本を読む人読まぬ人

*[次の世代に]ネットでいずれ深まる
医師とか薬学士とか建築士とか。
科学系の職業の人で、本や論文を読まない人はまずいない。
多分それが自分の仕事のスキルと直結しているからだろう。
一方ビジネスマンや起業家やサラリーマンでは「読む人と読まぬ人」にはっきりと分かれている。

 年に一二冊しか読まない人と、月に十数冊は読む人と。

弁護士など士業でも、自分の知っている分野のことしか興味のない人は結構多いことに気づく。
それはともかく。
 
「読んでいる量(インプット)」と「新しい発想の内容(アウトプット)」には、あまり因果関係がないように思えるのだ。
つまり「よく本を読んでいるから仕事ができるわけではない」ということだ。
 
むしろ滅多に本など読まない人が、ネットから最新の情報を収集したりして新しいビジネスの開発などをしている。
それだけ上辺の情報で、簡単な(でも受ける)ビジネスができる時代になっているのだと思う。
では読書はもう死んだのだろうか。
いやいやそうではないだろう。
 
これからは、すべての世代の人が「ネットワークありき」の中で生きていく。
そうすると、今は便利な「カーシェアのアプリ」とか「PtoPの送金アプリ」のような"道具のレベル"ではない「重要な存在」がネットの中で必要になってくるのではないかと思う。
いよいよこれからだ。
 
ネットの世界は時間と空間と処理量の制限がないから、ユーザーの声は現場から直接拾える。
ミャンマーの一般人と日本人のビジネスマンとの間で、経済発展をテーマに討論してみよう」とか。
「アルゼンチンの人とイギリスの人の若者に移民のテーマで意見交換してみよう」とか。
「ロシアと中国とアメリカの人に国の政策について意見交流の機会を」とか。 
まあ"朝生"国際版だ。ともかくやってみればいい。
できれば実名で、顔を見ながら「テーマを掘り下げていけば」新しいネットならでは、の文化が生まれてくるのではないかと思う。
(facebookは広告とかでなく、そういうムーブメントのリーダーをするべきではないだろうか)
 
そしてだ。
そうした際には多分、いろんな「過去の書籍や論文を読み込んでいる人たち」の知見に基づいた「深い対話」が現場で交わされるように思う。
先人の"叡智の塊"である書籍は、やっぱり読んでおいたほうがいいし、それが生きるのは「生の対話の白熱」にちがいない。
 

 

ゲームとしての政治。(2)

*[次の世代に]
アメリカの政治の原理は、日本ではもっと分かりやすい。
争点がより少ないからだ。
 
今現在、消費税は凍結、衆参同時選挙で、その後米国に貿易条約で日本がとっちめられる、と言われている。
これに反応する「票田の対象」は
・まずは農業、製造業、小売、サービス(医師など)などの「業界の人たち」。
・そして社会保障費削減の影響を受ける「高齢者層」。特に最大数の団塊の人たち。
・反対に、段階に比べて黙殺されている18歳から二十代の「若者たち」。
・シングルマザーや病気や非正規雇用などの「困窮している人たち」。
・災害対策に関心の高い地域の人たち。
・大都市圏以外にいる、地方都市や過疎地域に住む人たち。
あとは原発のことや沖縄の基地問題なんかが争点になりやすい。
日本でも同様、「そうしたカテゴリーの人たち」ごとに政治家は懸命に何かを訴えている。
本当の国策を考える政治家は世界中からいなくなってしまったのだろうか。
それとも最初からいないのだろうか。
それとも戦後にはいたけど、みんな保身に走って今のような「票にらみ」だけになってしまったのだろうか。
戦後の日本とアメリカの「密約集(全部米国から公開されて日本に知らされている)」を見ていると、国民は全く意思決定の主役ではない。
(アメリカとの関係は、全部憲法以外のところで決まっているらしい)
「政策ありき。痛みがあってもこれをやる」という政治家が出てこないのは、実は自分たち国民のせいではないだろうか。

安倍1強とかポピュリズム政治、とか言っているが、それを各論では「うちに利益を」とか「働き方改革」とか言って煽っているのはメディアと他ならぬ我われではないのだろうか。

 
選挙で「地区や業界や世代」の"まだらなパズル"を支配するためには、その「パズルのピースごと」に好い顔をして落としていくしかないだろう。
そんな風に政治家を踊らせずに「しっかりと国の行く末を考えてくれよ」と言える国民の意識が一番必要なのだと思えて仕方ない。
「自分たちの利益代表」を選ぶ政治の政治のスタイルは、早く終わりにしなければならないのではないだろうか。
 
 
 
バイデン氏、若者の支持獲得に苦戦
2019年5月28日 7:00
2020年の米大統領選に出馬表明したバイデン前副大統領が5月中旬、ニューハンプシャー州南部の小都市ナシュアで演説を終えると、1人の若い女性が鋭い質問をした。同州での遊説はバイデン氏が選挙運動を開始してから初めてだ。彼女はバイデン氏が上院議員時代に強力に支持した包括犯罪防止法の成立でアフリカ系米国人社会が傷ついたが、彼らをどう救済するつもりなのか、と尋ねた。
バイデン氏の選挙集会には若い有権者が少ないとの声もある=ロイター
「それは小論文の課題になるような良い質問だね」とバイデン氏は質問したキャサリン・エムリー氏に返した。「犯罪防止法のおかげで(アフリカ系米国人が)大量に収監されたという見方があるが、法律が原因で大量の収監者が出たということはない」。23歳のエムリー氏は、この答えに若者を見下す「上から目線」を感じたという。
1994年に成立したこの法律は、署名した当時のクリントン大統領でさえ大量の収監者を出す要因になったことを後に認めている。バイデン氏の答えは守りを意識しただけで具体的な政策がほとんどない「目くらましだ」とエムリー氏はこきおろした。
「私はこれからどういう政策をとるのか知りたかっただけなのに、彼は答えなかった」。彼女は個人宅で開かれたバイデン氏の集会に男兄弟のロデリックと出席したのだが、若い有権者は数えるほどだった。

アイオワ州ではサンダース氏が優勢

犯罪防止法の問題は民主党の大統領候補指名レースで一つの争点に浮上した。トランプ大統領の政策に対する懸念から大きな論点になっている人種的不平等の問題に関連するからだ。若い有権者が関心をもつテーマでもあるが、世論調査では76歳のバイデン氏は民主党のこの層の有権者を十分取り込めていない。
米政治専門サイトのリアル・クリア・ポリティクスがまとめた最近のいくつかの世論調査の平均によると、バイデン氏の支持率は約35%と、民主党の指名争いでは紛れもないトップにつけている。急進左派バーニー・サンダース氏は2位で約18%だ。とはいえ年齢別の支持率をみると、18歳から49歳の間の有権者ではバイデン氏のリードはわずかであり、18歳から35歳の有権者では差はさらに縮まる。
米広報コンサルティングのファイヤーハウス・ストラテジーズと情報分析会社オプティマスの共同世論調査では、20年に全米最初の予備選が行われるアイオワ州で、50歳未満の有権者のうちサンダース支持者は22%だったのに対し、バイデン支持者は17%だった。アイオワ州に続いて予備選が行われるニューハンプシャー州ではバイデン氏が25%と優位に立ったものの、その差はわずか3ポイントだった。
バイデン氏がこれまで選挙遊説したペンシルベニア州ピッツバーグサウスカロライナ州ニューハンプシャー州では、FT記者が目にしたところ、集まった支持者の年齢層は他のライバル候補より高い印象だった。
ナシュアの集会に参加した68歳のマイケル・テレシュコ氏は、若い有権者は他の候補にひきつけられているようだと話した。「私の子供たちはそれほどバイデン氏を支持したいとは思っていないだろう」
ナシュアの近隣2都市で開かれた2つの集会でも、ほとんどの出席者は中年またはそれ以上の年齢層だった。支持者で満員になったハンプトンの「コミュニティ・オーブン」レストランにいた57歳のジェフ・ブラウン氏は、若い有権者はもっと急進的な候補を望んでいると話した。「ジョーはどちらかというと中道派だが、若い人たちは中道でもかなり左寄りだ」

