おなじみの日弁連が「弁護士」にアンケート。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071003/trl0710032108007-n1.htm
司法試験の合格者増と、就職難問題を受けて、早速。
で、まったく予定調和の結果が出たようだ。
司法試験の年間合格者3000人という政府目標について、回答を寄せた弁護士の9割近くが「必要ない」と回答したことがわかった。
しかも、回答率が異様に低い。
日弁連全会員約2万3000人を対象に実施。
1416人(約6.16%)から回答を得た。
つまりは、今年の司法試験合格者が1,500人(1000人増)で、未だに100人あまりが就職先が決まらないことが問題になっている。
また、これまでに既存の法律事務所や官公庁に対して「採用促進のお願い」を何度もしてきたのも日弁連だ。
「これからは、弁護士も大変だねぇ」が法曹界の人の合言葉になっているところにこんなアンケートをしても、出る結果は決まっているようなものだ。
しかし、こんな報道は問題だ。
また、司法試験合格者が年間2500〜3000人に増員された場合の国民への影響を聞いた質問には、「悪い影響が多い」が69.5%で、「良い影響が多い」の3.7%を上回った。
司法試験合格者数の政府目標については、鳩山邦夫法相が「多すぎる。質的低下を招く恐れもある」との考えを示している。
法務大臣からしてこの発言だが、それを分析するのは「報道の役目」だ。
調査の偏り
こういう報道が広まると、「無駄な増員なんだ」と鵜呑みにする人もいる。
マスコミの力とは恐ろしい。(その分、しっかりしてもらいたい)
・市場(マーケット)はどこにあるか?
・ 消費者(ユーザ)の声は聞いているか?
はビジネスでは鉄則、というかそんなの「常識中のジョーシキ」だ。
リコーやキャノンに「外国のデジカメ輸入は必要か」と聞いて歓迎する回答など出ないのと同じ。
「質の悪い後進国の製品が入るのはいかがなものか」と言うだろう。
こんな「超内輪」のアンケートでなく、全国いっせいに調査をすればよい。と思ったら、「法テラス」があるじゃないか。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000670293.shtml
(前略)
日本司法支援センター(法テラス)が開業してから、二日で丸一年を迎える。
しかし、コールセンター(東京)で受けた全国の相談件数は当初見込みの二割にとどまり、「PR不足」との声も聞かれる。県内でも、法律相談の地域差解消や犯罪被害者支援のシステム構築など課題は山積みだ。(三島大一郎)(中略)
昨年十月-今年九月二十二日までにコールセンターで受けた全国の相談件数は約二十二万五千件。(後略)
少なくとも、百万件の相談見込みに対し、応答率は二割。
「弁護士の質が下がるはず」を云々する前に、
「まったく足りてない」という現状を理解していない。
マーケットを見ないで議論はできぬ。
一市民としては、妙なアンケートはやめていただきたいと思う。