米中親善試合、で政治的なことを目論んでいた人たちはアチャ、という感じだが。
それにしてもメディアの報道は皮相的である。
第一報から数日経つものの、この乱闘の背景とか、
親善試合の馴れ初めとか、
はたまた乱闘の詳細とか、その後の両国の考えとか、
またNBAのコメントとか。
「色んな掘り下げた取材の跡」がまったく感じられない。
こちらもさっとネットで検索したのみだが、こうした「周辺事実の報道」は必ず"一次ソース"として、新聞やテレビ局がきちんと追いかけるべきものだと思う。
皮相的な世界。
すでに報道も「その奥に何があるか」ということにはあまり予算を投じない。
そして、それを聞く大衆サイドも責任は重いと思う。
この報道で、「中国は礼節がない」という評判に終始するのなら、それは誰かの意図した風評であろうと思う。
ともあれ、何が原因で乱闘が起こり、
またそもそも親善試合の狙いは何だったか、
そしてこの事件が今後の両国の関係やスポーツ界にどのような影響を及ぼし得るのか。
そんなことを、まず「最初の報道」で伝える力がメディアには必要である。
「取りあえずの起こった現象」をつたえるのはテレビやツィッターの仕事だろう。
メディアは、その取材能力とテキスト情報の量で「もっと掘り下げた取材」を展開してゆかねば、衰退するばかりだろうと思う。
ネットに負けないのは、一つには"アナログ力"である。
一歩一歩、日々の報道に頑張ってもらいたいと思う。
米中激突、バスケ親善試合で大乱闘
2011.08.19
【ワシントン=佐々木類】米中両国のバスケットボールチームが親善試合で大乱闘を演じ、中国側の暴力行為が米メディアで大きく取り上げられた。
試合は18日、北京オリンピックスポーツセンターで行われた。対戦したのは米首都ワシントンにあるジョージタウン大と中国人民解放軍所属チーム。
19日付ワシントン・ポスト紙(電子版)は、両チームの選手同士による小競り合いの後、米国人選手がコートに倒れているところを選手以外の中国人が蹴りつけている写真を掲載した。
同紙は、試合途中で米国人選手がコートから引き揚げようとした際、観客が水の入ったペットボトルを選手に投げつけたほか、会場にいた警官がもみ合いを見て見ぬふりをしていたと報じた。
米経済誌フォーブス(電子版)は、試合のビデオ映像を掲載。中国人選手が倒れた米国人選手に馬乗りになって殴りつけたり、米国人選手に椅子が投げつけられたりする場面もあった。
ジョージタウン大のトンプソン監督は試合後、「遺憾の意」を表明。米国務省高官は「不幸な出来事だが、スポーツを通じて中国との相互理解を深めていきたい」と語った。米当局からは、穏便に済ませようとの配慮が伺えるが、中国選手の暴力行為に米世論の批判が高まりそうだ。
米中両チームのバスケットボール試合は、バイデン米副大統領の訪中に合わせて行われた。前日の17日には、バイデン氏がジョージタウン大と別の中国チームの試合を観戦している。