藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

言説フリー。

池上彰さんの取材について「意見の横取り」をされたという記事。
ジャーナリストが「他人の意見を丸ごと自分のものとして出す」ってないだろうと思うが、当事者はそう感じたのかもしれない。
それもともかく。

他人の意見とか、他人の著作物(書籍、ブログ、論文、対談記事など)を見て感じたこと。
あるいは「他人と意見交換して得た見解」とか。

どこまでが「自分だけのもの」だろうか。
どこからが「相手とのミックス作品」だろうか。
小説ならまだしも、今の社会を論じるようなコラムの中にあって、どこまでが自分のものと言えるだろう。

自分もよく「他人の意見を聞いて、さらにこう思う」というようなエントリーをしているが、果たして「オリジナル」なのかどうか。
甚だ怪しいと思う。

内田樹さんのように「すべての自分の言説はいかように利用しても良い」というスタンスを示さねば、こうした「やり合い」は無限に続くだろう。

知ったかぶりの軽薄野郎が跳梁するかもしれないが、それでも「発言する行為」を威嚇すべきではないと思う。

いつも思う。
自分だけが考えた知識、何て自分の中に一体どれほどあるのだろうか。

ほとんどすべてが「外部から与えられた産物」ではないだろうか。

池上彰氏、疑惑に「あってはならないし、ありえない」 「他人の意見を自分の意見に...」主張へ反論

池上彰さん

 ジャーナリストさん(68)の番組スタッフから取材を受けたが、池上さんの意見として紹介したいと言われた――。元通産官僚で徳島文理大学教授のさんがフェイスブックでこう明かしたところ、同様な経験をしたと明かす識者が次々に現れ、波紋が広がっている。

池上さん自身は、J-CASTニュースの取材に対し、「特定の先生が言ったことを自分の意見として言うことはありえない」と全面的に否定した。

■八幡和郎さんのフェイスブック投稿がきっかけ

きっかけは、池上さんの番組内でのことがツイッターで話題に上り、八幡さんが2018年9月9日、フェイスブックでこのことの感想を書いたことだ。

それによると、八幡さんは、池上さんの番組の取材で時間をかけて意見を述べたが、「池上の番組の方針で、番組では八幡さんの意見ではなく池上の意見として紹介しますがご了解いただけるでしょうか」といった内容のことを言われたという。

これに対し、八幡さんは、「私が言ったことをいっさい使ったりよく似たことを池上に言わせないように」などと番組の申し出を断ったといい、「こんなのがジャーナリストのような顔してるのがおかしい」と疑問を投げかけている。

池上さんの解説は人気があるだけに、この投稿は、大きな反響を呼んだ。10日夕現在で、「いいね」が2000件以上も付くほど注目を集めている。

そして、ほかの識者らからも、自分も同様な経験をしたと共感の声が次々に書き込まれている。

出版社出身で健康サポート会社社長のさんは、八幡教授のフェイスブックに「全く同様の経験があります」とコメントを寄せた。

宮下さんは、あるテレビの取材で、関連するホームページの中身を丁寧に説明したところ、「池上の方針で池上の意見として」紹介したいと最後に言われたという。このようなことは失礼だと思い、すぐに申し出を断ったそうだ。

「番組では、私個人の意見は言わないスタンス」

 また、ジャーナリストの有本香さんも、「これは私も経験ある。何年も前だけど。今もそうなのね」とツイッターでつぶやき、元大蔵官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一さんも、相手が池上彰さんの番組とは明言していないものの、「オレも似た経験あるぞ」とツイートしている。

池上さんの番組について最初に発言した八幡和郎さんは10日、J-CASTニュースの取材に対し、こう話した。

「何年か前に電話でやり取りしたことで、記憶に間違いがあってはいけないと表現をぼかしましたが、皆がおかしいと思っていたんだと分かりました。『池上の意見』にするというのは、異常な形であることは間違いないと思います」

これに対し、池上さんは同日、次のように取材に答えた。

「特定の先生が言ったことを自分の意見として言うことは、あってはならないことだし、ありえないことだと思います。番組スタッフがリサーチのため電話することはあると思いますが、私は、これまでに一度たりとも、そのようなことはしていません。そもそも、私の番組では、先生の意見を紹介したりはしていますが、私個人の意見は言わないスタンスでいます」

今回の騒ぎを受けて、池上さんの番組があるテレビ全局のスタッフについて調べてもらっているといい、八幡さんの投稿については、「どの番組のどういうことが分からないと、コメントしようがないです」と話した。

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