藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

税システムの限界。

税金を広く集め、それを公共に使う、というのは国家の根幹のシステムだ。
けれど、古今東西「一旦集められた税金」を巡っては未だ上手いシステムは発見されていない。
様々な税制と、その使い方は研究されているけれど、つまるところ無駄と不正は一向になくならないのである。
というかそもそも「無駄」については、国立競技場とか高速道路や新幹線が必要かどうか、というようなことについても絶対の正解などないし。
そしてその税金を使う立場の人になれば、その人独自の理屈もあって、結果絶対的な判断というのは難しい。
複雑な方程式で、税金の徴収と配賦の最適化を導き出せればノーベル賞間違いなしだと思うが、物事はそう簡単でなさそうだ。

しかも日本のような超高齢化とか、外部環境が刻々と変化する中では変動要因はさらに増えて混乱する。
医療費などの社会保障費を抑制する、と言ったところでゼロにできるわけもなく、複雑化する一方の方程式を前に途方に暮れている感じがするのである。
こういう場合は多分、「仮説と検証」を戦略的に繰り返して細かく正解を探っていくしかないと思うが、その試みすらどこで何をすればいいか混沌としている。

社会保障費などは地方の場合、国の補助金に半分頼っているというから、いわゆる「中央集権システム」をいつ抜本的に見直せるかというのは改革への一里塚なのではないだろうか。
地方分権という言葉が出始めて三十年ほど経つけれど、いよいよリアルに国の統治が分権化する時代に入っていくような気がする。
そのきっかけは超高齢化という「危機事態」であるのも皮肉なものだが、切迫しないと物事が進まないということもよくあることだ。
「集めた税金はじゃんじゃん使う」という発想から「自分で使う」という意識にリアルに持っていかなければ、税金とか社会保障の問題は永遠に解決しないだろう。
「自分のお金を、ちゃんと自分で使う」という基本にいつ戻れるだろうか。

UR対策費「じゃんじゃん使った」元農相ら反省
「何が農家にとって良いのかという点が抜けていた」「じゃんじゃん使ってしまった」――。
自民党が12日開いた農林水産関係の会合で、1993年に合意した関税・貿易一般協定(ガット)のウルグアイ・ラウンド(UR)の対策費6兆円の使い道を反省する発言があった。
 UR対策費は温泉施設の建設や農道の整備に投入されるなど、バラマキと批判された。出席した元衆院議員の谷津義男・元農相は「効果は2兆円にも達しない。農林族(の議員)や私が悪かった」などと述べた。

 自民党は、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を受けた国内対策を17日にまとめる予定だ。小泉進次郎・農林部会長は「持つべきものは良き先輩だ。率直に述べてもらった。意欲ある農家が展望を持てるようなTPP対策にする」と述べた。