藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

デスクトップのおいしいところ。


仕事場や学習机の上(デスクトップ)は、コンピュータでいえば、よくメモリ(CPUの作業領域)に例えられる。
メモリ上のデータは高速で処理できるので(ハードディスクやCDなどにあるより)、広ければ広いほどいい、と言われている。


で本物の机の上は。
これも広ければそれに越したことはない。がいくら広くともコンピュータと違う制約があることに気づく。
「机上で最もオイシイ」のは、中でも「両腕の届く範囲」なのである。
これより外輪、つまり「よっ」と身を乗り出さねばならないところとか、
椅子を立って、スタスタと二三歩歩いてたどりつかねばならないような本棚、などは「いちばんおいしい場所」からは少し外れてしまう。


あくまで「黄金的価値」のあるデスクトップ、というのは自分の腰を中心とした半径80センチメートル以内のゾーンなのだと思う。
そして。
今は大体、そのもっともセンターポジションに位置しているのは、パソコンである。
なんだかもっとも無骨な感じだが、「ここから世界中のネットにつながっている」という最大のコクピットであるから、まあ仕方ない。
(それにしても今さらpcをどけて「紙」で作業してみると、驚くほどデスクの上は広い。pcはある種の犠牲、を常に我われに強いているのである。)


でまあパソコンは仕方ないとして、問題はその周辺。
「半径80センチ以内」の使い方である。

占有者たち。


で。
自分の机上を見る。
まず、pcに向かって左。
読みかけの文芸春秋
週刊ダイヤモンド
が、無造作に数冊積み上がっている。
その周りにプリントアウトした書類が十数枚。
これで向って左サイドは死んでいる。


で、向って右サイド。
定期購読したりの郵便物。
決済待ちの資料が数部。
各地で使った領収書群がその一隅を占める。
愛飲のコーヒー置場。
これで、向かって右サイドもほぼ埋まっている。


これまでにない、新しい話題の書面などが急に来たら大変。
目の前のキーボードの上に「作業場」を゜作ることになる。
でそんなことをしていたら、パソコンが熱暴走したり、また知らないうちにキーボードが押下されて、作成しかけの文書が花丸だらけになっていたり、「二次災害」を誘発する。
パソコンは便利だが、常にデスクの「黄金領域」を占有し続けるという意味ではよし悪し。


いつしか、pcを使うときはpc用の机。
文書作成や読書には、その横の専用の机を使う、という特権的な身分になることを夢想する。
それまでは、コーヒーの脇に、ミネラルウォーターの入ったペットボトルとか、ビタミン剤の瓶とか、フリスクとか、いろんなものが「黄金の80センチ」を占有し続けて、行く手を阻むのだろう。


それにしても、手軽にパソコンが畳めるとか、
用のないときには基本的に頭上の高さにまで吊り上がる、とかして「真正面」の「自分に最も便利な空間」を確保するツールはこれからでてくるのではないか。
パソコンはあまりに便利であり、また「それ以外」の用途のあるときには、あまりに「主たる場所」を占め過ぎるのである。
リアルのデスクトップの効率化、も今更ながらぜひ考えてみたいものである。