藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

デフレというトレンド。

デフレーターのマイナス定着の主犯は、原油など資源価格の動きではない。


生産拠点を少しでも製造コストの安い海外に移し、製品を日本に持ち込んで売る企業の経営努力。


という。
国全体で見て、企業努力としての結果のデフレ。
これは「あるべくして」起きているのだ、と思える。

衣料品や日用雑貨で常識となったこうした企業行動そのものが、日本経済にデフレ体質を染み込ませている。

そしてこの「デフレータ指標」は、98年以降、12年連続で下げ続けているというではないか。


経済学者たちはこぞって「デフレ脱却なくして成長の土台は築けない。 」というが本当だろうか。
彼らの言う、「成長」とは何だろう。
今一度、「経済成長」とは経済の規模とか効率の成長ばかりではなく、「全く別の指標」が、今こそ求められており、それを確立すべき時期にあること。
グリーン税制でも、CO2排出率でもともかく、先進国がそのロールモデルを今こそ提案し、世界中に問うべきこと。


などを望みたい。
「経済的な規模の拡大」こそが経済成長そのものである、という固定観念でものを推し量っては未来に禍根を残す。
もうそろそろGDPとか、一人当たりGDPとか、設備投資とか、住宅着工戸数とか、バルチック指数とか物価とか、そういう「右肩上がり」の指標で「増大こそ」がいいことなのだ、という文化そのものから、価値観をシフトすべき時に差し掛かっているのだと思えてならない。


それがこの2010年からの自分たちの最初の役割なのでは、とすら思う。
ともかく、GDP成長率に一喜一憂する習慣は、早急に見直して、新しい価値観の指標を持ちたいものである。


<nikkei.netより>

デフレがむしばむ日本経済 GDP回復も「名」「実」逆転続く


 内閣府が15日発表した2009年10―12月期の国内総生産(GDP)統計は、日本経済をむしばむデフレ圧力が再び勢いづいていることを浮き彫りにした。
物価全体の動きを示すGDPデフレーターは前年同期比マイナス3.0%で、一期前の7―9月期(マイナス0.6%)から下落率を5倍に拡大。
物価下落のすそ野も国内需要から、海外との貿易取引を通じた需要全体に広がった。

マイナス3.0%というGDPデフレーターの下落幅は過去最大だ。
09年7―9月期までは、08年央の原油高の反動安が統計的にはGDPデフレーターを押し上げる方向に働いていたが、10―12月期以降は反動安の効果が薄らぎ、つっかい棒を失ったGDPデフレーターは一気に下落幅を拡大した。
暦年ベースでも、09年はマイナス1.0%と、1998年以降、12年間も下げ続けている。


デフレーターのマイナス定着の主犯は、原油など資源価格の動きではない。

生産拠点を少しでも製造コストの安い海外に移し、製品を日本に持ち込んで売る企業の経営努力。
衣料品や日用雑貨で常識となったこうした企業行動そのものが、日本経済にデフレ体質を染み込ませている。
デフレは企業の売り上げや収益の低迷を起点に経済活動全体を縮ませるやっかいな現象だ。


 日本を尻目に海外は原油価格の乱高下を乗り越え、緩やかな物価上昇に復帰している。
経済協力開発機構OECD)がまとめた直近の昨年12月の消費者物価は米国がプラス2.7%、欧州連合(EU)プラス1.4%といずれも上昇基調に戻った。

 昨年10―12月期の日本のGDP増加率は名目値が0.2%増と3四半期ぶりのプラスに戻った。
だが「(名目成長が実質を下回る)名実逆転を解消しない限り、中長期の安定成長は望めない」(みずほ総合研究所の中島厚志チーフエコノミスト)。
言い換えれば、デフレ脱却なくして成長の土台は築けない。