額返金する、業界初の医療保険を販売する。
実質的な保険料を抑え、新しい需要を取り込むのが狙いだ。
具体的には、30歳の男性が、入院保障日額5000円、入院中の手術5万円の保障を契約した場合、毎月の保険料は2880円。70歳までの40年間で、約138万円を支払うことになる。新商品はその間に一度も入院せず、保険を使わなければ、契約者に全額返す仕組み。何回か入院し、50万円の保険金を受け取った場合は、差額の88万円を返金する。支払った138万円を超える保険金を受け取っても超過分の追加負担はない。
(2012年12月23日08時27分 読売新聞)