藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本筋回帰、と言いたいけれど。


自分の学生時代に携帯電話やネットなどあれば学校の試験などカンニングし放題だったろうなぁ、と思う。
ワープロの変換も高度になって、(それでも漢検が流行るのはなぜだろう)あまり「漢字を知っているかどうか」ということが加点につながらなくなったし、英単語だって意味を知っているよりもリスニングが的確にできないと「使い物になりにくい」などと日本の「学力観」も徐々に変わってきたいるのだと思う。


が学生の課題のコビペ、むべなるかな。
だってその「ネットサーフィンとコピペ」こそが情報入手におけるネットの最大の恩恵なのだから。
しかし大学の先生方がこれだけ頭を悩ましておられるのだから、大学側からしても「このリポートがコピペ主体のものなのか、オリジナルな論説があるのか」を見分けるのは難しいということなのだろう。

まあ、もともと「著作物」とはそういうものだと思うけれど。

このあたりは、コピペフリーの大物の筆頭である内田樹師匠に一言ご意見をお願いしたいところである。
それはともかく。

コピペもいいけど

自分の卒論とかを思い返しても、何か貿易摩擦が激化する、というような内容をかなり多くの書籍から抜粋し、少しだけコネコネして4-50ページに仕上げたことを思い出す。(遠い目)
それこそネットが(ワープロも)なかった時代なので力作業に苦労した。
今のネット環境があれば、自分も間違いなく「コピペ族」になっていたろうと思う。


だが一方では。
コピペを禁止、というのではなく正論として「その先」にある創造物の意義とか、新しい視点でものを考える楽しさ、とか新しい理屈や意見の尊さ、のようなものを真正面から学生に説いて行く方が、実は伝わりやすいのではないか。

学生諸君はカンニングを禁止されれば、「さらに手の混んだ手法を考えてやる」という具合に思考がドライブされやすいものである。

子供には、真正面から「大人の価値観」を堂々と示すことが肝要なのではないだろうか。

<yomiuri.onlineより>
学生諸君、コピペリポート見破りソフトあるぞ
学生のリポート作成で、インターネット上の資料をそのまま引き写す「コピー&ペースト(コピペ)」の横行に、大学側が悩んでいる。


 多くは「モラルに訴えるしかない」とするが、耐えかねて「発見プログラム」を独自に開発した大学も。ネットと共に育ってきた若者たちと大学側の間で、倫理観の溝は深い。

 夏休みのリポート作成が佳境に入った8月上旬、京都市内にある6国公私立大のキャンパスを訪ねた。教室ではパソコンを使い、真剣な表情で課題をこなす学生の姿が見られた。しかし中には百科事典のホームページとリポート作成ページを並べ、せっせとマウスを動かしコピペに励む者も。

 「アルバイトとサークルばかりで春は講義に出ていなかったけれど単位はほしい。面倒な課題はコピペで解決できる」と私立大経済学部2年の男子学生(20)。別の私立大文学部1年の女子学生(19)は「彼氏と海外旅行にいくので、コピペで早くリポートを出したい」と屈託がない。

 「複数のホームページから文章を抜き出したリポートが目につく」と関西にある私立大の男性教授は話す。ネットの普及とともに、学生の間では10年ほど前からコピペが目立つようになってきたという。

 経済学やITなど専門用語の意味や説明をそのまま張り付けたり、関係する研究論文の一部を写したり、中には一部固有名詞や語尾だけを替えて丸写ししているものまであった。

 教授は「学生時代は考える力をつけ、社会で活躍するための大切な準備期間だと何度も助言しても、目の前の楽しさに負けるようだ」とあきれかえる。

 コピペが発覚すれば、担当教員が採点をゼロにしたり、リポートの再提出を求めたりしているが、なかなか減らないのが現状だ。

 こうした事態に、阪南大大阪府松原市)ではコピペを発見するプログラムを開発、対策に乗り出した。リポート中の重要名詞を複数選び、検索エンジンで探した大量のホームページと比較。6割以上が似ていると「コピーの可能性あり」と判断、担当教員に伝え指導を求める。

 3000字程度なら30〜40分で判定。コピーしたと思われる文章は、コンピューターの画面上で赤く表示される。

 開発した花川典子教授らが7月下旬、全講義のリポート5249件を調べると、約4割にコピーの可能性があった。「資料は、楽するためではなく、学ぶためにある。不届き者は一掃し、抑止効果も狙う」と花川教授は憤る。

 全学生、教職員を対象に、引用の注意点など情報モラルに関する講義をネット上で実施するのは京都大。「大学として必要な指導は行っている。講義での評価方法は様々なので、現場では教員の判断に任せている」。大阪大や立命館大などは新入生への導入教育や履修要項などで注意を促している。(科学部 矢沢慎一)

(2010年8月15日11時53分 読売新聞)