藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

その後をイメージしよ。

世界最強の呼び声高いゴールドマン・サックスのトレーダーが大量失業したという。
このくらい劇的にAIとかセンサーによる自動化は進んでいるらしい。
自分は産業革命の頃にはまだ生まれていなかったが、ひょっとしてこれからの数十年はそれ以上の「激動の時代」なのではないだろうか。

自分の今の仕事だって、あっさりとなくなるかもしれないけれど、どうにもワクワクする。

人が「いろんな労働」から解放されたら、きっと何かその先にさらに"楽しいこととかクリエイティブなこと"が待っているに違いない。

「今の仕事が奪われる」というのは先を見ていない悲観論だろうと思う。

富の格差とか寡占がしばしば問題になるけれど、世界全体で見れば「いい方向」へと向かっているのじゃないのだろうか。
今の自分の立場よりは「その後のこと」を考えてみたい。

人工知能による自動化が進むゴールドマン・サックス、人間のトレーダーは600人から2人へ

By Owni /-)

シリコンバレーから株取引を完全自動化する初の「人工知能ヘッジファンド」が登場していますが、世界最大級の投資銀行であるゴールドマン・サックスも大量のコンピューターエンジニアを雇用しており、人間のトレーダーに替わって株取引の自動化を進めています。

As Goldman Embraces Automation, Even the Masters of the Universe Are Threatened
https://www.technologyreview.com/s/603431/as-goldman-embraces-automation-even-the-masters-of-the-universe-are-threatened/

2000年のゴールドマン・サックスのニューヨーク本社では600人ものトレーダーが大口顧客の注文に応じて株式を売買していたそうですが、ゴールドマン・サックスCFO(最高財務責任者)に就任予定のマーティ・チャベス氏は、「2017年現在で本社に残っているトレーダーはわずか2人です。空いた席を埋めているのは、200人のコンピューターエンジニアによって運用されている『自動株取引プログラム』です」と、ハーバード大学の応用計算科学研究所で開催された2017 CSE Symposiumで説明しました。

By thetaxhaven

この5年間で株取引の自動化は加速しており、ゴールドマン・サックスだけでなく、多くのウォール街の企業でも金融ビジネスの自動化が進められています。チャベス氏によると、株取引だけでなく通貨取引などの分野でも自動化の方向に動きつつあるとのこと。イギリスの調査会社Coalitionによると、金融取引の45%は電子化が済んでおり、高給を得ていたウォール街のトレーダーは自動化プログラムに置き換わりつつあることがわかっています。

ゴールドマン・サックスを含む世界最大規模の投資銀行において、営業・取引・研究部門の従業員の平均年棒はボーナスを合わせて50万ドル(約5600万円)という試算が出ており、さらにウォール街で発生する報酬のうち75%を一部の「高額報酬者」が得ているとのこと。つまり、自動化が進んでウォール街で働く人が減った結果、1人あたりの報酬が上昇しており、利益を分配する人数が少ないため、管理職は以前よりもさらに高額な報酬を得るようになったということです。

By Megan

2000年にゴールドマン・サックスが600人体制で行っていたような株取引はすでに機械学習機能を備えた複雑な取引アルゴリズムに置き換えられており、通貨取引や先物取引のような証券取引所では取り扱っていない取引にも自動化の波が押し寄せています。こういった分野の金融取引を自動化するため、現段階のアルゴリズムは人間のトレーダーをエミュレートするよう設計されている、とCoalitionの責任者であるAmrit Shahani氏は説明しています。

ゴールドマン・サックスはすでに通貨取引の自動化もスタート済みで、チャベス氏は「4人のトレーダーを1人のコンピューターエンジニアに置き換えることができる」と説明しています。現在のゴールドマン・サックスでは総従業員数の3分の1にあたる合計9000人がコンピューターエンジニアに置き換わっているそうです。チャベス氏は「今後は営業スキルや信頼関係を構築するスキルなど、人間のスキルに焦点を絞った自動化が進むでしょう」と予想。人間のスキルの分野では、トップクラスの従業員を完全に置き換えることは技術的に難しいと考えられていますが、投資銀行業務のさまざまなステップの自動化が求められています。

ゴールドマン・サックスのような大手投資銀行のトレーダーは、年間平均70万ドル(約7800万円)もの報酬を得ている場合もあり、トレーダーの数の削減は銀行にとって利益となります。ゴールドマン・サックスは新しく消費者金融プラットフォーム「Marcus」を開始する予定ですが、Marcusの業務はすべてソフトウェアだけで運用され、人間の従業員は1人も介在しないそうです。Marcusは社内スタートアップのようなスピード感でわずか12カ月で発足されましたが、その理由についてチャベス氏は「我が社には600人のトレーダーが座っていた席がたくさん空いています」と話しています。

なお、シリコンバレーではAppleの音声アシスタント機能「Siri」の開発に携わった経験を持つババク・ホジャット氏が100%人工知能運用のヘッジファンド人工知能ソフト開発会社のSentient Technologies」が立ち上げています。ホジャット氏は「人間は株式市場において感情的すぎる」と考えており、機械的な判断で人間のプロトレーダーの優位に立てると考えているそうです。Bloombergによると、AIを活用するヘッジファンドはほかにもいくつか誕生しており、ウォール街から人間のトレーダーがいなくなる日が近づきつつあります。