藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

権威とイノベーション。


韓国の学歴詐称問題が報道されている。
学歴に一定の権威があるからだ。

けんい
【権威】
1.すぐれた者として、他人を威圧して自分に従わせる威力。また、万人が認めて従わなければならないような価値の力。
 「親の―」
2.専門の知識・技術について、その方面で最高の人だと一般に認められている人。大家。
 「―筋」

「欧米の大学で学んだ」「政府の要職を務めた」ということが、今も一定の価値を持っている。
その人の人となりはともかく、「何を専門的に学んできた人か」という専門性を知る上で、つまりその人の背景を知る上では学歴・職歴というのは役に立つ。

けれど大事なのはさらに「今からその人が何を言うか」とか「何をするか」ということが大事なはずであり、過去の経歴は補助的な存在のはずである。
「一定の学問やキャリアを修めた人だから」という見えない力が世の中には少なからず働いているけれど、「それ」がこれからのことについて語られ始めるのは主客転倒というものだろう。

特に最近は経済にしても政治にしても、自然科学にしても「今回が初めて」と言われるケースが多い。
過去の経験の蓄積でいくら正解を探してもピッタリこないのは今の自分たちが日々経験していることである。
その分野に浅薄な素人が勝手なことを言うのは別にして、過去の蓄積が必ずしも絶対的な物ではないということがこれからの時代のキーワードではないだろうか。

日本の国家の財政が破たんか否か、という問題についても右から左まで諸説が入り乱れている。
権威は当てにせず、参考にしてあくまで自分で判断するという意識を持たねばならないと思う。