藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

偽装の実幕ほか

東京は数年ぶりの積雪。
新宿通りの北面の歩道に雪は少なく、南の歩道は雪だらけなのはなぜだったろう。


理容店で雑誌を見ていたら、ミートホープの元役員のインタビュー記事。
驚いた。
http://spa.fusosha.co.jp/weekly/ent_3568.php

肉の偽装は、計画的なんてものじゃなくもういかに不正に「肉らしきものを作るか」という社長の執念の産物だったことを知る。


腐った肉を仕入れてダメな部分を削りとり、薬品で臭いを消して、殺菌していたという。
社長は「いかなる肉をも捨てることがなかった」、と語る従業員。


骨付きカルビは骨を買ってきて「結着剤でハラミをくっつけていた」とあっては偽装の域を超えている。
民事の詐欺、で別の犯罪だろう。
それにしても何という工夫だろう。


などと思っていたらなんとPL保険(製造物責任保険)をかけていて、保険金詐欺まではたらいていたというではないか。(まだ捜査中らしいが)


徹底的に考え抜かれた、長年にわたって工夫されてきた仕掛けだったのだ、と理解を新たにした。
また内部告発を何年にもわたって無視してきた行政も悪の手引きをしてきたと、その謗りは免れぬ。


破産も偽装で隠し財産の疑いもある、と聞いてムネが悪くなってきた。


それにしてもこの経営者のすさまじき「悪のパワー」。
(腐臭プンプンの肉を前に「ええ肉じゃないか」と目を細めていたという社長の迫力。肉を見ているといくらでもアイデアが湧いてくる、と話していたらしい(恐))


これが「善」に向いていればいい会社だっただろうに。
と思わせるほど偽装に血道を上げる社長のすごさを伝えた記事だった。


それにしても、いつかはバレルだろう「虚」に気付かず何年も、何十年も続けてしまう我われ人間、とはよほど「微小な変化」に鈍感な生き物である。

だから小さな積み上げもいつしか大きな城、にもなるし、
また小さな「ごまかし」はいつしか「破綻(はたん)」を呼び込む。


そんなことを忘れずにいたいものだ。