藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

プロにみる「生きる力」。


先日、千住さんのコンサートを聴いてしみじみ。
女手一つ。(とバイオリン一台)


オーケストラは、仲間がいる。
ピアのソロは、人はいないがまあピアノと一体である。
バイオリン・ソロは心許ない。


千人もの聴衆の前で、身一つ。(とバイオリン一台)
女性のソリストは大体がワンピースのドレス姿である。
おそらくバイオリニストは腹が出たらお終いである。
それはともかく。


しみじみ「ピン芸人(失礼)」は強いなぁ、と思い直した。
バッハの無伴奏シリーズ全曲演奏会。
なので伴奏なし。


あまり知らない曲も多いので眠くなるかな、と思ったらとんでもなく。
あーっ、と言う間の三時間であった。
さすがのストラディバリデュランティ
音が沁みてくるなぁ、と思っていたら隣の主婦と思しき三人組もうっとり。
「はぁ。素晴らしいわねぇ」とため息を吐(つ)く。

ど素人を知らない曲で感動させる。

自分は遠くの席だったが、おそらくご本人近くはただならぬ雰囲気だったろうと推察する。
第三番の最終小節、ギュン!ギュン!と弓が走ったときに背中に電気が走った。


プロというのは恐ろしい。
それにしても、あの目ぢからはどういうものだろう。


(つづく)