藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

安定神話。

読売の報道で、大卒者の二割が「非正規労働か未進学者」だという。
この話を米国の友人にしたところ「フジノ、そもそも"正規雇用"というのはどういう意味だ??」と訝られた。
「そもそも永久的(permanent)に雇用を保証する、ということは必要なのか?」
「転職の自由はあるのか?」
「会社はキャリアアップを保証してくれるのか?」
「そんなルールで、業績をちゃんと評価できるのか?実は共産主義ではないのか?」

と矢継ぎ早の反問を受けて閉口してしまった。
改めて、これからの雇用の在り方、ということについても、海外のやり方とも歩調を合わせながら再考する必要がある時代になっているのではないだろうか。

自分などは中小企業畑を歩いてきたので、あまり大企業の傘下にいる恩恵については身にしみていないのだが、今の風潮のように「゛正規化非正規か」とか「安定とはどういう内容か」ということについては予め「自分の考え」を持っていないと、ある日突然リストラ対象になって慌てる、ということになりかねない。
また「安定」と思っているばかりに自分のスキルを鍛えることが疎かになるということになりがちである。
大企業に入る人であろうと、中小企業やベンチャーの"けもの道"に入る人であろうと、もう雇用の安定、ということは「一つの時代の特徴でしかない」という風に頭を切り替えておくべきだと思う。

高度成長期の成功パターンはもう変化してしまったのだ。

大卒者の2割「安定的な雇用に就いていない」 今春の大学卒業者約56万人のうち、非正規労働、就職・進学をしていない卒業者など「安定的な雇用に就いていない者」は約11万5000人で、前年度に比べ約1万2000人減少していたものの、依然として2割を占めていたことが7日、文部科学省の学校基本調査の速報でわかった。
正規雇用に就けたのは前年度に比べ約1万8000人多い35万人に上っていた。
 同省は非正規雇用に就く大学卒業者の実態をつかむため、昨年度から学校基本調査の一部を変更。非正規雇用などに関する項目を追加した。同省では「安定した雇用に就けない人が2割もいることは、引き続き改善すべき課題」として、ハローワークと連携した就職支援に力を入れていく考えだ。
 また、同調査では、女性の教員が占める比率は高校で30・7%(前年度比0・4ポイント増)、大学で21・9%(同0・7ポイント増)と、それぞれ過去最高を更新していた。
(2013年8月7日22時33分 読売新聞)