藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

にらみ合い。


中国が再び利上げ。
中央銀行(人民銀)の基準金利は貸出が5.81%、預金2.75%と、かなりいい感じに高めである。
金融引き締めに躍起の当局だが、原因は国内に余っているお金のせいらしい。
(それにしても2007年には貸出7%だったというから驚く)


それにしても国際経済は不思議である。
中国元と「対ドル、対円、対ユーロ」の関係。
円とドルの関係。
円とユーロの関係。
ユーロとドルの関係。
ユーロ国内の関係。
上記たちと「新興国群の通貨」との関係。


いろんなことが事情としては絡み合う。
そんな中で、自由に為替が変動する国もあれば、中国のように「半固定」で政治が為替を動かさねばならない国もある。

「世界統一通貨」にすればよいのに、と思うが、なぜかそういう話は出ず、むしろ事態をさらに複雑にするかのような「地域内通貨による分散為替取引」がむしろ導入されそうな勢いだ。
具体的には、一旦統合したユーロは、再びバラバラになり、アメリカでも中国でも「州単位」の通貨を併用し、なんと日本でも「地域通貨」導入の声を聞く。

「世界統一通貨」についてはマネーサプライとか、金利政策、とかが各国の思惑では制御できないから、現実的にはならないのかもしれないが、これではいつまで経っても「政治と金利」が独立して機能することはないようである。
むしろもともと通貨と言うものはそういうものなのかもしれないが、戦後ずっと「インフレだのバブルだの、デフレだの不景気だの、マネーサプライだの通貨安だの、自国通貨安誘導だの」とずっと聞かされていると、世界各国での貿易とか為替とか、そして「景気」などというものは、どこか海の中のイソギンチャクとか、夜空の星の瞬(またた)きのようなものに見えて仕方がない。


為替一つとっても、最新の経済モデルをもってしても説明はし切れない、とのことだが例えば、日本の製造業は、これからは「国内では何を」して、海外では「製造拠点を作るべき」とか、サービス業は外国人も積極雇用して、さらに英語圏にも進出する、とか流通や建設業は何を目標にするべきか、とかそんな「道しるべ」がないと、ずっと日本の企業は迷走を続けてしまうように思う。


もし経済界から見て、(いろんな理由はあるだろうけど)政治主導、が当てにならないのならば、経済界が自身の責任で独自のビジョンを共有し、大企業も中小企業も「ある星」を目がけて走らないと、折角の日本の良さ、みたいなものがどんどん弱っていくような気がする。
日本が、この島国と歴史の長さゆえに「いろんな独自の良さのようなものを持っている」というのは最近のコンセンサスだけれど、それが初めて「国際化の波」に晒されているようにも思える。


企業の優秀な経営者はとうにしているのかもしれないが、少々の政策や金融事情が変わっても、それに左右されない確固とした経営の方向性、が求められているのではないだろうか。
金利がどう、法律がどう、と常に政治にグチるのは、そろそろお終いにしたいな、と思うのである。

中国、0.25%追加利上げ 2カ月ぶり
【北京=高橋哲史】中国人民銀行中央銀行)は25日、金融機関の貸し出しと預金の基準金利(期間1年)を26日から0.25%引き上げると発表した。利上げは2年10カ月ぶりの実施となった10月20日以来、約2カ月ぶり。海外からの資金流入の加速でインフレや不動産バブルの懸念が高まっており、人民銀は金融引き締めの姿勢を一段と鮮明にする。

中国では市場金利を誘導する先進国型の金融政策が確立しておらず、人民銀が預金・貸出金利を直接操作する。今回の利上げで政策金利に相当する期間1年の基準金利は貸し出しが5.81%、預金が2.75%となる。


貸し出しの基準金利は前回の利上げの最終局面である2007年12月時点で7%を超えていた。この水準に比べるとまだ利上げの余地は大きく、来年も追加の利上げが続くとの観測は多い。


中国共産党・政府は12日に閉幕した年に1度の中央経済工作会議で、金融政策の基本方針を危機対応で取ってきた「適度に緩和的」から「(中立に近い)穏健」に転換することを決めた。市場では人民銀が早期に利上げを実施するとの観測が強まり、24日の上海銀行間取引市場では翌日物金利がほぼ3年ぶりの水準まで上昇していた。


中国の11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.1%上昇し、2年4カ月ぶりの高い伸びとなった。人民銀のアンケート調査では回答者の約7割が「物価高に耐えられない」と答えており、国民の不満は急速に高まっている。人民銀は早期利上げで物価抑制への決意を示す必要があると判断したもようだ。


利上げには不動産価格の上昇を抑える狙いもある。主要70都市の不動産販売価格は11月まで3カ月連続で前月に比べ上昇した。人民銀の胡暁煉副総裁は金融引き締めが「資産バブルの防止に役立つ」と言明している。


物価や不動産価格の上昇が止まらない背景には、先進国の低金利政策でだぶついた資金が中国国内に流れ込んでいることがある。人民銀は米国が11月に量的緩和策の第2弾(QE2)を決めたことでこうした資金流入が加速したとみており、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率の引き上げなども活用してカネ余りの解消を急ぐ方針だ。