藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

視線革命。

その名もウェアラブル社の最初のアプリは「出会い系」とのことで、おじさんには関係ないかもしれないが、何よりも「インターフェース革命」という点ではこれからの時代はまた一つの新しいスタイルを予感させる。
今でも電車に乗れば半数の人くらい、道行く人も三分の一くらいは「片手でスマホを立てながら」歩いている。
自動車や自転車に乗る人もチラチラ見ているのは勘弁願いたいが、あの「視線を下に落とす姿」はどうにも見ていて違和感を感じるのである。
何か「これが本来の姿ではないな」というような”人間のあるべき仕草”からは外れていると思っていた。
昔から「視線を落として」いたのでは元気はでないのである。

街中を眼鏡型デバイスをつけて眺めれば、他人の名前や趣味が分かるかもしれないし、街中の町名やビルの名前や空き状況までわかる時代になるという。
出会い系のアプリがどれほど浸透するかはともかく、視線を前に、上に上げてくれるこのデバイスは何か「伏し目がち」だったIT族を心から上向きにするような効果がありそうな気がしている。

今方を狭めて縮こまって端末を操作している人たちが、一斉に上を向いて歩きだせば、周囲の空気がずい分変わるに違いない。
端末に何を写すかの以前に偉大な進歩なのではないだろうか。

ウェアラブルの時代はもう目の前に来ている!
身につけて使うデジタル製品「ウェアラブルバイス」が注目を集めている。きっかけは、グーグルが2013年2月に発表したグーグルグラス。メガネ型の端末の片方に情報を表示し、音声や視線でコントロールするという、誰もがぼんやりと考えていた近未来端末をかたちにしてしまった。この後、身につけたりスポーツ用具に取りつけたりなどして、新たな世界と市場を生むデバイスが続々と登場している。

グーグルグラスは「最低の出来」、そこがすごい



ウェアラブルの米倉豪志CTO
 3月1日、小さな会社が産声を上げた。その名も「ウェアラブル」。ウェアラブルバイス向けのアプリケーションを開発する会社だ。最初のターゲットは、グーグルグラスだ。「時計型の製品や、人の行動を記録する活動量計などもあるが、グーグルグラスが一番おもしろそうだと思った」と語るのは、米倉豪志CTO(最高技術責任者)。グーグルグラスの何に可能性を感じるかたずねると、「ぜんぜんダメなところ」という答えが返ってきた。

 最先端のウェアラブルバイスの一つとしてもてはやされているグーグルグラスだが、実際は「まったくのプロトタイプ。最低の状態」だという。メモリ容量は小さく、CPUも貧弱。立ち上がりには時間がかり、すぐに熱暴走する。しかし、「こんな状態であっても、かたちにして世に問うという姿勢がすごい」と感じたという。限られた技術者向けの販売であったとはいえ、日本企業では考えられないスタイルだ。

 製品としての完成度はさておき、まずコンセプトを現実にかたちにして、技術者の心をつかんで新たな市場を切り拓いていく。これがグーグルグラスの現在の姿だ。世界中の技術者が寄ってたかって、いったいこれで何ができるかを研究開発しながら試している段階だ。米倉CTOは、パソコンの黎明期に似ているとして、「まさに、ポテンシャルだけあって何もできないという状態。ポテンシャルに夢をみて、その大きさが市場をつくっていく」と話す。

 早ければ年内にも一般向け販売が始まる予定のグーグルグラス。ウェアラブルの第一号アプリは、「出会い系アプリ」になりそうだ。顔認識機能を使って、あらかじめ登録した恋人募集中の人物の上にハートマークが現れ、プロフィールを歩きながら確認できるというイメージ。すでに試作版は動作しており、まずアメリカでリリースする予定だという。AR(仮想現実)とGPSを組み合わせて、不動産空き情報などをその場で確認できるアプリも開発中だ。また、カラオケのアプリも試作版ができあがっている。


2月に開いた設立記念パーティーでは出会い系アプリのデモンストレーションを行った
 米倉CTOは「実際にグーグルグラスをかけて街を歩くと、スマートフォンが古く見える」という。今や誰もが下を向いて画面を見ながらタッチパネルを操作する光景はあちこちで見かけるようになった。しかし、まっすぐ前を向いた状態で、音声と視線の移動だけで、ほぼ同じような操作ができるインターフェースに触れると「10年以内にはあたりまえになっているだろう。ひょっとすると2020年の東京オリンピックでは、人々がグーグルグラスをかけて競技を観戦する世界が訪れているかもしれない」と語った。