存在感増すミレニアルと下の世代

マンチェスター・コミュニティー・カレッジでの集会に参加した60歳のパトリシア・ドービン氏は、集会が夕方に開かれたにもかかわらず若い人が少ないのに驚いた。彼女は「若い人たちはもっと進歩的な考え方をするからなのかも」とみていた。
だが、バイデン陣営で世論調査を担当するジョン・アンザローン氏はバイデン氏に問題があるという見方を気にしていない。米クイニピアック大学の最近の調査では50歳未満の民主党員のうち73%がバイデン氏に好感を持ち、これはサンダース氏に次いで2番目に高い数字だと言う。バイデン氏のペンシルベニア州フィラデルフィアでの演説会には多くの若い人が訪れたとも述べた。
「確かにサンダース氏が調査ではリードしているが、バイデン氏が若者とも十分、渡り合えることは驚きだ。渡り合えるだけでなく、若者にとても好かれている」とアンザローン氏。学生を対象にしたある調査ではバイデン氏が支持率でトップになったという。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、Z世代やミレニアル世代と呼ばれる1980年以降に生まれた米国人は2020年には全有権者の37%を占め、16年の31%から上昇すると見込みだ。一方、ベビーブーム世代やその上の世代の比率は44%から37%に低下する。Z世代やミレニアル世代は上の世代より民主党を支持する比率が高いため、民主党の予備選ではこの比率の変化が数字以上に影響するとみられる。
とはいえ、たとえ民主党の支持基盤が若返っても、実際に投票所に出向くのは年配世代の方が多いと強調する専門家もいる。ベテランの政治アナリスト、チャーリー・クック氏は、16年の大統領選で民主党に投票した有権者の60%が45歳以上だったが、20年の選挙でもほぼ同じ結果になるだろうとみる。

活発に発言し始めた若い世代

「バイデン陣営はきっと今の米国を映し出すような政治集会にしたいと思っているだろうが、彼はすでに断トツで優位な位置にいるというのが実態だ」とクック氏は述べた。
もっとも、環境問題や人種的・社会的不平等などの多くの問題に触発されて若い有権者は以前より活発に発言するようになっているという見方もある。ニューハンプシャー州民主党の青年組織を束ねるルーカス・メイヤー氏は、16年の大統領選では同州の若い有権者の存在感が他のどの州よりも大きかったという。
「選挙運動をするたびに、20年には私たちの世代が有権者として最大のグループになることを感じる。多くの候補者が若い人の声に真剣に耳を傾けようとしているのには勇気づけられる」とメイヤー氏は語った。
若者を動員してクリーンな環境政策を推し進めようとしている政治活動団体「ネクストジェンアメリカ」で若年世代担当のベン・ウェッセル氏は、ニューハンプシャー州の若い有権者は「保守的になりがちな年配者」より大きな影響力をもつと断言した。
12年にバラク・オバマ氏を勝たせるためにニューハンプシャー州の若者の票のとりまとめに奔走したウェッセル氏は、バイデン陣営も若い有権者を取り込むことに全力を尽くすべきだと理解しているという。バイデン氏がエムリー氏のような若い有権者と今後どう向き合ってゆくかが極めて重要になると述べた。
「バイデン氏はこれから全米中で(エムリー氏のような)若い有権者と対峙することになる。若者への対応が変わるかどうか、すぐにわかるだろう」とウェッセル氏は言う。若い有権者は「自分たちと真剣に関わろうとする候補なのか、笑ってごまかすだけの候補なのかを厳しく区別するだろう」
By Demetri Sevastopulo
(2019年5月26日 付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/
(c) The Financial Times Limited 2019. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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ゲームとしての政治。(1)

*[次の世代に]政治の本分
日経FTより。
バイデンかサンダースか、あるいは若手の彗星候補か。
まるでスポーツチームの勝ち負けのように米国の行方を世界中が見ている。
さすが世界トップの国、と思うがそれにしても政治の世界の実に「あからさまな構造」は見ていてつくづく難しいものだ。
政治家の候補者は「広く国民に話す」わけだが、それは均一ではない。
要するに候補者は
「特定の業界」
「特定の思想」
「(弱者や移民や人種など)特定の立場にいる人」
「特定の業界・業種の人」
「特定の地域の人」
「特定の年代の人」
などに個別に語りかけるわけだ。

当然「ボリュームゾーン」は票田ということになる。

自分がこんな風にあからさまに感じたのは、今のトランプ氏の登場がきっかけだ。
世界中のあらゆるメディアが「なぜトランプが勝ったのか」「民主党の負けたわけ」「どうなる?これからのトランプ政権」などと徹底的に分析した。
そりゃそうだ。
ほっとんどのメディアが「大外し」したからみんな理由の分析(というか後付けの解説)に必死なままである。
 
アメリカは合衆国だから、それぞれの州でその「いろんな立場や思想や業界の人」に投票してもらうべく演説が必要になる。
記事では「これから二十代が最大の有権者グループになる」と指摘しているが「そこ」へ向けての語りかけがアピールの中心になるわけだ。
 
つまり、「他集団からの共感を得つつも忌避されず」しかも「最大のボリュームゾーンにいかに支持されるか」ということを競うゲームのように見える。
それがつまり政治なのだろうか。
(つづく)
 
 
バイデン氏、若者の支持獲得に苦戦
2019年5月28日 7:00
2020年の米大統領選に出馬表明したバイデン前副大統領が5月中旬、ニューハンプシャー州南部の小都市ナシュアで演説を終えると、1人の若い女性が鋭い質問をした。同州での遊説はバイデン氏が選挙運動を開始してから初めてだ。彼女はバイデン氏が上院議員時代に強力に支持した包括犯罪防止法の成立でアフリカ系米国人社会が傷ついたが、彼らをどう救済するつもりなのか、と尋ねた。
バイデン氏の選挙集会には若い有権者が少ないとの声もある=ロイター
「それは小論文の課題になるような良い質問だね」とバイデン氏は質問したキャサリン・エムリー氏に返した。「犯罪防止法のおかげで(アフリカ系米国人が)大量に収監されたという見方があるが、法律が原因で大量の収監者が出たということはない」。23歳のエムリー氏は、この答えに若者を見下す「上から目線」を感じたという。
1994年に成立したこの法律は、署名した当時のクリントン大統領でさえ大量の収監者を出す要因になったことを後に認めている。バイデン氏の答えは守りを意識しただけで具体的な政策がほとんどない「目くらましだ」とエムリー氏はこきおろした。
「私はこれからどういう政策をとるのか知りたかっただけなのに、彼は答えなかった」。彼女は個人宅で開かれたバイデン氏の集会に男兄弟のロデリックと出席したのだが、若い有権者は数えるほどだった。

アイオワ州ではサンダース氏が優勢

犯罪防止法の問題は民主党の大統領候補指名レースで一つの争点に浮上した。トランプ大統領の政策に対する懸念から大きな論点になっている人種的不平等の問題に関連するからだ。若い有権者が関心をもつテーマでもあるが、世論調査では76歳のバイデン氏は民主党のこの層の有権者を十分取り込めていない。
米政治専門サイトのリアル・クリア・ポリティクスがまとめた最近のいくつかの世論調査の平均によると、バイデン氏の支持率は約35%と、民主党の指名争いでは紛れもないトップにつけている。急進左派バーニー・サンダース氏は2位で約18%だ。とはいえ年齢別の支持率をみると、18歳から49歳の間の有権者ではバイデン氏のリードはわずかであり、18歳から35歳の有権者では差はさらに縮まる。
米広報コンサルティングのファイヤーハウス・ストラテジーズと情報分析会社オプティマスの共同世論調査では、20年に全米最初の予備選が行われるアイオワ州で、50歳未満の有権者のうちサンダース支持者は22%だったのに対し、バイデン支持者は17%だった。アイオワ州に続いて予備選が行われるニューハンプシャー州ではバイデン氏が25%と優位に立ったものの、その差はわずか3ポイントだった。
バイデン氏がこれまで選挙遊説したペンシルベニア州ピッツバーグサウスカロライナ州ニューハンプシャー州では、FT記者が目にしたところ、集まった支持者の年齢層は他のライバル候補より高い印象だった。
ナシュアの集会に参加した68歳のマイケル・テレシュコ氏は、若い有権者は他の候補にひきつけられているようだと話した。「私の子供たちはそれほどバイデン氏を支持したいとは思っていないだろう」
ナシュアの近隣2都市で開かれた2つの集会でも、ほとんどの出席者は中年またはそれ以上の年齢層だった。支持者で満員になったハンプトンの「コミュニティ・オーブン」レストランにいた57歳のジェフ・ブラウン氏は、若い有権者はもっと急進的な候補を望んでいると話した。「ジョーはどちらかというと中道派だが、若い人たちは中道でもかなり左寄りだ」

