藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

縁の下の支え。


KINGSDOWN・PERFECTION

マットレス考。

購入してから十数年になるベッドが最近キィキィと音を立てるようになった。
フレームではなくマットレスだ。その中のバネのようだ。
救急ベッドに寝ているみたい。

同時にここ一年、右肩の回旋が悪くなり、一時はスーツの上着の着脱にも苦痛を感じるほどだった。
口の悪い旧友は「ゴルフしたら治るで」などと言っていたがそれどころではない。
角度がどうかすると全身に電流が走っていた。

知人の紹介の整体師に聞いてみると「うーん。枕かマットレスじゃないですかね…」というご託宣だった。

結果から言うと、右肩の激痛の原因は硬すぎるマットレスだった。
寝返りの打ち方まで検査してもらったが、自分は一晩に二十回ほども寝返りを打っていたという。
無意識に右肩を下にしたら、次はあおむけ、ちょっと腰がくるしくなったら左向き、という睡眠姿勢をずっと繰り返していたらしい。
適度な高反発素材のものに変えたら(これは現地で専門家に見てもらった方がいいね)、三日ほどで肩の痛みは去って行った。

椅子考。

さらに長年使ってきたアメリカ製のオフィスチェアも、どんどん各部のネジが離脱し、肘かけが取れたり、背もたれが右傾化していたので、これも買い替え。

家でもほとんどの時間座っている椅子。選ぶのに、やはり椅子のデザイナーさんの話を聞いていたら。
自分がこれまで使っていた米メーカーの椅子は、腰板、背もたれ、体重などの観点から「日本人には適合しにくい」という。
洗練されたデザインでメッシュをあしらう流行の椅子はいかにも格好がいいが、そもそもの設計が「壊れにくい」とか「過大な重量や寸法に耐えうる」ということらしく、繊細に「座り心地」とか「姿勢の補助」とかいうことは課題ではないという。

結局長年会社でも使用する有名ブランドではく、国産を選ぶことにした。
国産のオフィスチェアは総花的だがアグレッシブだ。
ここでもちょっと機能過剰の感がある。
あらゆるパーツの角度調整とか、テンションの可変性、さらに材質や部材の選択、豊富なデザインバリエーションなどダントツに多い。
結局日本人である自分が座り易ければいいのだろう、と思うが椅子という文化製品にも日本人の工夫とか知恵が確実に反映されてきていると思う。
もう量産型では海外メーカーを超えているのではないだろうか。