藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

金余りの先に。

中年にもなって色々と見知っていることも増えてくると、大体過去の経験とか知識で「解答」を導く癖がついてくる。
昨日実は何でもが初めてのことかもしれないと書いてから、ますます自分の持っている「問題に対する見立て」とか「直感的に感じる○や×」なんかについても懐疑的になっている。

戦後七十年の経験も初めてだし、超高齢化とか少子化も初めて。
ベビーブーマーの定年も初めてだしグローバル経済とかネットも初めてだ。
あまり「過去の事例探し」をしない方がよさそうである。

金本位制でなくなり、プラザ合意があり、円がずい分高騰し、ユーロができて、そしてネットを通じてあらゆる金融商品が組成されているのも初めてだ。
なんだ。全部「そもそも」から考えないといけなそうなことばかりである。

欧州中銀がマイナス金利を拡大するという。
パッと聞けばどこか変だ。
お金を預けていれば減って行く。
デフレ解消とかインフレターゲットとかいう言葉もそもそもの違和感を感じないだろうか。

世界的に金融緩和でお金が溢れ、そうなれば徐々に「お金そのものの価値」は下がって行くだろう。
その先に何があるのか。
弾けたバブルは回りまわって実経済にダメージを与えてきたけれど、「お初」のこの度はいったい何がどの程度起きるのか?ということを自分なりに考えておくべきではないだろうか。

土地を買うとか金を買うとかそういうhow toはともかく、「もしお金の価値がどんどん下がったら」自分はどうしようか。
慌てずにいるためには何が必要かを考えておけば、金融政策に一喜一憂することもないと思う。
こういう話こそは自己責任なのじゃないだろうか。

欧州中銀がマイナス金利拡大 0.3%に、デフレ阻止 2015/12/3 22:34日本経済新聞 電子版
 【フランクフルト=共同】欧州中央銀行(ECB)は3日、ドイツのフランクフルトで理事会を開き、金融機関が余剰資金をECBに預ける際に手数料を課すマイナス金利の幅を今の0.2%から0.3%に広げることを決めた。9日から適用する。ユーロ圏の物価低迷に伴うデフレ懸念を解消するのが狙い。国債を中心とした資産を買って、資金を大量に供給する量的金融緩和の拡充も検討している。
 米国の年内利上げ観測が強まる中でECBが追加緩和すれば、米欧の金融政策が正反対となり、市場の波乱要因となる可能性がある。日銀の政策判断にも影響しそうだ。
 追加緩和は、デフレ阻止のほか、パリ同時多発テロに伴い消費が萎縮し、景気を圧迫しかねないとの懸念に対応する狙いもある。
 ECBは今年3月、月600億ユーロ(約7兆8千億円)の資産の購入を開始。2016年9月末を終了のめどとしている。購入規模の拡大や期限延長のほか、買い取り資産の種類を広げることも検討している。
 マイナス金利は企業や家計への融資を促すのが目的。主要政策金利は過去最低の0.05%に据え置いた。
 ECBは圏内の物価上昇率見通しを下方修正する見込み。11月の消費者物価指数は前年同月比で0.1%の上昇にとどまり、目標である2%弱との開きが大きい。