短歌や俳句とかキャッチコピーなんかも、そういう「究極の表現」とか単語とかを追求する試みだと思う。
(さらに形式美なんかもあって、なかなか奥深いらしいですが)
その製品の機能とか、デザインとか、品質とか、安全性とか、ポータビリティとか、もう色々言いたいことはいっぱいあるけれど。
一言で言えば。
を追求する。
『gearing
【名】歯車装置
〈英〉《会計》ギアリング、収益を挙げるために他人資本を使用すること』。
なるほど。金融という仕事の本質ってそんなところにあったのだ。
その持つ役割を、色々といえばいっぱいいっぱいあるだろう。
しかも、やりたいことだってもう一つじゃない。
銀行なら、貸し出しもやれば、決済もやれば、保険も売れば、運用もするし…
けど一つだけ。
一つに絞って話しましょう。
さて説明するもののことですが。
例えば「自分の人生」を他人に一言で説明。
自分の職業を一言で説明。
自分の人生観を一言で。
自分の恋愛観を一言で。
自分の死生観を一言で。
自分の趣味を一言で。
自分の価値観を一言で。
とか。
あるいは
何でも安直に考える、という意味じゃなくて「そいつの本質を捉まえる」ということを考える大事さ、を
銀行とは『資本に負債を重ね、レバレッジを効かせて、資産として貸し出して回転させる歯車のようなもの』
という表現に出会って感じた。
物事を説明するなら、これくらいの鋭さで考えられることに憧れた。
三菱UFJを揺らす「巨大歯車」 モルガン出資 初損失 経済部 高見浩輔
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が1日発表した4〜6月期の連結業績で、米モルガン・スタンレーが5年前に持ち分法適用会社にして以降、初めて損失を生んだ。これまで利益の押し上げに貢献してきた「最良のパートナー」(MUFG首脳)だっただけに、業績が落ち込めば負の影響も大きい。改めてみると日本のトップバンクが米国を代表する巨大金融機関に2割も出資する現状は、経営不安の連鎖を防ごうとする国際金融規制の動きに逆行しているようにさえ映る。「危機対応出資」という特例措置が3年後に切れるタイミングを控え、両者の関係は“次”を模索する時期にさしかかっているのかもしれない。
「減益の最大の理由はマイナス金利ではなくモルガンだ」。MUFG幹部はこう打ち明ける。モルガンはMUFGの4〜6月期の連結純利益を65億円押し下げた。債券や商品(コモディティー)のトレーディング収益が落ち込み、MUFGの4〜6月期決算に反映されるモルガンの1〜3月期の純利益が11.3億ドル(約1200億円)と前年同期比53%減ったためだ。
2015年の4〜6月期は360億円の押し上げ。つまり、モルガンの影響分は前年同期比では425億円のマイナスだ。MUFG全体の純利益は1889億円で減益幅は888億円だったので、半分がこれで説明できてしまう。通期でみるとモルガンは16年3月期にはMUFGの純利益を1468億円も押し上げ、利益全体に占める比率は15%と15年3月期の7%から急上昇していた。それだけに落差は目立つ。
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もちろん業績の悪化が今後も続くとは限らない。モルガンの1〜3月期の減益は前年同期が好業績だった裏返しでもあるし、7月20日に公表された4〜6月期業績は純利益が15.8億ドルと12%の減益にとどまった。株式の希薄化という特殊要因で計上した特別損失が年度末に一部返ってくる可能性が高く、MUFG首脳も「通期ではマイナスとみていない」と話す。だが、それでも今回のマイナスが気になるのは、巨大な金融機関どうしの出資が、プラスの相乗効果だけでなく、金融危機時などにはマイナス面でも相乗効果を生むことを再確認させられたからだ。
ダブル・ギアリング――。金融機関による金融機関への出資はこう呼ばれ、国際金融当局は近年規制を強めている。銀行業は自己資本のうえに預金という負債を重ね、レバレッジを効かせた状態でマネーを貸し出しなどの資産として回転させる「歯車(ギア)」のようなもの。2つの巨大な歯車がかみ合ってしまうと、金融危機時には経営不安が連鎖しかねない。国際金融当局は金融機関への出資取引について、自己資本への参入を認めない措置を講じ、抑制を促してきた。
MUFGによるモルガンへの約9000億円もの巨額出資でこれまで問題が生じなかったのは、MUFGが08年の米金融危機時に“救済”として出資した際、「危機対応出資」として特例措置が講じられたためだ。出資分は10年間の時限措置として自己資本への参入が認められた。
だが、「名目はあくまで“救済”」(マネックス証券の大槻奈那氏)。この特例は19年3月末から毎年20%ずつなくなる。対象から除外されている資産は15年9月末で実に1.4兆円。23年3月末に特例措置が完全撤廃された場合、自己資本(普通株式等Tier1比率)を0.7%も押し下げる。
現時点では、厳しい自己資本規制にさらに高いハードルが設けられることを考慮しても、モルガンからの出資引き揚げは考えにくい選択肢だ。MUFGはもともと自前では投資銀行業務をできないという経営判断のもとで、モルガンへの出資を決めた。昨年の日本郵政グループの上場では三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務めるなど、提携効果は大きい。
米リーマン危機からもうすぐ8年。いまのところ日米に金融危機の気配はまったくないが、資源価格の急落や債券市場の流動性の低下など市場では不安の芽が依然としてくすぶる。MUFGはひとまず、そのなかを大きな歯車を2つ抱えながら進むことになる。