存在感増すミレニアルと下の世代

マンチェスター・コミュニティー・カレッジでの集会に参加した60歳のパトリシア・ドービン氏は、集会が夕方に開かれたにもかかわらず若い人が少ないのに驚いた。彼女は「若い人たちはもっと進歩的な考え方をするからなのかも」とみていた。
だが、バイデン陣営で世論調査を担当するジョン・アンザローン氏はバイデン氏に問題があるという見方を気にしていない。米クイニピアック大学の最近の調査では50歳未満の民主党員のうち73%がバイデン氏に好感を持ち、これはサンダース氏に次いで2番目に高い数字だと言う。バイデン氏のペンシルベニア州フィラデルフィアでの演説会には多くの若い人が訪れたとも述べた。
「確かにサンダース氏が調査ではリードしているが、バイデン氏が若者とも十分、渡り合えることは驚きだ。渡り合えるだけでなく、若者にとても好かれている」とアンザローン氏。学生を対象にしたある調査ではバイデン氏が支持率でトップになったという。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、Z世代やミレニアル世代と呼ばれる1980年以降に生まれた米国人は2020年には全有権者の37%を占め、16年の31%から上昇すると見込みだ。一方、ベビーブーム世代やその上の世代の比率は44%から37%に低下する。Z世代やミレニアル世代は上の世代より民主党を支持する比率が高いため、民主党の予備選ではこの比率の変化が数字以上に影響するとみられる。
とはいえ、たとえ民主党の支持基盤が若返っても、実際に投票所に出向くのは年配世代の方が多いと強調する専門家もいる。ベテランの政治アナリスト、チャーリー・クック氏は、16年の大統領選で民主党に投票した有権者の60%が45歳以上だったが、20年の選挙でもほぼ同じ結果になるだろうとみる。

活発に発言し始めた若い世代

「バイデン陣営はきっと今の米国を映し出すような政治集会にしたいと思っているだろうが、彼はすでに断トツで優位な位置にいるというのが実態だ」とクック氏は述べた。
もっとも、環境問題や人種的・社会的不平等などの多くの問題に触発されて若い有権者は以前より活発に発言するようになっているという見方もある。ニューハンプシャー州民主党の青年組織を束ねるルーカス・メイヤー氏は、16年の大統領選では同州の若い有権者の存在感が他のどの州よりも大きかったという。
「選挙運動をするたびに、20年には私たちの世代が有権者として最大のグループになることを感じる。多くの候補者が若い人の声に真剣に耳を傾けようとしているのには勇気づけられる」とメイヤー氏は語った。
若者を動員してクリーンな環境政策を推し進めようとしている政治活動団体「ネクストジェンアメリカ」で若年世代担当のベン・ウェッセル氏は、ニューハンプシャー州の若い有権者は「保守的になりがちな年配者」より大きな影響力をもつと断言した。
12年にバラク・オバマ氏を勝たせるためにニューハンプシャー州の若者の票のとりまとめに奔走したウェッセル氏は、バイデン陣営も若い有権者を取り込むことに全力を尽くすべきだと理解しているという。バイデン氏がエムリー氏のような若い有権者と今後どう向き合ってゆくかが極めて重要になると述べた。
「バイデン氏はこれから全米中で(エムリー氏のような)若い有権者と対峙することになる。若者への対応が変わるかどうか、すぐにわかるだろう」とウェッセル氏は言う。若い有権者は「自分たちと真剣に関わろうとする候補なのか、笑ってごまかすだけの候補なのかを厳しく区別するだろう」
By Demetri Sevastopulo
(2019年5月26日 付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/
(c) The Financial Times Limited 2019. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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その世界を知りに行く(2)

*[次の世代に]過去は変えられる。
居酒屋の店主と語り合うのは楽しい。
最初は打ち解けなくても、お互いどこかで接点が見つかることが多い。(見つからないこともあるがそれもいい)
そうしていて思うのは、圧倒的に「オープンに話をすること」が面白いことだ。
これはお互いのことだ。
 
ある居酒屋では少年時代にグレて少年院に入っていたという店主がいた。
また別の店では、大手企業から脱サラし、多店舗展開するも人間関係につまづき、結局奥さんと二人でやり直しているという。
 
また料理人の経験はリアルである。
どんな下積みをしてきたかとか、どんな先輩やお客さんと触れ合ってきたか、という話はまるでドラマのようだ。
料理人の半生を聞くのは、まるで一編の小説を読むくらいの驚きがある。
 
そして。
うまくいっている料理店の共通点は「過去をポジティブに考えている」ことだと思う。
少年院に行って「とことんダメな自分」を感じてから開き直って料理人になった店主。
人をたくさん使って事業を広げてみたが、結局一から出直した店主。
 
彼らの話を聞いていると「過去は変えられる」とつくづく思う。
過去の事実は変わらないけれど、それを「これからにどう使うか」ということだ。
失敗の過去は、「これからの成功の素」にすれば失敗ではなくなる。
成功の一部と言っていい。
つまり過去は「これからの動作によって変わる」のだと思う。
 
徹底的に、クズみたいな過去の体験を「これからの自分」が宝物のように変えられるかもしれない。
何よりこれからが開けていれば、過去のことにはこだわる必要もないだろう。
過去の苦労を美談のように語るのは「フーテンの寅さん」の十八番ではないか。
若い人は今の自分に絶望することはない。
 
 

 

その世界を知りに行く(1)

*[次の世代に]居酒屋めぐりのわけ
自分の酒飲みを肯定するわけではないが、それにしても一定程度、新しいお店に行くことにしている。
居心地のいい店はもういくつもあって、その時々の気分に合わせて過ごすには不満はないのにだ。
ここ最近、新しい店に飛び込んでみて分かってきたこと。
新店めぐりは、実は「経営者めぐり」なのであった。(ずーん)
チェーン店でない限り、居酒屋や小料理屋やビストロなんかは独立したオーナー料理人がやっていることが多い。
思い切って飛び込んでみると、存外にオーナーの本音が聞けることが多い。(穴場は空いている土曜日とかだ)
 
うまく話が合えば、その料理人のキャリアとか、独立の経緯とか、今のお店のコンセプトとか。
さらには料理のレシピや、そのご近所の動向や景気、天候の話や値段設定の話など、現場のリアルをずんずん聴けることも多い。
 
そう。居酒屋めぐりは「経営者との対話」だった。
料理が美味しければ嬉しいが、それだけを求めるのなら多分高級店を巡ったほうがいいだろう。
けれど店主の本音の話を聞くのはなかなか難しそうだ。
若くして独立したシェフの苦労話や、将来の夢や、今の悩みを直に聞きながら自分も真剣に考える。
だから若干の不安を抱えつつ、今日も知らない店の扉を叩くのでありました。
なんとなく自分で納得。
(つづく)

相続について(4)

*[次の世代に]アホな世継ぎを生まないために。
財産を築く創業者と、相続する側の間には驚くほど意識の差があるという話。
良かれと思って遺す側と、ラッキーと平気な顔でもらう側の大きなギャップがある。
不幸なのは不労所得を得た人がえてして「バカ」になってしまい、深く"その財産の意味"を考えないことだ。
一億円を相続したら、それは「月に100万円、それを9年間くらい貯め続けたものだ」ということを実感させねばならない。
自分の月給が30万円だったら全額貯金しても「社会人の間の生涯賃金」くらいになる話だ。
そんな巨大な富を、軽々しく使うべきではない。
(持ちつけないお金を手にした子供のように)持ち慣れないお金で成金根性になるな、ということだ。
 
数多くの成功者が莫大な財産を家族に遺し、悲喜こもごも(不幸なことの方が多いと思う)だが、これは「遺す側の責任」ではないだろうか。
富を残した人は「その使い途」についても明確に意思表示してから去るべきだろう。
「財産は全て財団に寄付し、〇〇の発展のために使う」とか。
「事業の発展のためだけに使うこと。私用には一切を禁ず」とか。
「起業と増資のためだけに使うこと」とか。
あるいは「一族郎等の生活危機、厄災、病などの救済のためにのみ使うことにせよ」とか。
 
