「育児前に介護に直面」する人が増えているという。
晩産化も原因として指摘されているが、実は「ユニット化」にあるのではないだろうか。
江戸よりももっと以前の時代。
多くの家族は親類縁者で「固まって」暮らしていた。
それが現代に近づくにつれ「ユニット化」が加速してきた。
今やもう「親世代」「祖父世代」との同居も珍しい。
核家族、というのは多分自分たちの望んだ形に違いないが、それが「育児や介護」という問題も孤立化させている。
ユニットが細分化されていけば、個々の負担は分散負担されずそのまま「個々」にかかってくるからだ。
江戸や明治に比べれば、格段に豊かになっている(に違いない)現代で、不思議にこうした問題は深刻化するばかりである。
原因は、今の先進国では全般的に「生活のカロリー」が高すぎて、夫婦で必要以上に働き、保育所や介護施設を探し、全体的に疲弊しているということではないだろうか。
よくいう「高所得者層の高消費」というやつだ。
教育のことも、介護のことも、一度常識を疑って本質を考えてみる必要があるのではないだろうか。
そんなにお金ばかりかかるものではないと思うのだ。
育児前に介護直面 30代の2割 晩産化の影響 民間調べ
育児と介護に同時に直面する「ダブルケア」の経験者のうち、30代では育児より先に介護が始まった人が20%を占めることがソニー生命保険の調査で分かった。育児と介護が同時に始まった人も7%おり、晩婚・晩産化の影響で出産や子育てよりも親の介護が先行するケースが増えているとみられる。
調査は今年2〜3月にインターネットで実施。現在や過去にダブルケアの経験があり、大学生以下の子供を持つ男女計千人から回答を得た。
過去に経験した人にダブルケアだった期間を尋ねると、平均は3.9年。「10年超」も10%おり、精神面や体力面に加え、経済的な負担が長期間続くケースがあった。
仕事を持つ436人に「ダブルケアと両立しやすい職場か」を尋ねたところ、「いいえ」は男性の45%、女性の21%で、男性の方が両立の難しさを感じていた。
また、ダブルケアを理由に仕事を辞めた人が続けられなかった原因は、複数回答で「子供が保育園には入れなかった」が36%で最も多く、「職場が両立しにくい環境」30%、「親が介護施設に入れなかった」27%と続いた。