藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

人材の意味。

この年にして。
最近ふと気付いたことがある。
企業が他の企業を買収したり、合併したりすることをM&Aという。

人を雇う、というのも同じことなのかな、と最近思うのである。
その人を買う、という言い方が尊大であればその人と共同事業をやる、というような感じだろうか。
(とそう言えば、昔習った経済原論では「雇用者と労働者」について明確に「いくらで雇われるかというだけの関係」ということを書いてあったことを思い出す。ああした二元論にはどうも違和感を感じる)

新卒の学生さんを採用するのは、まあ生まれたての、元気が取り柄の会社と一緒に事業をしていくようなものだろう。
それが社会人を三年も過ぎれば「ちょっと色のついた会社」と仕事をするようなもの。
そして、どんどん経験を積んでゆくと「中堅企業と一緒に仕事をする」ような感じである。
中途採用が難しいのは、「お互いの方向性が本当に一致しているかどうか」が数回の面談では分からないことにある。

というか、そもそも採用面談、という場がよくなく、片方は「正社員希望」片方は「戦力希望」なのでそもそも"目線"が一致していないことも多い。
ただただ「仕事がとりあえずあれば」という人にとっては「お互いの方向性を確かめる」ということは二の次だからである。

一方、企業の人事部門の人に話を聞くと、これまた「物の選考」なみにステレオタイプな人も多い。「○○大とか、△△地方出身とか、□□クラブ所属の学生は離職率が高い…」などと豊富な経験からのタイプ別評価が定着しているのである。
一人で数百人分のエントリーシートを捌くのは大変な作業のようだが、ああいう立場の選考委員相手では、よほどこちらも印象に残るような会話を用意しておかないと、そもそも「数の波」に呑まれて消えてしまうだろう。
(つづく)