藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

小さな規制よりも大事なこと。

光あるところに影がある。
IT大手が「情報独占」で日々話題になる中、反対の「防衛」も話題になっている。

ネット上のデータを暗号化する仮想私設網(VPN)を実現するスマホアプリを開発。
データ捕捉や、特定サイトへのアクセス禁止をできなくする。
どこからウェブにアクセスしたかも秘匿できる。

自分たちの住所や電話番号は秘匿したいように、ネットではどれほどの防衛ができるだろうか。
今やネット経由での仕事や、コミュニケーションや、購買や、情報収集はアナログ世界の頻度ではない。
もう「ほとんどの出入り口がネット」の時代において、どれほどの情報が秘密にできるだろうか。

そういう「秘密化」に対して、自分たちはどこまでの情熱を注げるだろうか。
「透明化」という名の下に、自分などは「もういいのじゃないか」と思っている。
インターネットの恩恵を売れているのだから、自分の行動などがお役に立つのなら「どうぞログ取りしてください」という気持ちになっている。

ビッグデーダがどんどん集まり、いろんな処理が自動でできる社会は確実に今よりも進んでいると思う。
「悪用への注意」は必要だが、どんどんトライしてみる精神も必要ではないだろうか。

個人情報独占、技術で防ぐ スタートアップが開発 IT巨人の膨張に対抗
シリコンバレー=中西豊紀】米グーグルやフェイスブックなどIT(情報技術)大手の個人情報保護対策への視線が厳しくなるなか、スタートアップ企業に商機が生まれている。顔の画像やインターネットの閲覧履歴などのデータ取得を難しくする技術を開発し、存在感を高めている。「GAFA」と呼ばれるIT大手がデータを独占する副作用に対し、規制ではなく技術革新で解決しようとする動きが新たな市場の創出につながっている。


D-IDのペリーCEOは「個人データの漏洩から人を守る」と話す(サンフランシスコ)
「ほら、2つの顔は同じに見えるだろう」。イスラエルのスタートアップ「D―ID」のギル・ペリー最高経営責任者(CEO)は2枚の画像を並べた。スマートフォンスマホ)で撮った自らの写真と、それを同社のシステムで加工した写真。どう見ても同じ顔だ。

人工知能(AI)の判断は違った。アマゾン・ドット・コムマイクロソフトが提供するAIサービスで2枚の「類似性」を分析すると、同じ人物かどうかの信頼度が5割を切った。「AIだけをだますのがうちの技術だ」とペリー氏は言う。
人の目には分からない特殊な加工を写真に加えることで、AIがもとの人物とは違うと判別させるよう仕向けているという。AIは目や鼻など顔のパーツごとに画像を分析し人物ごとの違いを認識する。それを逆手にとり機械による顔認証をできないようにした。
人物特定を防ぐ

D―IDは2016年創業。設立の目的は「個人データの漏洩から人を守ること」(ペリーCEO)だ。顔の画像データはSNSなどインターネット上で大量に流通している。それが誰かをAIで特定し、名前や性別といった属性だけでなく健康状態や性格などのデータとひもづけできる。
フェイスブックに対し、利用者の同意なく顔のデータを集めているとして集団訴訟を求める動きも出ている。D―IDは顧客や社員の顔のデータを持つ企業などが情報漏洩を起こしても個人を特定できないようにする法人需要などを見込む。
米マーケッツ・アンド・マーケッツによると、データ保護関連の世界のビジネス市場は17年の572億2000万ドル(約6兆4000億円)。22年には1199億5000万ドルへと拡大する見通し。個人の健康状態などを扱うヘルスケア分野の需要が膨らむという。
フェイスブックの情報流出問題で露呈したように、扱うデータ量が増えるとともに個人情報への懸念も高まる。大量の個人情報がどれだけ利用されているか分からず、知らないうちに利用されている恐れもあるからだ。それがスタートアップの商機につながっている。
ネットを通るデータそのものの個人情報保護を売りにしているのが米アンカーフリー(カリフォルニア州)。ネット上のデータを暗号化する仮想私設網(VPN)を実現するスマホアプリを開発。データ捕捉や、特定サイトへのアクセス禁止をできなくする。どこからウェブにアクセスしたかも秘匿できる。
同社が最初に注目を集めたのは10年。中東で民主化運動「アラブの春」が広がった時だ。政府の検閲を恐れる中東のスマホ利用者のアプリダウンロードが相次いだ。今年3月、フェイスブックによる情報流出事件の直後から米国内でのダウンロードが急増したという。
活力そぐ規制

カリフォルニア大学バークレー校の教授らが18年に設立した「オアシス・ラボ」は秘匿性の高い技術を使って情報を保護するシステムを開発。英ロンドン拠点の「プライビター」は、機械学習の構築などで必要となるデータを分析する際に情報漏れを防ぐ技術を持つ。
IT企業が扱う個人情報の保護を巡っては、世界の当局も警戒感を強める。5月に欧州連合EU)が一般データ保護規則(GDPR)を施行するなど規制による対応が先行している。規制は産業の活力をそぐもろ刃の剣の側面もある。GAFAの肥大化が生む負の側面にビジネスの芽もあることを、スタートアップの動きが示している。