昨今、このように使途を定められる「民事(家族)信託」というのが流行りつつあるが、こうした方法を柔軟に使って、まず相続人が勝手に蕩尽してしまわぬように、遺す側が責任を持つべきだろう。
 
金持ちには金持ちのとるべき責任がある、とはフランスの言葉だったか。
この点では日本はまだまだこれからではないだろうか。

相続について(3)

*[次の世代に]創業者の責任。
せっかく築いた財産が、却って自分の孫子(まごこ)の人生を歪めてしまうとしたら、これほどの不幸はない。(でも実に多い)
 
築いた財産の相続について一番厄介なのは「金融資産や不動産」だ。
会社は人に任せたり譲渡したりできるが、金融資産や不動産は「もれなくもらえてしまう」ものだから。
つまり易々と巨額の不労所得をもらえてしまう。
もらった側はどうなるか。
 
人は煩悩の生き物だ。
「財産を全額寄付した」という人を自分は知らない。
それまでの生活を変えず、さらにコツコツと貯蓄をしたり、事業に専心する、という人もあまり知らない。
一方都心の土地を相続して、自らビルの中に住む大家となり、30代で「大家さん」のまま定職に就かない人がいる。(それが悪いというつもりはないが)
ついには兄弟間で「もっとあるはず」と諍い始めたりする。自分で稼いだ財産ではないのに。
サラリーマンを辞めて「不動産投資」とか「外貨投資」などをしてみたり。
株を買って優待券だけで生活している人もいる。
優待券ありきの生活、ってそれで充実しているのだろうか。
 
自分は創業者はその責任として「会社や財産を朽ちさせないためのノウハウ」を学ぶべきだと思う。会社には取引先も従業員もいる。
 
ガバナンスの厳しいはずの上場企業ですら血縁者が経営に参画して、その後悪影響が出るケースは実に多い。(反対にユニ・チャームのように発展させている人は注目されいる)
それほど創業者の「後始末」は大変なものだ、と相続の現場を見ていて痛感するのである。
(つづく)

相続について(2)

*[次の世代に]会社の残し方。
相続はそんな風に「いつ起きるか」「種類の違う財産をそれぞれどうするか」「誰に何を遺すのか」を決めていかねばならない。
そして驚くことに。
相続人は自分は「もらう側」なので、「その財産に対する目的意識」が著しく低い。
高齢者の皆さん、これが言いたかった。
「もらってラッキー」という人があまりにも多い。
だから使うことについても意識が低い。
しかもさらに、持ちつけぬ財産を狙って、(相続人専門に)投資やセールスをする輩もたくさんいる。
 
さらには会社である。
創業者のワンマン社長が築いた会社を、二世がダメにした例をどれほど見たことか。
当の創業者も「それ」に薄々気づいていながらも、結局肉親にはなすすべもない。
放蕩息子ではないにしても、初代の後を継いでさらなる発展を志す、というケースは全体の三割もないのではないだろうか。
 
創業者は、遺すべきものを作れたら「経営適格者」を外部からでも探して「続くための仕組み」を作って去らねばならないのに。
会社は従業員も、顧客もいる生き物だから「続いていくためのシステム作り」も創業家の責任だが、これはとっても難しいことのようだ。
 
そして、それ以外の財産のことについて。
(つづく)

相続について。(1)

若者向けの話題ではないかもですが。
*[次の世代に]まず本人が向き合うこと。
自分がこの世を去る時に「ちょうどプラスマイナスゼロ」で終わればいいが、多少でも残ったら。
そう考えて、様々な財産の配分や税金のことや事業の先行きのことに悩んでいる人は実に多い。
日本の個人金融財産の「70%を60歳以上の人たち」が保有しているそうだから、さもありなん。
 
で、今50代の人も70代の人も「相続がいつ始まるか」が分からないから、税金の最適な計算方法が定まらないわけだ。
20年後をにらんでもそれが5年後になれば、計画は大きく狂う。
病気で3年後と分かっていても、それでは時間が足りない。
「そんな財産なんかない」と思っていても相続で揉めるのは財産が「五千万円以下」が最も多いという。
家が一軒残れば騒動のタネになるご時世である。
財産の形は様々で、預金、不動産、借地、山林、生命保険とか。
そして「会社」だ。
会社は生き物だから、真っ二つに切っておしまいに、とはいかない。
存続できなくなる可能性もある。
 
財産を持っている60代以上の人は、進んで事前に目録を作るべきだと思う。
それらの将来について「万一相続が始まった場合」をシミュレーションしておく必要があるだろう。
これは大いに孫子(まごこ)のためでもある。
そして自分が築いてこられた会社や他の財産を今後10年・20年先にどうしたいのかを真剣に考えなければならない。
またその「使い途について」はさらに頭を悩ます。
(つづく)

擬態

*[次の世代に]ダルちゃん。
日経より。まず説明。
普通の人間から「ダルダル星人」という普通ではない存在として生を受けたダルちゃん。
小学生の頃から何とか社会になじもうと普通の人に「擬態」し、20代には派遣社員として生活を送れるようになる。

やられた。設定に。

普通ではない存在として、てなに。

 

擬態か。
擬態だ。(調べたらmimicry(英)、カモフラージュ(camouflage)はフランス語だそう)
自分たちゃ擬態してたのか、と。
ひょっとして社会人てみんなそうか?
「何とか社会になじもうと」そうしてるだけなのかぃ。
なんか自分が健気な昆虫に見えてきたよ。
普通に生きることの喜びを感じるダルちゃん。
 
だが人間関係や恋愛を通じて、他人に振り回されない自分だけの幸せを見つける。

 これは男子も掴まれますよ。

ぐいっと。

ダルダル星人も。
グダグタ星人も。
いますね、確かに。自分の中に。
時代のキーワードは"共感"だ。
 
資生堂発マンガ、女子つかむ
2019年5月23日 3:00
20代や30代の女性には「今ごろ?」と突っ込まれそうだが、「ダルちゃん」の話である。資生堂の無料季刊誌「花椿」のウェブ版で2017年から連載していた漫画で、ネットで話題に。このため小学館が2018年12月に単行本として発売し、10万部を突破したという異例の"出世"を遂げた作品だ。
悩む女性に刺さったダルちゃんと連載していた花椿
何がそんなうけたのか。豊かで選択肢の多い社会だが、それ故に悩む若い女性の気持ちをつかんだからだ。簡単に内容を説明すると、普通の人間から「ダルダル星人」という普通ではない存在として生を受けたダルちゃん。小学生の頃から何とか社会になじもうと普通の人に「擬態」し、20代には派遣社員として生活を送れるようになる。
普通に生きることの喜びを感じるダルちゃん。だが人間関係や恋愛を通じて、他人に振り回されない自分だけの幸せを見つける。連載中、読者から「これは自分だ」との声が多く届いた。50代の筆者も「擬態か。自分はダルくんだなぁ」と共感した次第で。
3カ月ごとに発行される花椿は「現代を生きる女性に、より豊かな生活のためのヒントを提供したい」が趣旨で、82年の歴史を持つ。16年に開設したウェブ版では読者を広げようと、漫画コーナーを用意。ダルちゃんは2作目として登場した。
同社の花椿編集室によると「今の20代は選択肢が多い。人生をどうしようかと悩む人が多い」と見る。結婚する・しない、仕事との両立、子供いる・いらない、出世、遊び続けたいなどなど。正解なんてあろうはずもないが、誰もが「私らしさ」を求めたい。
そこで花椿編集室は作者のはるな檸檬さんと話し合った。そこで内なる声を発信する詩を創作するナイーブな女性を主人公として設定。世の中の「ふつう」に合わせながら、戸惑い、傷つき、希望を見つけるストーリーにしたという。
ダルちゃんのヒットは様々な教訓が込められている。重要なのは企業の情報発信のあり方だ。消費者にモノを売るのではなく、価値観や共感を訴える姿勢が欠かせない。資生堂は「女性の味方になってほしい」という利用者のニーズを実感したという。
事実、発信力は高まった。ウェブ版花椿のページビューの数は4万だった。だが悩み多き女性の背中を押したダルちゃんが登場すると、一時は50万まで跳ね上がった。
何も女性だけではない。過剰な情報社会は男性も思い悩む。競争の激しいグローバル経済だが、成長や成功の一方、自分なりの「ふつう」を求める消費者も増える。その受け皿が「これがいい」より「これでいい」の無印良品の世界だ。
資生堂で取材した後、ホテルを備える銀座の無印良品へ向かった。店内は流行性より自分らしさを求める雰囲気にあふれる。ホテルのフロアに上がると棚になんと「花椿」のバックナンバーが。無印良品資生堂に要請した「銀座の故意の物語」に感激した次第で。
編集委員 中村直文)
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老頼地図。

