藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

インフラの役割。

携帯キャリア3社が最高益を更新。
自分の場合、家族の人数分の携帯電話5台。
モバイルルータ3台。
固定電話契約3台。
一契約あたり平均4000円としても、月に四万円余りの基本料金を払っている。
「○○割引」などが適用され、データ通信料についてはあまりかかっていないようだが、それにしても高い。

近いうちには、恐らく「家族単位でモバイル一回線、家には固定回線ナシ」といった契約に収斂されていくだろうと思う。
今期まではまだキャリア側が、速度や通信エリアの拡大などで優位にいるけれど、もう無料の音声通話もデータ通信も始まっているし、ウェブ上の無料サービスもかなり充実してきている。
今の通信事業者たちが、道路や水道管や郵便のシステムのように「インフラ屋さん」になり、もう一定以上の付加価値を提供する存在ではなくなる日も近いだろうと思う。

後年振り返れば、通信事業者はインフラ化し、最終的には各地域の地公体に吸収されるか、今の電気、ガス事業者のような半官半民の存在になるだろうと思う。

ただ通信の場合は、その上を流れるものが多彩な「物流業者」とも言える訳で、民間でロジスティクスが飛躍的に発達したように、「コンテンツ+ロジスティクス」という組み合わせを志向することで「生き残れる物流業者」としての通信事業者の生きる余地はあるようにも思う。

日本中に高速通信網が遍(あまね)く張り巡らされてしまえば、もうそこに競争原理は働かない。
高速道路が現在では「一定以上の付加価値」を生まないのと同様、通信事業者も"次の姿と自分の立ち位置"を相当強く意識しておかねばならない局面に入る。

ここで鋭く先を読めれば、「さらに先のインフラ」を手掛けることもできるだろう。
そうした、インフラ企業の次世代戦略について、考えを巡らせてみるのもなかなか楽しいものである。

大もうけ携帯3社へ膨らむ不満 スマホ速度表示に利用者あきれ
2013.6.19 09:43 (1/2ページ)[携帯電話・スマートフォン
 携帯電話の販売店では年中、スマートフォン(高機能携帯電話)の割引合戦が繰り広げられ、「安さ」をアピールするが“正規料金”の実態を曖昧にしている。スマホの普及は携帯電話業界のカンフル剤となったが“副作用”も目につき始めた。(フジサンケイビジネスアイ
 総務省の家計調査によると、携帯電話通信料(通話とデータ通信料の総計)の家計に占める割合は、2011年に通信費全体の72%に達した。支払額は年間8万円を超え、固定電話通信料の2.6倍に膨らんだ。
 家計から吸い上げる通信料のおかげで、携帯大手3社の12年度決算は絶好調。NTTドコモ、ソフトバンクKDDIの営業利益は合計2兆274億円、営業利益率は18.4%と高水準だ。一方、端末メーカーは利益確保もおぼつかない危機的状況が続く。
 円安の恩恵を最も享受した自動車業界でも上位3社の営業利益は2兆7000億円、営業利益率がわずか6.5%で、携帯3社のもうかり具合は突出している。
 もうけ過ぎを批判するつもりはみじんもない。だが、利益の使い方に経営姿勢がにじみ出る。ソフトバンク孫正義社長が「今期は国内事業でドコモを抜いて営業利益1兆円を達成する」と豪語するように成長こそが株価を押し上げる原動力であり株主利益を生む。しかし、スマホ販売競争で再燃した販促費の大盤振る舞いや割引セールの原資は、膨らむ一方の「不満」解消の施策に有効利用すべきではないか。大幅値引きの条件となる2年契約縛りや自動更新、違約金制度は、裁判に勝っても利用者は不満を募らせている。相次ぐ通信障害への対策も対症療法に過ぎないのではないか。
KDDIで連続した通信障害は、高速データ通信規格「LTE」のエリアカバー率の競争が遠因といえる。米アップルの「アイフォーン」発売を機に番号持ち運び制度利用の転入者数で首位を独走する同社だが、「好事魔多し」である。
 田中孝司社長は「2重の制御装置が3重だったら防げた」と説明した。LTE基地局の制御装置のプログラムの不具合に起因した通信障害は、十二分な障害対策よりもエリアカバー率拡大を優先したために傷口を広げたのではないか。
 孫社長は「これだけ短期間に基地局を増やした企業はソフトバンクだけ」と胸を張ったが、突貫工事のしわ寄せが気がかりだ。2年前に立て続けに障害を起こしたドコモはいまも対策組織を運営し、障害の発生に神経をとがらせる。
 LTEの通信速度表示はいまや「毎秒最大100メガビット」を超えるが、通常の利用で表示通りの速度はまず出ない。1桁どころか2桁も違う速度表示に利用者はあきれている。エリアカバー率も“ご都合主義”の表示で利用者を惑わす。利益が膨らむほど携帯3社への不満が膨らむ現状を経営者はどう受け止めるのか。「金持ちケンカせず」では済まなくなってきた。(産経新聞経済本部 芳賀由明)