藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

心に栄養。

ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則

ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則

著者の息子が、交通事故に遭ったことを「相手のドライバーの今後の安全運転につながる"逆"プレゼントだね」と発言したというエピソード。
これこそがポジティヴシンキングである。


む。
思いだした。
もう十五年も前のことだが、当時の有り金全部を入れた財布を公衆電話boxに置き忘れた。
数時間経って駆けつけるも、当然見つからない。

その時になぜか「落とした財布は、この時期(クリスマスイブ前夜)に、あまりお金のない人の手に渡り、その人の子供や家族へのプレゼントやご馳走に変わったのだ、と考えよう」と思ったのである。

単なる落し物の悔しさへの強がりだったが、不思議と「そう思うようにしていると」、あまりくよくよせず「まあいいか」という気分になったことを思い出した。

自分のために

ポジティビティ(自己肯定的な心の状態)を身につけた人間は、それが成長に欠かせないと本能的に知っており…(後略)

そう。「ポジティヴ、人のためならず」である。
何となく分かる気がしないだろうか。
「起きたこと」をくよくよと「後悔モード」で思い返すのではなく、「自分にとって『肯定的な状態』へと導いて行く」というのが最大のポイント。

「あーあぁ…どうしよう…」という心の状態と、
「よっしゃ! 改めていったるか!」と言う時の心理状態の高低差を改めて考えてみれば、どちらがその後に有利かは言うまでもない。

何も無理して肯定的になるのではなく、ぜんぶ「今後の己のため」なのである。
自分だってそうではないか。

何事にも挫けず、失敗しても諦めずに、ひた向きに頑張る人を見たら無条件に応援したくなるじゃない。

そして、そうした苦労の後に掴んだ成功の姿に、また自分たちは純粋に感動を覚えずにもいられない。


「そういう」ポジティヴな心理状態が、「自分の心の栄養になる」ということを、何となく自分たちは本能的に知っている。
それを、時々忘れて悲観的になりがちなだけなのである。
心の土壌を強くする、そんな栄養分を自分の心の畑にも、ぜひ撒いてあげましょうよ。


ポジティブな人だけがうまくいく 3:1の法則 [著]B・フレドリクソン
■感情の「黄金比」を実証

 私事ながら、我が家の息子が13歳の誕生日に軽い交通事故に遭った際、「相手の人もこれで安全運転をしてくれるようになるから逆プレゼントだね」と話す息子に、なぜ子供はポジティブになれるのかと驚いた。
本書で謎が解けた。

 進化の過程で視野を広げる心理としてポジティビティ(自己肯定的な心の状態)を身につけた人間は、それが成長に欠かせないと本能的に知っており、植物が光を求めるようにポジティブ感情に向かう「向日性」があるというのだ。

 心理学の対象は過去、ネガティビティに集中してきた。一転、ポジティブ心理学が急速に注目されている。その先駆である著者は、ポジティブ感情には思考や心の幅を広げる拡張効果と、人が持つ能力やエネルギーを多面的に育成する形成効果があることを立証。

 人はポジティブ感情の比率が「3:1」を超えると「繁栄」への上昇スパイラルに入り、何かあっても立ち直りも速いという「感情の黄金比」を導き出した。

 大半の人は2:1。後半、比率を上げる方法が示される。ネガティブ思考に自ら反論する。思考習慣を変え、状況にポジティブな意味を見いだす。今どきはやりのハウツー本と一線を画し実践的だ。

 ビジネスでもポジティビティ比の高い組織は成果を出せる。企業人こそ必読だ。ポジティブ心理学が注目される理由もそこにある。