日経より。
*[ウェブ進化論]限りなく透明に
ウェブの父、バーナード・リーがIT大手から身を守る「個人情報の保護ソフト」を開発したという深刻な話。
(中国の石家荘市で)「老頼地図」というサービスを使い、半径500メートルに住む借金の未返済者の住所や氏名、借金額を表示。近くに100人以上いることがわかると、思わず顔をしかめた。
裁判所が情報提供をしているという。一方日本では先ごろ"破産マップ"が閉鎖された。
独裁国家はご免だが、情報の活用は彼の国がはるかに進んでいる。
もはや国家がIT大手にかなわない。
ウェブの閲覧履歴やスマホの位置情報、趣味など「秒単位で、部屋のどの椅子に座っているかまでわかる」という。
こうした貴重な情報は新しいサービスの開発やビジネスのタネになる。
匿名化し、限りなく透明にして外部共有して行くしかないだろう。
 
そうすることで最も活用が進む。
国も企業も国民もあげて進めるべきだと思うが、妙な寡占化防止や陰謀論などで規制をかけるのはやめてもらいたいものだ。
かけた規制をなくすのは、日本では至難の技だから。
 
 

逃れられない「監視」、個人しばる無料の罠

中国河北省の省都、石家荘市の一角。結婚に向け新居を探す喬茂虎さん(33)がスマートフォンスマホ)を熱心に操作し始めた。「老頼地図」というサービスを使い、半径500メートルに住む借金の未返済者の住所や氏名、借金額を表示。近くに100人以上いることがわかると、思わず顔をしかめた。「住環境が悪い」。別の場所に住もうと決めた。
老頼地図は、1月に中国のネット大手テンセントの対話アプリ「微信ウィーチャット)」の追加機能として登場。河北省の裁判所が公式情報を提供している。借金問題に厳しく臨む中国当局の方針と、あらゆるデータを囲い込みたいテンセントの利害が一致した。
テンセントの新サービスは周辺の債務者の人数も分かる(河北省石家荘市)
プライバシー保護の規制にあまり縛られず個人情報を集められる中国。その姿は、少数のIT(情報技術)巨人にデータが集約される「ニューモノポリー」のひとつの未来像でもある。
「グーグルは各国の情報機関が舌なめずりする究極の個人情報を握っている」。ベルギー在住で個人情報に詳しいトーマス・ビンジェ弁護士は昨年、ドイツ政府幹部の言葉に驚いた。もはや国家がIT大手にかなわない。ウェブの閲覧履歴やスマホの位置情報、趣味など「秒単位で、部屋のどの椅子に座っているかまでわかる」という。
SNS(交流サイト)や検索などのサービスは無料で使えるが、そこには利用者本人の想像以上の情報まで把握されるワナがある。
ドイツ連邦カルテル庁は2月、米フェイスブックのデータ収集を大幅に制限するよう命じた。同社が提携先の外部サービスなどから広くデータを集めている点を問題視。「多くの利用者は気づいていない」とし、はっきり同意をとらないままの収集を禁止した。
その巧妙さをとがめる声も高まる。ノルウェーの消費者協議会は18年、「グーグルなどは利用者をプライバシー保護から遠ざける工夫をしている」と警告した。例えば位置情報の提供停止のためのクリックに、多くの人が無意識に避けがちな「赤」の文字を使うなどだ。米カーネギーメロン大のアレサンドロ・アクイスティ教授は「心理学を駆使した、なかば強制的なデータ集めだ」と批判する。
英国の科学者、ティム・バーナーズ=リー氏は18年秋、自分の情報を守りながらウェブを利用できるソフト「ソリッド」を発表した。氏名やカレンダー内の予定、スマホのアプリと連動して記録される位置情報など様々な個人データを、ソフト内の専用ボックスに自動保存。データを外部のサービスに提供するかは、すべて自分で決められる。
同氏はワールド・ワイド・ウェブ(WWW)の仕組みを作った「ウェブの父」だ。IT大手によるデータ寡占を憂い、ソリッド開発に取り組んだという。
18年にデータを巡る数々の不正が発覚したフェイスブックは利用者を増やし続け、毎日の利用者は15億人以上。データを吸い上げる巨人の力はなお強い。ただそこに、個人からの自衛の兆しも出てきた。
バーナーズ=リー氏は言う。「あなたのデータは、あなたのものだ」
 

 

五十肩だけでなく。

*[医療]進む医学の中で
週刊朝日より。
自分の体験でも驚いたが、周囲に「四十肩、五十肩」の人が多くいて。
それでいて「どこの医院に行っても快方に向かわない」という人が多い。
注射、鍼灸運動療法、湿布に全身麻酔の手術など、一体どれが自分に合うのかが分からない。
 
同様の話を陸上のアスリートだった友人からも聞いた。
腰の痛みを取るのに、化学療法から手術、鍼灸やリハビリなど選手生命に関わることで悩んでいた、とのことだった。
 
すべての病気はそうらしい。
科学や医学が進むほどに、細かな理論の解明は進む。
けれど臨床の技術は「これから」だ。
 
五十肩だって、手術するのか他の方法を根気よく試すのか、を決めるのは患者自身だ。
今はネットがあるから、自分でいろんな情報を集めて、よ〜く判断して自分なりのやり方を決める必要がある。
これほど医学や科学が進んでいるからこそ、いろんな情報を集めて「自分の可能性」について自分で考える必要がある。
医者任せではなく、最後は自分で選びたい。
 

ただの肩こりじゃない! 「五十肩」の特徴と治療法は?

2019.5.24 07:00#ヘルス
 
同愛記念病院 整形外科・副院長 中川照彦医師(左)/愛知医科大学病院 整形外科副部長・特任教授 岩堀裕介医師
 
肩の痛み データ (週刊朝日2019年5月31日号より)
 
肩の構造と名称 (イラスト/今崎和広 週刊朝日2019年5月31日号より)
 多くの日本人が悩む肩の痛み。なかでも中高年に多く起こるのが五十肩だ。肩関節の周囲に炎症が起こり、痛みと運動制限が現れる。多くは1~2年で自然治癒するが、薬物・注射療法や適切なリハビリが早期改善につながる。
 
 
*  *  *
 五十肩の好発年齢は、40~50歳代。まさに働き盛りに突然起こる。なかには重いものを持つ、ぶつけるなどの外傷をきっかけにして起こることもあるが、ほとんどの場合、明らかな誘因がないにもかかわらず、肩に痛みと関節の動かしづらさが現れる。夜間に強い痛みがあり眠れない、腕が上がらない、衣服の脱ぎ着ができないなど、日常生活に支障をきたすようになる。
 
肩関節は、人間の関節の中でもっとも可動域が大きい。腕が自由に動かせるように、肩甲骨と上腕骨をつなぐ肩関節は連結が浅くなっており、その周囲を関節包や腱板という筋肉の鎧が取り囲む。
 
五十肩の発症原因は、加齢などにより腱や関節包が古い輪ゴムのようにもろくなり、傷つくことが発端と考えられているが、はっきりとは特定されていない。同愛記念病院整形外科の中川照彦医師は話す。
 
「五十肩は肩関節の周囲の組織に炎症が起こり、痛みや、縮んで硬くなる拘縮(こうしゅく)が現れるのが特徴です。糖尿病の人は関節包を構成するコラーゲンなどの軟部組織が硬くなりやすく、5倍くらい五十肩の発症率が高いことが知られています。五十肩はたんなる筋肉疲労から起こる肩こりとは、まったく病態が異なります」
 
