藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

安定を感じる力。

果たして古代から今に至るまで。
「これからは安定しているぞ」と感じた人はどれくらいいるのだろうか。
自分も含めて。

原因はおそらく「不安」じゃなかろうか。

過去の歴史を学んでいれば、史上最長の長寿社会で食糧事情もよく、治安も一番いい。
病気は限りなく追求されて、こちらの研究も間違いなく過去最高。
ついにはコンピュータが登場し、さらなる進化を匂わせる…

私たちは、それでも不安。
豊かになったり、安心感が増したりするとその分の隙間に「不安心」というのがあるらしい。
特に日本人は悲観的だという気がする。

神田川という70年代のヒット曲の歌詞に、同棲するカップルが「若かったあの頃 何も怖くなかった ただあなたの優しさが怖かった」
という有名なフレーズがあるのと似ていると思った。

ただただ今の充足感を謳歌して、つい足元がおろそかになってしまっては危険だ。
けれども「過去を見渡してみれば、これからの高齢化社会もなんとかやっていけるさ」とか「行くつもり」という感覚がないと永遠に無い物ねだりを続けることになる。

もうそろそろ「このぐらいでいくか」という声を出していくべきではないだろうか。