五十肩は進行に伴い、急性期・慢性期・回復期と症状が変わっていく。発症し始めて2週間くらいまでの急性期には、炎症による痛みが強く現れる。痛みは肩を動かしたときだけでなく、安静時や就寝時にも現れる。だが急性期には、無理をすれば肩を動かすことが可能だ。治療においては、なるべく安静にすることを心がけ、消炎鎮痛薬の内服・外用剤を使用する。痛みの程度がひどければ、オピオイド系の鎮痛薬を併用したり、ヒアルロン酸ステロイド薬の関節内注射をしたりして痛みを緩和する。ヒアルロン酸は関節液の主成分で、関節の動きを滑らかにしたり、衝撃を緩和して痛みを軽減したり、炎症をやわらげたりする効果がある。通常、1週間に1回の注射を5回ほど続けて治療していく。ステロイド薬は強い抗炎症作用を持つが、糖尿病があると悪化させる恐れがあるため使用は慎重にする。
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同愛記念病院 整形外科・副院長 中川照彦医師(左)/愛知医科大学病院 整形外科副部長・特任教授 岩堀裕介医師
 
肩の痛み データ (週刊朝日2019年5月31日号より)
 
肩の構造と名称 (イラスト/今崎和広 週刊朝日2019年5月31日号より)
 五十肩という病名は、俗称であり、正式には肩関節周囲炎や肩関節拘縮、凍結肩と呼ばれる。「凍結」したように、関節が固まって動かない点が、この病気の大きな特徴であり、その症状は急性期に続く慢性期以降に出現する。愛知医科大学病院整形外科の岩堀裕介医師は、次のように話す。
 
「慢性期になると、痛みは軽減しますが、そのまま放っておくと関節包の拘縮が進んでいきます。ひどい場合にはシャツの脇の下を縫い縮めたような状態になり、他の人が持ち上げても腕が動かなくなります。そうならないよう、痛みが軽くなってきたらリハビリで硬くなった肩関節をほぐす運動をして、少しずつ肩の可動域を回復させていきます」
 
慢性期以降には、リハビリとともに、注射療法では、関節包や肩峰下滑液包の中にヒアルロン酸を注射して、肩の動きの改善をはかる。また、関節包内にステロイド薬と局所麻酔薬を注入して縮こまった関節包を膨らませたり、部分的に破裂させたりして、関節腔を拡張することもある。それでも改善しない場合は、エコー画像を見ながら神経根周囲に麻酔薬を注射して脱力させ、医師が外側から肩を動かすことで硬くなった関節包を破く、エコーガイド神経ブロック下徒手授動術をおこなうこともある。
 
これらの治療によっても拘縮が改善されず、重症化して著しく日常生活に支障が及ぶ場合には、関節包の周囲をぐるりと切り離す手術が検討される。全身麻酔下で、肩に数カ所の穴を開けておこなう鏡視下関節包切離手術がおこなわれる。
 
ただし、手術をした場合も術後にはリハビリが欠かせないと、中川医師は話す。
 
「手術で例えば50度しか上がらなかった腕が150度まで上がるようになった人でも、術後に痛いからと動かさずにいれば、関節の拘縮が再発することがあります。術後のリハビリは非常に重要です」(中川医師)
 
一方、手術の目的で肩治療の専門医に紹介されてくる患者の中には、適切なリハビリをすることで徐々に肩関節の可動域が広がり、結果的に手術を回避できる人も少なくないという。
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同愛記念病院 整形外科・副院長 中川照彦医師(左)/愛知医科大学病院 整形外科副部長・特任教授 岩堀裕介医師
 
肩の痛み データ (週刊朝日2019年5月31日号より)
 
肩の構造と名称 (イラスト/今崎和広 週刊朝日2019年5月31日号より)
「実際、五十肩で手術を要する患者は5%以下です。五十肩の治療では、手術よりリハビリを主体とした保存療法の役割が非常に大きくなります。無理に動かし痛みを伴う間違ったリハビリをおこなうと、筋肉の防御性収縮が起こって症状がかえって悪くなるケースもみられます。痛みの対症療法をしながら、患部を温め、痛くない程度の適切なリハビリを継続しておこなうことが大切です」(岩堀医師)
 
五十肩はほとんどの場合、およそ1~2年の間に自然に治癒することが多いが、期間や症状の現れ方は個人差が大きい。
 
「拘縮が起こっても、不思議なことにそれが治るのが五十肩です。ただし、ほぼ治るとはいえ、全体の約2割の人には可動域制限が若干残ります」(中川医師)
 
「治癒までの期間が3~6カ月の人もいれば数年かかる人もいます。炎症と拘縮が一気に起こる人や、片側の肩が治った後にもう片方にも起こる人などさまざまです。ただし同じ側の肩に再発することは、ごくまれです。軽い場合は必ずしも受診する必要はありませんが、無治療であれば、五十肩が完全に元通りに治癒するのは全体の3~4割でしょう。適切な治療をおこなうことにより、治るまでの期間を短縮させたり完治する割合を高めたりすることができます」(岩堀医師)
 
五十肩だと思っても、なかには肩腱板断裂であったり、頸椎疾患や心臓病、がんなどが原因であったりすることもあるので注意してほしい。強い痛みや動きの制限があれば、自己判断せずに、専門医のいる整形外科を受診して適切な診断・治療を受けることが大切だ。(ライター・坂井由美)
 
 

 

10年先からのアドバイス。

*[次の世代に]自分に訊け。
鴻上尚史さんの人生相談より。
村上春樹氏の人生相談も読んだが、こういう分野は独特な難しさがあると思う。
もちろん茶化すわけではなく。
かといって事実を詰問するわけでもない。
それでいて、時には問題の焦点を明るく希望的なものに誘導したり。
時には厳しく批判したり。
時には自嘲的に共感してみたり。
「どこに焦点を当てて、どうまとめるか」という武者修行のようなものだろうか。
(ただこうした相談にフィードバックがないのは残念だ。まあやり始めるときりがないのかもしれないが)
 
で。働いて30歳で体調を崩して就職に悩む人からの相談。
「まだまだお若いのに」と自分などは言いたくなってしまうが、当人にとっては深刻に違いない。
どんなアドバイスも、当人にとっては「それが最大の問題」である。
相対的な事例を引いて「大したことないよ」というのは、頭では理解できても実感がないだろう。
そこで。
「あなたの10年後から、今のあなたにアドバイスをもらいなさい」というのは面白い。
他人ではない。
10年後の私。
今の延長だ。
しかも50年後とかの、そんなに先ではない。
30歳なら40歳の。
50歳なら60歳の。
70歳なら80歳の、「自分との対話」を促すのはまさに「未来の内省」を促すものだ。
普通内省は過去を反省するものだが、「未来から過去を内省する」というスーパービジョンみたいなやり方だ。
 
25歳の自分が今の15歳の自分を見てもいい。
いろいろと助言できることがあるのではないだろうか。
65歳の自分が55歳の自分を見るように、これからのことを考えてみようと思う。
 

就活で「絶望」… 30歳男性に鴻上尚史が勧めるパワーの出る一言とは?

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

2019.4.16 16:00#就活
 鴻上尚史の人生相談。2年前に過労で体調不良を起こし、焼き鳥チェーン店を辞めたという30歳の男性。最近就職活動を開始するも、採用試験に落ち続けてふさぎ込む相談者に鴻上尚史が贈る、人生を生きていくための、いくつかのコツ。
 
【相談25】就活がうまくいかず、絶望的な気持ちです(30歳 男性 ぼーず)
 
焼き鳥チェーン店で5年働き店長にもなりましたが、2年前に過労で体調不良を起こし、会社を辞めました。大学時代にアルバイトしていて、そこからなりゆきで社員になったのが間違いでした。もう、心身ぼろぼろでした。大好きだった彼女にも別れを告げられました。
 
ですが病院にも通い、最近、なんとか再就職のための活動を始めました。今度は本当に続けられる仕事、興味がもてる仕事、人間として扱ってくれる会社、と思って活動しているのですが、のきなみ落ちて、絶望的な気持ちです。
 
でも、もうちょっとがんばりたい、自分の道を見つけたい。鴻上さん、こんなときに前向きになれるための、おすすめの気晴らし方法があったら教えてください。この鴻上さんの相談連載、読んでると本当に救われる気持ちになることがたくさんあります。ぜひ、僕にもアドバイスをお願いします!
 
【鴻上さんの答え】
 前向きになるための、気晴らし方法ですか。うーん。そんな特別な方法はないですねえ。
 
美味しい物を食べるとか、親しい友達と騒ぐとか、力をくれる名作の映画や演劇を見るとか、旅行に出るとか、有名な遊園地に行くとか、たっぷり寝るとか、好きな作家の小説を読むとか、美術館に行くとか、好きな音楽を聴き続けるとか、青空を見上げるとか、僕が落ち込んだ時にすることは、こんなことです。
 
あと、口癖として「大丈夫」と意識的に言うことです。放っておくと、「もうだめだ」と言いそうになる時、無理に「大丈夫」とつぶやくのです。
 
言葉というものは不思議なもので、「大丈夫」と言うと、本当にそんな気になってきます。なんとかなるという気持ちになって、パワーが出てくるのです。
 
だまされたと思ってやってみてください。
 
あと、「自分は、10年先から戻ってきたと思う」という方法も使っています。
 
ぼーずさんは、今、30歳ですが、本当は40歳だったと思うのです。で、本当は40歳だったのに、タイムマシンを使ったか、時間の奇跡が起こったかして、10歳、若返って今、いるんだと考えるのです。
 
どうですか? 本当は40歳だったのに、30歳に戻れたと思ったら、嬉しくなりませんか? そして、まだまだやれるっていう気になってきませんか?
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「もう30歳だ」と思うと、パワーが減ってきます。でも、本当は40歳だったのに、奇跡が起きて10歳戻ったんだ、「30歳に戻ったんだ」と思うと、まだまだやれそうな気になりませんか?
 
40歳の人が、「もう40歳だよ」と言うのではなく、「本当は50歳だったのに、10年、若返ったよ」と考えるのです。
 
50歳の人は60歳だったと、60歳の人は70歳だったと考えるのです。そして、「奇跡が起こって、10年若返った」と思うのです。
 
どうですか、ぼーずさん。いい気晴らしになるかどうか、ためしてみてください。
 
まあでも、30歳は本当に若いと思います。まだまだ何でもできる時期です。焦らず、ゆっくりと。
 
あ、もうひとつ。0か100かと考えることをやめるってのも、結果的には気晴らしになります。
 
若いと、人生を「0か100」だと思い込みがちです。
 
「全然ダメ」か「最高」かの極端な二つになりがちです。
 
若い俳優は、例えば、二時間の芝居の最初のシーンで失敗すると「あ、今日はもうダメだ」と演技を投げがちになります。
 
そして、夜、飲み屋で「今日は0点だった!」と悔しがるのです。で、うまくいった日は、「今日はサイコー! 100点!」と騒ぐのです。
 
でも、演出家としては、最初のシーンで失敗しても、投げ出さないで、なんとか踏ん張って欲しいと思うのです。
 
人生は、0か100かではなく、48点とか76点とか54点とかで生きていくものだからです。いえ、生きないとしょうがないものだからです。0点か100点ですむのなら、こんなに簡単なことはありません。でも、中途半端な68点でも必死に生きていかなきゃいけないから、人生はしんどいし面白いんだと、僕は思っています。
 
ぼーずさん。就職活動の中でも、そして、就職が決まっても、いろいろあると思います。その時、0か100という考え方ではなく、69点とか82点とかでうんうん言いながら生きていくコツをつかむと、ずいぶん、生きるのが楽になると思います。
 
どうですか? ぼーずさんに、素敵な仕事が見つかることを祈ります。
 

 

高齢者の知を生かす。

日経MJより。
*[次の世代に]場づくりこそが鍵
ようやく介護業界でも専門職以外の参加が検討されるようになった。
それはそうだ。
203年には30-80万人も介護人材が足りないなどと言われている。
こうなると「介護のための社会なのか」という感じもするが、ともかく事態は進行している。
介護は資格が必要ととらえられがちだが、資格を有していない人でもできる仕事はたくさんある。
例えば、介護施設のレクリエーションの仕事では、自分の特技を生かしてマジックを披露したり将棋の相手をしたりできる。
こうした介護未経験者や無資格者と施設をマッチングする。 
これはこれでいい。
さらに。
今度は「高齢者が役に立つ場の提供」だ。
例えば金融機関出身者に「お金と起業」について聞いてみる。
講演でも構わない。
タクシードライバーに仕事観を聞いてみる。
若い人にはためになるだろう。
アカデミックな世界にいた人に話を聞くのもいいだろう。
 
で。
もっといいのは「人生相談」だ。
精神年齢が実年齢より10歳は若いと言われる昨今、「なんでもない日常の悩み」を聞いてあげることの効用は計り知れない。
人の悩みは「共有すること」で驚くほど救われるものだ。
これから増える高齢者は「若者のメンター」よろしく、聞き役になったり、また時には真剣に対話したりすればいい。
 
今一般的になっている「カフェ」とか「地域のイベント」とかをアメーバ的に作るのがいいだろう。
 
悩める子供や青少年少女や、社会人や中年やら(老人も)が「集える場所作り」がこれからのテーマになるのではないだろうか。
そんな地域を作ってみたいと思う。
 
介護負担軽く、ベンチャー競う 排せつケアや人の仲介
2019年5月18日 19:30
人口の4分の1を高齢者が占める社会になり人手不足が各業界で進む中、介護業界における人材の不足が深刻な問題になっている。経済産業省の試算では2035年には79万人もの介護人材が不足するという数字もある。危機的な課題を解決するために様々なベンチャーが挑戦している。
スケッターは介護の仕事を短い時間でもマッチングする
例えば排せつ処理はヘルパーにも施設にも負担が大きく、介護される人にとってもストレスがたまる行為だ。人手不足の施設で業務効率を高めようとすると、排せつ介助の回数が少なくなりがち。するとおむつ交換が遅れ、便が漏れるリスクが高まる。介護される人が苦痛に感じるのはもちろん、シーツ交換や身体の洗浄など追加の業務が発生する。離職率が高まりさらに人手不足となる悪循環に陥りやすい。
そこでaba(アバ、千葉県船橋市)は排せつケアシステム「ヘルプパッド」をパラマウントベッドと共同で開発した。ヘルプパッドは身体に装着せずベッドに敷くだけで使える。臭いセンサーが便と尿を検知し、個人の経験と勘に頼っていた対応を施設全体で共有できるようになる。
また、介護は資格が必要ととらえられがちだが、資格を有していない人でもできる仕事はたくさんある。ボランティアとしてだけでなく報酬を支払う施設もたくさんある。プラスロボ(東京・港)が始めた「スケッター」は介護施設と働きたい人をマッチングするサービスだ。
例えば、介護施設のレクリエーションの仕事では、自分の特技を生かしてマジックを披露したり将棋の相手をしたりできる。こうした介護未経験者や無資格者と施設をマッチングする。
女性会社員(26)は絵手紙講師として参加者の作品を仕上げる1時間のイベントを手伝った。「サイトで事前に施設の人とやりとりができた。施設がイベントをデイサービス利用者に予告し、当日もスムーズに迎えてもらえた」と話す。
ふじもと・けんたろう 電気通信大情報理工卒。野村総合研究所を経て99年にフロントライン・ドット・ジェーピーを設立し社長。02年から現職
日々の業務に追われる職員がレクを企画するのは大変だが、介護される人には楽しみのひとつである。スケッターにより相互のメリットが実現できる。
プラスロボの鈴木亮平代表取締役は「介護業界が取り込めなかった層にアプローチでき、結果として介護業界に就職する人も増え、採用コストを10分の1にできる」と語る。単発でよいからと手伝っているうちに施設も体験でき、実際に働く人も増えるだろう。サービス開始2カ月で200人が登録しており、年内に1万人を目指している。
介護業界は重労働や低賃金のマイナスイメージが先行しがちだが、その分解決すべき課題の宝庫であり多くのイノベーションの可能性が残っている。政府は外国人労働者の受け入れを計画しており、どう働いてもらうかも課題となる。中国などこれから高齢化を迎える国にとっては日本は先行例になる。
介護は市場としてもますます巨大になる。工場のように無人化が進むだけでなく、アナログな労働とテクノロジーを共存させるのは日本企業が得意とするところ。ベンチャーにしろ大企業にしろ、優位性を築くチャンスがある世界と言えるのではないだろうか。
[日経MJ2019年5月17日付]
 

 

どちらかの破局。

*[世界経済]リセットに向かうのか
日経FTより。
リーマンショックを予想した人が再び警告を発しているという。
しかしその先は「インフレの炎かデフレの氷か」分からないらしい。
どっちもあり。
これだけの明晰な人たちが分からないのだから、自分たちがあまり一生懸命に予想を試みても意味はなさそうだ。
記事ではインフレとデフレ両方のシナリオと国の抱える債務について警告しているが、自分はこの一文が気になった。
「少なくともいつでも自由に増発できる通貨で借りられる幸運とそれを生かす知恵を持ち合わせた国の経済」ってどうなるのだろうか。
根強く日本でも「国民が銀行を通して国債を買っているので大丈夫」という説があるが本当だろうか。
『いつでも自由に増発できる通貨で借りられる幸運とそれを生かす知恵』とはつまり「モノ」と「金」はかけ離れたということだと解する。
多分金本位制をやめたからだ。
その後お金は狼のように駆け回っているけれど、いずれ「お金そのものの価値」が相応に低くなるだろうと思う。
それはまさに"インフレ"だ。
 
うまくお金の発行を抑制して、しかも通貨の移動に制限をかけて事態を収束できるかどうか。
ひょっとして米国がやろうとしていることは、そんな「抑制政策」ではないのか。
それとも一度リセットするしかないと、破綻をむしろ進めているのか。
 
どちらにしても、自分たちは「実物寄り」にいた方が良さそうだ。
実生活はなくなりませんから。
 
 
過剰債務の破局 どう防ぐ
2019年5月23日 17:00
本稿は「世界が低インフレの訳」(10日付)の後編である。
「世界は火に包まれて終わるとある人は言い、氷に覆われて終わるとある人は言う」。これは、米国の詩人ロバート・フロストの美しい詩の一節だが、世界経済の展望にもののみごとに当てはまりそうだ。
イラスト James Ferguson/Financial Times
債務水準が極めて高くインフレ率が極めて低い現在の世界は、インフレの炎に包まれて終わると警告する人がいる。その一方で、デフレの氷に覆われて終わると懸念する人もいる。前編に登場したレイ・ダリオ氏のように楽観的で、経済は燃えもしなければ凍りもしないと言う人もいる。少なくともいつでも自由に増発できる通貨で借りられる幸運とそれを生かす知恵を持ち合わせた国の経済は、熱すぎず冷たすぎずの状態に導ける、と主張する。
国際決済銀行の元チーフエコノミスト、ウィリアム・ホワイト氏は2007~09年の金融危機を的確に予見した人物だが、そのホワイト氏が昨年、次の危機を予言した。彼が問題視するのは、高所得国の非金融部門、特に政府部門の債務と、高所得国および新興国の企業債務が膨張し続けている点だ。中でも危険なのは、債務の大半が外貨建ての新興国だという。バランスシート上で通貨のミスマッチが生じるからだ。この状況下で、金融政策はリスクテークを促し、金融規制はそれを阻もうとしている。これでは経済の不安定化を招くことは必定だ。
公的債務の金利は低いが、この状況は続くのか
10年物国債利回り(%)

低インフレでも需要急増すれば一気にインフレに

インフレの炎から始めよう。今起きている多くは、1970年代前半を想起させる。反道徳的な大統領(リチャード・ニクソン)が大統領再選を確実にしたいとの思惑から、連邦準備理事会(FRB)議長(アーサー・バーンズ)に景気を刺激するよう圧力をかけた。同時に、ドル安誘導と保護主義を介して貿易戦争を仕掛けた。かくして10年にわたり世界経済は混乱することになる。何やら聞き覚えのある話ではないか。
70年代のインフレを予想した人は、60年代後半にはほとんどいなかった。同様に今も、安定した低インフレが長く続いたため、失業率が低いにもかかわらず(米国の失業率は69年以来の低い水準にある)インフレ高進への懸念は薄らいでいる。中には、失業率が低くてもインフレ率が上がらない現状を踏まえ、フィリップス曲線は死んだと言う人もいるほどだ。恐らくインフレは休眠中なのだろう。今のところインフレ期待が上がる気配はないが、需要が急増すればインフレ率が一気に高まる可能性は大いにある。
インフレ率の上昇はある意味、経済にとって恵みだ。巨額の公的債務を目減りさせる効果があるからだ。70年代のインフレがまさにそうだった。それに中央銀行はインフレ高進への対処法をわきまえている。ただ、一段のインフレが見込まれる状況では長期名目金利の上昇にもつながるので、実質債務負担の前倒しが起きがちだ。
また80年代前半の例からすると、短期金利も上昇し、投資家心理の悪化度合いを示すリスクプレミアムも押し上げられるはずだ。割高となっていた株価は急落しかねず、労使関係も政治も対立が激化するだろう。
米国株は割高感が強い
株価収益率(景気循環調整済み)
こうした混乱は当然ながらすべての国に一様には起きないため、通貨相場も動揺するにちがいない。そうなれば、中央銀行をはじめ政府機関への信頼は大きく損なわれる。最終的には80年代のようにスタグフレーションが起き、それが深刻な景気後退に移行する危険性が高い。

デフレに対処する手段は今や限られる

次に、デフレの氷に移ろう。デフレは経済への何らかのショックから始まると考えられる。例えば貿易戦争の激化、中東での戦争勃発、民間部門または公的部門に端を発する金融危機中央銀行の政策自由度が低いユーロ圏が危ない)などだ。そうしたショックは深刻な景気後退、さらにはデフレを引き起こす可能性がある。そしてデフレが過剰債務にとって痛手であることは言うまでもない。
ここで重大な問題は、金利が既にこれほど低く、伝統的金融政策(短期金利の引き下げ)も、今ではすっかりおなじみになった非伝統的金融政策(資産購入)も不十分だと判明した状況で、どうデフレに対処するのか、ということだ。
他に政策がないわけではない。中央銀行によるマイナス金利の導入、中央銀行当座預金金利を下回る金利での市中銀行への貸し出し、外国通貨建て資産を含むより広範な資産の購入、国債マネタイゼーション(財政ファイナンス)、国民に直接お金を供給するヘリコプターマネーなどが考えられる。こうした政策のほとんどは技術的または政治的に問題が多いし、中央銀行と政府が緊密に連携する必要がある。だからといって政府が手をこまぬいていたり対応が遅すぎたりすれば、30年代の大恐慌のように、連鎖的な倒産と債務デフレを通じて不況を引き起こすことになりかねない。2008年の金融危機では経営不振に陥った企業(金融機関)は倒産させればいいなどと多くの愚か者が提案した。
日本の中央銀行は財政ファイナンスが可能性なことを示している
中央銀行の総資産(GDP比)

まず債務比率の高い経済の健全化が不可欠

とはいえインフレの炎にせよデフレの氷にせよ不可避なわけではない。むしろいずれも正しい選択をしなかったがゆえに招いてしまう悲劇と言うべきだろう。なぜならダリオ氏の言うように、両極端を避けることは可能だからだ。
そのためには、財政政策と金融政策を組み合わせてインフレなき成長を創出する必要がある。まず債務比率の高い経済を健全化させる方向にインセンティブを修正する。また今の借金頼みの資産バブルへの依存を減らすべく、個人消費を高められるような政策に転換する。さらに金融機関の抱える債務を家計のバランスシートに移転させる。
仮に実質金利が上昇しても、生産性は伸びているだろうから、インフレなき健全な成長が債務負担におよぼす影響は、まず間違いなく金利上昇の影響を打ち消しておつりが来るはずだ。こうしてかねて懸案である「長期停滞」を脱し、少しましな状態に移行できると考えられる。微妙なさじ加減が必要だが、炎や氷よりはるかにましだ。
米国の公的債務は第2次世界大戦後に急増
米国の公的債務残高(GDP比)
1930年代や70年代の失敗を繰り返す必要はない。だが私たちは既に十分失敗を犯してきたうえ、まさに今、全体としてはさらに失敗を重ねており、炎か氷、あるいはその両方を招きかねない。
世界の経済的、政治的秩序の崩壊は大いにあり得る。そのことがここまでの債務を抱えるに至った今の世界経済と、緊迫の度合いを深める国際政治に与える影響は全く予想がつかない。しかし、極めて深刻なものになり得る。予想外に早く事態が悪化しても、国家主義に傾きがちな政治指導者たちが互いに協調した行動を取ることはできまい。それが、現在の状況で最も心配なことである。
By Martin Wolf
(2019年5月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/
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